病変検出不能の指標とする微小残存病変陰性データをベネトクラクスの添付文書に追記

アッヴィ合同会社 2018年10月01日 16時00分
From 共同通信PRワイヤー

2018年10月1日

アッヴィ合同会社

病変検出不能の指標とする微小残存病変陰性データをベネトクラクスの添付文書に追記

●微小残存病変(MRD)陰性を、血液中または骨髄中のリンパ球10,000個中に慢性リンパ性白血病(CLL)細胞1個未満と定義(1)
●第III相MURANO試験において、治療歴のあるCLL患者さんを対象としてベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与を行ったところ、約9カ月後における血液中のMRD陰性(病変検出不能)の達成率は53%、一方、標準治療の化学免疫療法レジメンであるベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与による治療を受けた患者さんでの達成率は12%(2)
●ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法は、治療歴のあるCLL患者さんを対象に、一定の期間、約2年後には投与中止が可能な、従来の殺細胞性の化学療法を含まない最初のレジメンとしてFDAの承認を最近取得、これに続く添付文書の改訂(2)
●2018年のベネトクラクスのマイルストーンとしては2番目の添付文書の改訂

2018年9月11日 イリノイ州ノースシカゴ-研究に重点を置くグローバルなバイオ医薬品企業であるアッヴィは、米国食品医薬品局(FDA)によりベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法の適応拡大を受け、第III相MURANO試験においてMRD陰性を達成した治療歴のある慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんに関する情報が追加されたことを発表しました。

MRD陰性は、高感度の分析方法を用いたときに血液中または骨髄中で検出できるCLL細胞がリンパ球10,000個中に1個未満とされています1。ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併⽤投与群では、併用投与開始後の約9カ月[リツキシマブ(遺伝子組換え)最終投与後3カ月]において、半数を上回る患者さん[53%(194例中103例])]がMRD陰性を達成しました。一方で標準治療の化学免疫療法レジメンであるベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群でMRD陰性を達成した患者さんは12%(195例中23例)でした2。

アッヴィの研究開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高科学責任者のマイケル・セヴェリーノ医師(M.D.)は次のように述べています。「ベネトクラクスの今回の添付文書の改訂は、医師の皆さまにとって、MRD陰性に関する新たな情報となります。治療歴のあるCLL患者さんの治療目標としてMRD陰性は、ますます重要になってきています。ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法は、治療歴のあるCLL患者さんにとって、約2年後には投与を止めることができる、従来の殺細胞性の化学療法を含まない最初のレジメンです。今回の添付文書の改訂は、治療が困難な血液がんの患者さんのための治療を進展させるという当社の取り組みにおける、もう一つの重要なマイルストーンとなります」

MURANO試験では、治療に奏効した患者さんを対象として、MRD陰性の達成率を評価しました。完全奏効(CR)がみられた患者さんおよび骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)がみられた患者さんでの投与9カ月時点[リツキシマブ(遺伝子組換え)最終投与後3カ月]のMRD陰性の達成率は、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で3%(194例中6例)およびベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で2%(195例中3例)でした2。

CLLは⼀般に進行が遅い骨髄および血液のがんで、リンパ球と呼ばれる白血球ががん化して異常に増殖します3。米国では、毎年新たにCLLと診断される患者さんが20,000例を超えています3。

MURANO試験の治験責任医師であり、Peter MacCallum Cancer Centre & Royal Melbourne Hospital(オーストラリア)の血液内科部長でもあるジョン・シーモア医学博士(MBBS, Ph.D.)は次のように述べています。「CLLは人生を変えてしまう慢性のがんで、寛解と再発の時期を繰り返す特徴があるため、患者さんの気分を激しく変化させます。多くの患者さんは、寛解時期に入っても、再発を心配されることになります。そのような中、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法によるMRD陰性の達成率は大きな期待を持たせてくれます。CLL患者さんを対象とした治療目標は、患者さんが可能な限り長期の寛解を達成できることです。MRD陰性は、新しい治療法の効果を評価するための、私たちにとっては、また1つの有望な判断材料となります」

ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤であり、FDAから画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)の指定を取得しています4。2018 年6月、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法は、染色体17p欠失の有無を問わず1つ以上のレジメンの治療歴があるCLLまたは小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者さんの治療薬として、優先審査を経てFDAによる承認を取得しています2。これら治療歴のあるCLL患者さんを対象としたMRD陰性のデータの追加は、ベネトクラクスは2018年における2番目の添付文書の改訂となります。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これら数社共同でベネトクラクスのBCL-2研究に取り組んでおり、種々の血液がんおよび他のがんを対象とした複数の臨床試験でベネトクラクスの研究に取り組んでいます5,6,7,8。

MURANO試験とMRDの結果について
1つ以上のレジメン治療歴がある再発/難治性(R/R)CLL患者さん計389例が、国際多施設共同非盲検無作為化(1:1)MURANO試験(NCT02005471)に登録されました。この試験は、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(194例)の有効性および安全性を、ベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(195例)と比較するためにデザインされました。本試験の患者さんの年齢中央値は65歳(範囲:22〜85歳)でした2。

米国では、独立中央審査委員会(IRC)の評価による無増悪生存期間(PFS:病勢進行がない状態の生存期間)に基づいて有効性が検討されました。PFS中央値は、ベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群において18.1カ月であったのに対し、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群でその時点では到達しておらず[ハザード比:0.19、95%信頼区間(CI):0.13〜0.28、P<0.0001]、PFSの追跡調査期間中央値は23.4カ月(範囲:0〜37.4カ月以上)でした。その他の有効性評価項目は、IRCの評価による奏効率[奏効率(ORR)、完全奏効(CR)+骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)、結節性部分奏効(nPR)または部分奏効(PR)と定義]、全生存期間(OS)およびMRD陰性達成率でした2。

PR以上の治療効果を達成した患者さんを対象に、アリル特異的オリゴヌクレオチド-PCR(ASO-PCR)を用いてMRDを評価しました。MRDの陰性状態とは、リンパ球10,000個中のCLL細胞が1個未満と定義しました。投与開始後9カ月(リツキシマブ最終投与後3カ月)の末梢血中のMRD陰性達成率は、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で53%(194例中103例)およびベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で12%(195例中23例)でした2。同時点でCR/CRiを達成した患者さんでのMRD陰性達成率は、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で3%(194例中6例)およびベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で2%(195例中3例)でした。

ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝⼦組換え)併用投与群でグレードを問わず最もよくみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症(65%)、下痢(40%)、上気道感染(39%)、疲労(22%)、咳嗽(22%)および悪心(21%)でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で副作用により投与を中止した患者さんは16%、減量した患者さんは15%、投与を中断した患者さんは71%でした。ベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で副作用により投与を中止した患者さんは10%、減量した患者さんは15%、投与を中断した患者さんは40%でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で好中球減少症によりベネトクラクスの投与を中断した患者さんは46%、投与を中止した患者さんは3%でした。また、血小板減少症により投与を中止した患者さんは3%でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群では、病勢進行なくベネトクラクスの最終投与から30日以内またはリツキシマブ(遺伝子組換え)の最終投与から90日以内に発現した致死性の副作用は患者さんの2%(194例中4例)と報告されました。重篤な副作用は患者さんの46%で報告され、最も多く報告された重篤な副作用(5%以上)は肺炎(9%)でした2。

ベネトクラクスについて(⽶国)
ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。いくつかの血液がんおよび他のがん腫瘍では、BCL-2が過剰発現し、アポトーシスと呼ばれる、がん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的としており、アポトーシスの過程を回復させる作用があります2。

ベネトクラクスはアッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これら数社共同でBCL-2の研究に取り組んでおり、ベネトクラクスについては、種々の血液がんおよび他のがんを対象とした複数の臨床試験おいて現在評価されています。

2016年4月、米国食品医薬品局(FDA)は、1つ以上のレジメンの治療歴がありFDAが承認した検査法で染色体17p欠失が認められたCLL患者さんの治療薬として、ベネトクラクスの迅速承認を初めて認めました9。FDAは、奏効率に基づいてこの適応症を迅速承認しました9。MURANO試験の結果に基づき、2018年6月には、ベネトクラクスは染色体17p欠失の有無を問わず、1つ以上のレジメンの治療歴があるCLL患者さんやSLL患者さんに対する治療薬として、リツキシマブ(遺伝子組換え)との併用療法または単剤療法が完全承認されました2。

ベネトクラクスは、米国を含めて50を超える国で承認されています。アッヴィは現在、ロシュ社と共同で、適格に治療を必要性を有する患者さんにベネトクラクスを提供するため、世界中の規制当局と協力しています。

詳細については、www.abbvie.com(リンク)をご覧ください。

ベネトクラクスとは
ベネトクラクスは、染色体17p欠失の有無を問わず1つ以上のレジメンの治療歴がある慢性リンパ性は白血病(CLL)患者さんまたは小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者さんの治療に用いられる処方薬です。

ベネトクラクスの小児に対する安全性及び有効性データは確立されていません。

ベネトクラクスの⽶国における重要な安全性情報
ベネトクラクスについて認識しておくべき最も重要な情報とはどのようなものでしょうか。
ベネトクラクスは重篤な副作⽤を引き起こす可能性があります。以下に例を示します。
腫瘍崩壊症候群(TLS):TLSはがん細胞が短時間に崩壊することによって起こります。TLSは腎不全を引き起こし、透析治療が必要となる可能性があるほか、死に至ることもあります。担当の医療提供者は、TLSのリスクを低減させるため、ベネトクラクスの投与開始前と投与中に検査を行いTLSになるリスクがあるかを調べます。補液の静脈内投与が必要になることもあります。ベネトクラクス投与中にTLSについて調べるため、投与開始から5週間後に血液検査を行います。予約したとおりに血液検査を受けることが重要です。ベネトクラクス投与中に、発熱、悪寒、悪心、嘔吐、錯乱、息切れ、痙攣発作、不整脈、暗色尿、混濁尿、異常な疲労、筋肉痛、関節痛など、TLSの症状があらわれた場合は、すぐに担当の医療提供者に伝えてください。

TLSになるリスクを低減させるため、ベネトクラクスを服⽤するときは、⽔分を多くとること。ベネトクラクス初回投与の2日前から毎日コップ6〜8杯(合計で約56オンス)の水を飲み始め、初回投与当日や用量が増量されたときも毎回飲んでください。

ベネトクラクスを服⽤すべきでないのはどのような患者さんですか。
ベネトクラクスの服⽤を開始し、徐々に増量している間は、TLSが増えるリスクがあるため、特定の薬剤を服⽤しないでください。
●処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントなど、服用している薬剤をすべて担当の医療提供者に伝えてください。ベネトクラクスと他剤が互いに影響し合って、重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。
●担当の医療提供者に相談せずに、ベネトクラクス投与中に新たな薬剤の服用を開始しないでください。

ベネトクラクスを服用する前に、あなたの医学的情報をすべて担当の医療提供者に伝えてください。例えば、次のような場合です。
●腎障害または肝障害がある。
●塩分または電解質(カリウム、リン、カルシウムなど)に問題がある。
●血中の尿酸値が高い、または痛風の既往歴がある。
●ワクチン接種を予定している。ベネトクラクスの投与前、投与中または投与後は担当の医療提供者が接種を認めるまで「生ワクチン」は接種しないでください。予防接種またはワクチンの種類について不確かな場合は、担当の医療提供者にお尋ねください。ベネトクラクス投与中はこのようなワクチンを安全に接種できない、または接種しても効果が得られないことがあります。
●妊娠している、または妊娠を計画している場合、ベネトクラクスは胎児に害を及ぼすおそれがあります。妊娠可能な場合、担当の医療提供者はベネトクラクス投与開始前に妊娠検査を行います。ベネトクラクス投与期間中と最終投与後30日間は効果的な避妊を行ってください。妊娠した、または妊娠したと思われる場合は、すぐに担当の医療提供者に伝えてください。
●授乳中または授乳を計画している場合、ベネトクラクスが母乳に移行するかどうかは不明です。ベネトクラクス投与期間中は授乳しないでください。

ベネトクラクス服用中はどのようなことを避けるべきですか。
ベネトクラクスを服用している間は、グレープフルーツジュースを飲まないこと。また、グレープフルーツ、セビリヤオレンジ(マーマレードに使用されることが多い)またはスターフルーツを食べないこと。これらの製品や産物は血中のベネトクラクスの量を増加させる可能性があります。

ベネトクラクスの副作用はどのようなものですか。
ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。例えば、次のような副作用です。
●白血球数低値(好中球減少症):白血球数低値はベネトクラクスでよくみられますが、重度になることもあります。担当の医療提供者は、血球数を調べるためベネトクラクス投与期間中に血液検査を行います。ベネトクラクスを服用している間に発熱や感染の徴候がみられる場合は、すぐに担当の医療提供者に伝えてください。

ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝⼦組換え)を併⽤したときの主な副作用は、白血球数低値、下痢、上気道感染、咳嗽、疲労、悪心などです。

ベネトクラクスを単剤で投与したときの主な副作用は、白血球数低値、下痢、悪心、上気道感染、赤血球数低値、疲労、血小板数低値、筋肉痛、関節痛、腕、脚、手および足の腫脹、咳嗽などです。

ベネトクラクスにより、男性の受精能に問題が生じることがあります。子どもをもうける能力に影響を及ぼす可能性があります。受精能について心配な場合は、担当の医療提供者にご相談ください。

これらは必ずしもベネトクラクスの副作用とは限りません。心配な副作用または治らない副作用がある場合は、担当の医療提供者に伝えてください。

処方薬の副作用をFDAに報告することが推奨されています。ウェブサイトwww.fda.gov/medwatch(リンク) から、または1-800-FDA-1088に電話してください。

ベネトクラクスの⽶国の処⽅情報(投薬ガイドを含む)の全⽂は以下(リンク)を参照してください。世界各国で処方情報はさまざまです。完全な情報は各国の製品ラベルを参照してください。

患者さんへの支援
米国では、ベネトクラクスを服用している患者さんのうち適格な方に対しては患者支援が適用されます。薬剤の費用を負担できず、支援を受ける場合はwww.pparx.org(リンク) にご連絡ください。

がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、当社が持つ生物学の中心分野における深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、⼀部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法で、このような革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようにするためのソリューションの探求にも取り組んでいます。2015年にファーマサイクリックス社を買収し、2016年にStemcentrx社を買収したことで、研究開発活動と共同研究により、現在アッヴィのがん分野のポートフォリオは、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍に関する、200件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、リンクリンク)をご覧ください。

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]