酪農学園大学の金子正美教授らが胆振東部地震による被害状況を示す地図を作製 -- 厚真町や安平町に無償提供

酪農学園大学 2018年10月01日 14時05分
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酪農学園大学(北海道江別市)環境共生学類の金子正美教授(環境GIS研究室)、小川健太准教授(環境空間情報学研究室)、小野貴司研究員は、北海道胆振東部地震の発生後にNGOや民間企業の有志と「北海道胆振東部地震緊急地図作製チーム(Emergency Mapping Team:EMT)」を結成。地震の被害状況を示す地図を作製し、厚真町や安平町への無償提供を行っている。




 環境分析を専門とする金子教授は、アメリカのデジタルグローブファンデーションと提携し、グーグルマップでも使われているワールドビュー衛星など、デジタルグローブ社の衛星画像データの無償提供を受けて環境や農業分野の情報分析に使用している。

 9月6日に発生した北海道胆振東部地震での厚真町の被害を知った金子教授は、救助活動や復興作業には地図が不可欠と判断。地理情報を扱う小野貴司研究員らと共に、同大の停電が復旧した9日から地図の製作を開始した。
 地震直後に同社が撮影した衛星画像を入手して被災地区の解析を進め、その結果をA0判31枚とA3判250枚に印刷。9月11日に自ら厚真町役場に届けた。その後、14日、23日にも同町や安平町を訪ね、新たに作製した詳細な地図を手渡した。

 これらの地図は「ユニバーサル横メルカトル図法」という国土地理院の地形図で用いている図法で作製されている。これを、自衛隊でも使われている「UTMグリッド」と呼ばれる1km四方の格子線で区画に分け、道外などから派遣されて土地勘がない隊員が現在地や目的地までの距離を把握しやすいように工夫。救護活動などを行う関係者らが一目で状況を把握できるよう、大型の用紙に印刷した。

 作製した地図は電力が復旧していない被災地で活用され、救助や復興に大きく貢献した。今後は土砂崩れ発生のメカニズムや二次災害の防止、復興計画の策定などに関する研究を進めていく予定。そのほか、金子教授のゼミ生らが現地で実際に集めた情報を盛り込んだ地図を作ることも計画している。

 今回の活動に先立ち、同大では小川教授が中心となって農業環境情報サービスセンターや江別市消防本部とともに「EMT江別」を結成して災害訓練を行い、被災状況、避難所や病院の状況等の情報をまとめて地図として可視化する試みを実施してきた。その蓄積が実を結び、今回の震災での迅速な対応に繋がったと考えられる。

 金子教授は「現地では山が崩れたというより『無くなった』と言った方がいいような被害場所もあり、農地や森林が甚大な被害を受けていることが衛星画像からわかります。救助活動を終え、これからは住宅地や林道、農業用水路、沢などの被害状況を正確に把握して、復興作業に取り組んでいかなければなりません。そのために、今後はドローンでの撮影も行い、それらの情報を盛り込んだ地図を作製することで、中長期的に復興支援をしたいと思っています」と語る。

 また小野研究員は「地図にグリッドを入れ、細かく番号をつけることで、被災地で自衛隊が活動するために役立てることができました。これまでの研究による知識やノウハウがあったおかげです」と話した。

○北海道胆振東部地震緊急地図作製チームFacebook
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住所:北海道江別市文京台緑町582番地
TEL:011-388-4158
メール:koho@rakuno.ac.jp


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