CEIBS欧州フォーラムのプラハ会議は中国と中東欧の協力に焦点

中欧国際工商学院(China Europe International Business School) 2018年09月26日 17時49分
From 共同通信PRワイヤー

CEIBS欧州フォーラムのプラハ会議は中国と中東欧の協力に焦点

AsiaNet 75403 (1708)

【プラハ2018年9月26日PR Newswire=共同通信JBN】歴史的なプラハ城が、中国と中東部欧州(中東欧、CEE)諸国が相互の経済成長促進で協力できる方法をめぐる率直で実り多い討議の会場になった。約200人が参加したイベントで、新任チェコ駐在中国大使のチャン・ジャンミン氏、チェコ国立銀行のジリ・ルスノク総裁、New Silk Road Institute Prague(プラハ新シルクロード研究所)の所長兼大統領顧問のヤン・コホウト氏、中欧国際工商学院(China Europe International Business School、CEIBS)学長のリー・ミンジュン教授、CEIBSのスー・ビン経済財政教授が基調演説を行った。中欧国際工商学院とプラハ新シルクロード研究所が共催した。

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チェコ駐在中国大使として初の公式講演でチャン・ジャンミン氏は、特に世界の一部で一国主義と保護主義が台頭している折から、両国が協力する必要性について語った。大使は「貿易戦争は大国間の経済・貿易関係に緊張をもたらし、不確実性が増大している。中国は常に多国間貿易体制と自由貿易の原則を順守してきた。われわれは外界にさらに開放する」と述べた。また、データが相互投資の急成長を示しているとして、中国・チェコ関係が「順調に発展している」と指摘し、次の段階は両国間の協力を加速することであると続けた。

チェコの元副首相兼外相であるヤン・コホウト氏も両国間の協力問題に言及した。成果はすでに得られたとする一方、「なお達成すべきことは多い」とし、双方が協力を深化できる分野を示唆した。コホウト氏は、多くの中国投資家は経済基盤プロジェクト、IT・ハイテク企業の買収、広いCEE市場への商品販売に関心があると述べた。さらに「中国がさらに市場開放することをも期待したい。ここ数年、われわれは相互に理解してきた。われわれはまた、長期戦略と法・規制を明確にする必要がある」とし、「われわれは進展している。本日のフォーラムは、将来の協力のヒントにつながるアイデア交換の素晴らしいプラットフォームになる。このフォーラムから生まれうる成果の1つは将来のプロジェクトである。われわれは特にこれまで言及した分野で、中国投資家をチェコに歓迎する」と述べた。また、上質労働力の供給元としてのチェコ、中国市場アクセスを取得することへの関心、両国がR&Dで協力する可能性についても語った。

チェコ国立銀行(CNB)のジリ・ルスノク総裁は、金融面で両国がどのように取り組み、それを継続できるかについて語った。中国銀行業監督管理委員会(CBRC)とCNBが覚書を取り交わした2010年に始まった業務協力関係は、CBRCがEU監督当局と初めて調印したものの1つで、危機管理を対象に加えた2016年に深化した。ルスノク氏は講演で、中国主導の「一帯一路構想(BRI)」の下で相互的な金融安定を確保、前進させるために必要な政策の一部を概説した。また、両国の金融市場が協力を深化させる方法にも言及し、「われわれは堅固な銀行システム、消費者保護のためのマイナス要因の削減、財務管理能力を必要としている」と述べた。ルスノク氏は次に、CNBの「統合監督」システムにみられる利点の例を挙げた。システミックリスク、情報共有シナジー、強力な技術的・専門的サポート、自律的な意思決定に集中できるシステムである。また、金融市場規制の強化、関連データの効果的な交換・統合の条件を整える国家レベルの監督、分析作業統合の可能性も指摘した。また「われわれは中国の相手と金融安定化の話題など知識・体験の共有について協力している。われわれの間でもっと体験を共有する取り組みができると確信している」と語った。

ルスノク氏は、中国・チェコ間で将来可能な協力分野として、金融安定とストレステスト、消費者信用市場と銀行以外の金融機関の監督、また、資産市場のバブルを防止するマクロプルーデンス政策、十分な資本バッファーの構築、通貨政策との協調が含まれると述べた。さらに、協力ビジョンの障害になる今後の課題として、「相互貿易の大きな不均衡」、一部中国機関の透明性が低い管理・所有構造、一部中国投資家の不明確な投資戦略などを挙げた。ルスノク氏は「将来のチェコ・中国関係は互恵的でなければならない。市場をさらに外界に開放する中国のイニシアチブを大いに歓迎したい。われわれはこれが協力促進に役立つと考えている」と強調した。

相互に有益な関係というテーマは、CEIBSの経済学・財政学教授であるスー・ビン氏により継続された。スー教授は経済データを使って、中国とチェコ共和国が互いに学び合うことができる知恵を提供し、両国がどのように協力することができるかその方法を強調した。教授は次のような両国の類似点を指摘した。すなわち、サービスがいずれもGDPの大部分を占めており、両国の低い失業水準の維持に役立っていること、両国とも海外投資家にとって非常に魅力的であること、両国とも依然(相対的に)急速に成長しており、その経済成長は資本と技術により推進されていること-などである。両国のマクロ経済的な比較を行った後、スー教授は以下のような中国がチェコ共和国から学ぶことができる6つの点を強調した。つまり文化遺産を保全しながら都市化を進める方法、サービス貿易を改善する方法、高齢者に医療を提供する方法、所得、利益、キャピタルゲインに対する課税の適切なバランスのとり方、大気汚染対策、為替相場やその他の国際貿易、外国直接投資に関連する金融セクターの問題をいかにうまく管理するか-などである。

このフォーラムはまさに歴史的な瞬間に合わせて開かれた。すなわち中国の改革開放40周年、中国・EU包括的戦略パートナーシップ15周年、「一帯一路構想」5周年である。中国は、CEE(中東欧)を欧州の経済成長の潜在的な推進力であり、かつ重要なパートナーであり投資先であるとみなしており、CEIBSのリー・ミンジュン教授(学長)が歓迎スピーチで指摘したようにチェコ共和国は中国の対CEE関係の重要な要素である。リー教授は「両国間の政治的、経済的、文化的交流は継続的に進展しており、2国間貿易は健全に発展してきた。中国は、EU以外ではチェコの最大の貿易相手国であり、チェコの第2位の輸入品源となっている。一方、チェコ共和国は中東欧諸国における中国の第2位の貿易相手国である。中国の『一帯一路』構想と『16+1協力』のビジョンの下に、中国・チェコ関係の『黄金時代』のモメンタムを踏まえ、われわれは今日ここに大いなる希望をもって、企業間の意見交換と協力のためのプラットフォームを提供するために集まった」と指摘した。彼はまた、この関連で、ERICEEを立ち上げるためのSINO-CEE Fund(中国・中東欧基金)との昨年の協力などCEIBSがこれまでに実施してきた取り組みについて語った。ERICEEは、CEIBSのCEE16カ国との学術協力をもたらしたイニシアチブで、その国家レベルのシンクタンク、有名なビジネススクール、CEEでの協力のための関連省庁への知的支援を提供する。これらの努力はすべて、「中国と欧州間のビジネス協力を促進するために欧州のパートナーと協力する架け橋」であるプラハ・フォーラムによって補完される、とリー教授は述べた。

今回のイベントは、中国とチェコの主要な企業幹部が参加した2つのパネル討議で締めくくられた。最初の討議は、両国への投資のためのプラクティスと実例を取り上げた。パネリストには、SINO-CEEF Europeの最高経営責任者(CEO)のジン・チェン、チェコ商業会議所プレジデントのウラジミル・ドルーイ、COSCO SHIPPING Lines (Central Europe) s.r.o.のエグゼクティブディレクターのジョンミン・ルオ、Zhejiang Huajie Investment Development Co., Ltd.社長のフェンディー・ジャン、Deloitte (Czech Republic)会長のジョセフ・コトルバの各氏が含まれていた。

同日は、「New Space for China-Czech Cooperation(中国・チェコ協力のための新たな空間)」に関するパネル討議で終了した。討議では、CEZ ESCOの取締役会長兼マネジングディレクターのカミル・チェルマク、チェコ共和国中小企業協会会長のカレル・ハブリチェク、Dahua Technology Czech s.r.oのカントリーマネジャーのジェンユー・フー、Czech General Aircraftの取締役会長のペトル・ハイル、Huawei Technologies (Czech)のビジネスグループマネジャーのペテル・バセクの各氏から意見が出された。

このフォーラムは、欧州のパートナーと協力し、中国の主要な国際的ビジネススクールであるCEIBSが主催する5つのフォーラムの1つである。このイベントは、CEIBSが果たした役割を観察することにより中国・EU包括的戦略パートナーシップ15周年を記念して開始された幅広いCEIBS Insights 2018イニシアチブの一環であり、中国・欧州関係の強化に引き続き貢献している。今回のプラハのイベントに先立ち、CEIBSは7月17日と19日にそれぞれミュンヘンとロンドンでフォーラムを開催した。CEIBS Insights Europe Forum 2018シリーズの次のイベントは、10月19日にパリで、10月24日にチューリヒでそれぞれ開催される予定。

▽CEIBSについて
中欧国際工商学院(China Europe International Business School、CEIBS)は、アジアでトップの国際ビジネススクールの1つで、ファイナンシャル・タイムズのMBA、EMBAおよびExecutive Educationプログラムのトップ30のリストにそれぞれ同時にランクされたアジアでは唯一のビジネススクールである。

CEIBSは世界80カ国以上からの2万人以上の卒業生を擁しており、国内外の15万人以上の経営幹部に幅広い管理プログラムを提供している。CEIBSの教授陣は、授業と研究の両面で「China Depth and Global Breadth(中国深度、全球広度)」のコンビネーションを独自に提供する能力を備えている。

CEIBSは、上海、北京、深セン、チューリヒ、アクラにキャンパスを有している。

ソース:China Europe International Business School


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