2018年 「RPA活用の課題」と「RPA導入につながる既存業務システムの課題」

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるRPA活用における課題ならびにRPA導入に繫がる既存の業務システムにおける課題に関連する調査結果を発表した。

<既存の業務システムにおける課題解決の手段として、RPA導入を訴求するアプローチも有効>
■「どの業務にRPAを適用すべきか?」をユーザ企業が判断するための情報提供が不可欠
■大企業のRPA活用とは異なり、中堅・中小企業では「野良ロボット」に対する懸念は少ない
■ERPでは「データ連携」、販売管理では「入庫時の検品ミス」がRPA導入に繫がる課題項目

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年9月25日

2018年 「RPA活用の課題」と「RPA導入につながる既存業務システムの課題」

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるRPA活用における課題ならびにRPA導入に繫がる既存の業務システム(ERP、会計、販売、ワークフローなど)における課題に関連する調査を実施し、その分析結果を発表した。
本リリースは「2018年版 中堅・中小企業におけるRPA活用の実態と展望レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<既存の業務システムにおける課題解決の手段として、RPA導入を訴求するアプローチも有効>
■「どの業務にRPAを適用すべきか?」をユーザ企業が判断するための情報提供が不可欠
■大企業のRPA活用とは異なり、中堅・中小企業では「野良ロボット」に対する懸念は少ない
■ERPでは「データ連携」、販売管理では「入庫時の検品ミス」がRPA導入に繫がる課題項目


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■「どの業務にRPAを適用すべきか?」をユーザ企業が判断するための情報提供が不可欠
RPA(Robotic Process Automation)は大企業のみならず、中堅・中小企業においても注目を集めているが、その導入や活用に際しては少なからず課題も生じてくる。本リリースの元となる調査レポートでは1300社のユーザ企業を対象とした調査を実施し、20項目に渡る「RPA活用における課題」に関する分析を行っている。
以下のグラフはRPAの活用状況に関して、「RPA導入済み」/「RPA導入予定」/「現時点では判断できない」の3通りのケースの各々について、「RPA活用における課題」を尋ねた結果(全20項目)から4つを抜粋してプロットしたものである。(調査レポートでは下記のグラフに加えて、年商別/業種別/用途別など、様々な観点での集計データが含まれる)
「ヒトによる手作業をゼロにすることができない」の割合は活用状況による違いが見られない。これはユーザ企業がRPAに対し、「あらゆる手作業をゼロにできる」という過剰な期待を抱いているわけではないことの表れといえる。一方、「自動化できる業務内容がどれかわからない」の割合は「現時点では判断できない」<「RPA導入予定」<「RPA導入済み」の順に高くなっており、RPA活用の取り組みが進むにつれて、「自動化すべき業務の選定」に悩むユーザ企業が増えていることがわかる。ベンダや販社/SIerとしては、RPA製品の機能アピールだけでなく、「どの業務にRPAを適用すべきか?」をユーザ企業が判断するために役立つ情報(部門別や業務場面別のモデルケース紹介など)を充実させていくことが求められてくる。次頁以降ではこうした「RPA活用における課題」に関する分析結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。

■大企業のRPA活用とは異なり、中堅・中小企業では「野良ロボット」に対する懸念は少ない
本リリースの元となる調査レポートでは、RPA活用における課題を4つのグループ、合計20項目に渡って尋ねている。 業務内容に関連した項目(3項目):
「自動化できる業務内容がごく一部に限られる」
「自動化できる業務内容がどれかわからない」
「ヒトによる手作業をゼロにすることができない」
RPAシステムに起因する項目(5項目):
「RPAシステムを導入/運用する負担が大きい」
「RPAシステムのライセンス費用が高価である」
「RPAシステムが業務システムと連携できない」
「RPAシステムが周辺機器と連携できない」
「RPAシステムが散在して管理が難しくなる」
自動化に伴う設定/運用に関連する項目(10項目):
「業務上の変更をRPAシステム側に迅速に反映できない」
「自動化された処理結果の成否を確認する手段がない」
「自動化された処理内容を把握できなくなる恐れがある」
「処理の自動化に必要なルール設定作業が難しい」
「意図しない処理が自動的に実行される危険がある」
「自動化のルール設定が不正変更される危険がある」
「自動化した処理が停止した場合に業務が混乱する」
「複数の業務システムに跨る自動化ができない」
「処理件数やデータ量の増加に対応できない」
「業務システムを更新すると不具合が生じる」
その他(2項目):
「コンプライアンス要件が満たせなくなる」
「投資対効果を事前に試算できない」
前頁のグラフを振り返ると、「ヒトによる手作業をゼロにすることができない」や「自動化できる業務内容がどれかわからない」と比較して、 「自動化された処理内容を把握できなくなる恐れがある」や「意図しない処理が自動的に実行される危険がある」といった課題の回答割合が低くなっている。
後者の2つは大企業において懸念されている「野良ロボット」(適切に管理されない自動化処理が放置されてしまう状態)に関連する課題といえる。中堅・中小企業は大企業と比べて業務の規模が小さく、数も多くないため「野良ロボット」に対する懸念も生じにくいと考えられる。このように、RPA活用における課題は企業規模によって大きく異なる点に注意が必要だ。
RPAは「ヒトによる手作業」を自動化する役割を担うが、既に何らかの業務システムを導入しているにも関わらず、
・業務システムの活用において非効率な業務手順が残っている
あるいは
・複数の業務システム間の連携において手作業が発生している
というケースも少なくない。
したがって、既存の業務システムにおける課題の中でRPA導入に繫がりやすいものは何か?を探ることも、RPA活用提案のアプローチとして有効な取り組みの一つとなってくる。次頁では、この点に関する分析結果の一部を紹介している。

■ERPでは「データ連携」、販売管理では「入庫時の検品ミス」がRPA導入に繫がる課題項目
本リリースの元となる調査レポートでは10分野のITアプリケーションを対象として、導入済みのユーザ企業が抱えている課題は何か?を尋ね、「RPA活用を検討していない場合」と「RPAを導入済み/導入予定の場合」で課題の傾向にどのような違いがあるか?を分析している。これによって、10分野のITアプリケーション毎に「RPA導入に繫がりやすい課題とは何か?」を知ることができる。対象となる10分野のITアプリケーションは以下の通りである。
例えば、以下のグラフはERPを導入済みのユーザ企業に対して、21項目に渡る「ERP活用における課題」を尋ねた結果から3つの項目を抜粋してプロットしたものだ。 「最新バージョンへの移行が困難である」の回答割合はRPAの導入状況による違いが見られないが、「複数モジュール間のデータ連携ができない」や「データを集計/分析して経営に活かせない」は「現時点では判断できない」(=RPA活用を検討していない場合)と比べて、「RPA導入済み」や「RPA導入予定」における回答割合が高くなっていることがわかる。
これら2つの課題は共にデータ連携に関連している。ERPは会計/販売/人事給与などのモジュールによって構成されており、それらが適切に連携することで業務効率の改善を実現する。 だが、中堅・中小企業向けのERPはそれぞれのモジュールが独立したアプリケーションとなっている場合も少なくない。そのため、データ連携に関連する課題が生じ、それらを補う手段としてRPAが導入/検討されている状況と考えられる。
ここではERPにおける分析例の一部を紹介したが、生産管理においては「個別生産と繰返生産の一方しか対応できない」、販売・仕入・在庫管理では「入庫時の検品ミスなどが多く非効率である」、ワークフローでは「既存の情報系システムと連携できない」などといったように「RPA導入に繫がる課題」はITアプリケーション分野によって大きく異なってくる。本リリースの元となる調査レポートでは10分野のITアプリケーションそれぞれについて 「どのような課題を起点としてRPA導入へと展開していくことが有効か?」に関する分析と提言を述べている。

本リリースの元となる調査レポート
『2018年版 中堅・中小企業におけるRPA活用の実態と展望レポート』
1300社のユーザ企業調査が明らかにする、RPA訴求を成功させる「用途」や「業務システム課題解決」のアプローチ
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】(50ページ超)
第1章:本ドキュメントの構成 調査レポートの位置付けと分析サマリの構成を説明
第2章:RPAの導入状況と用途 11項目の具体的な用途を踏まえて、RPA導入の現状と今後を分析
第3章:RPAの市場規模 RPAソフトウェア導入費用の調査結果を元に市場規模を算出
第4章:RPA活用における課題 20項目に渡る課題を列挙し、RPA導入の障壁とその解消策を分析
第5章:RPA導入に繫がる業務システム課題 10分野のITアプリケーションにおける課題の中から、RPA導入に
繋がりやすい項目は何か?を分析し、RPA導入の有望策を提言
【レポート案内(設問項目、試読版など)】
リンク
【価格】 180,000円(税別)

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
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