AIを併用した大腸内視鏡検査:診療現場での精度が明らかに

昭和大学 2018年08月15日 14時05分
From Digital PR Platform




昭和大学横浜市北部病院消化器センター(工藤進英センター長)は、人工知能(AI)を併用した大腸内視鏡検査について、700名超の患者を対象に診療現場での精度評価を行った。このAIは大腸ポリープが前がん病変(腺腫など)かどうか予測する機能をもち、その精度が90%超であることが、本臨床研究により示された。
AIは、医工産連携研究(昭和大学横浜市北部病院・名古屋大学大学院情報科学研究科 [森健策教授]・サイバネットシステム社)によって開発されたものである。




大腸内視鏡で前がん病変(腺腫など)を切除することで、大腸癌による死亡を減らせることが知られているが、前がん病変を正しく診断できる医師は限られている。この問題点をAIで解決すべく、昭和大学横浜市北部病院消化器センターは、名古屋大学大学院情報科学研究科・サイバネットシステム社と連携して、前がん病変を自動識別する人工知能(AI)を開発した。AIはオリンパス社製の超拡大内視鏡Endocytoに対応し、学習用画像は昭和大学・国立がん研究センター中央病院・国立がん研究センター東病院・静岡がんセンター・東京医科歯科大学から提供をうけた。

この精度を評価するため、791人の患者に対し、AIをリアルタイムで用いた大腸内視鏡検査を実施した。この臨床研究は倫理委員会承認の下に実施され、AIは微小大腸ポリープを93.7%の精度(=腺腫に対する陰性反応的中率)で診断した。結果は米国内科学会雑誌Annals of Internal Medicineに掲載された(論文の影響力を示すインパクトファクターは19.384)。

本品は薬機法承認申請済であり独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)における審査中である。診療に影響を与える可能性がある内視鏡診断支援システムは、薬機法承認取得が必要と考えられている。

■代表者コメント
内視鏡へのAI応用については国内外で研究が活発化しておりますが、診療現場で評価した前例がほとんど無いため、真の精度は不明でした。本研究では、実際の患者様に御協力頂くことで、現場レベルでのAIの有効性が確認できました。(昭和大学横浜市北部病院 森悠一講師)

【論文名】
Mori Y, Kudo SE, Misawa M, Saito Y, Ikematsu H, Hotta K, Ohtsuka K, et al. ''Real-time use of artificial intelligence in identification of diminutive polyps during colonoscopy: a prospective study''. Ann Intern Med, [Epub ahead of print]
・和訳:
「人工知能による微小大腸ポリープ診断:前向き研究」
森 悠一、工藤進英、三澤将史、斎藤 豊、池松弘朗、堀田欣一、大塚和朗 ほか
・DOI:10.7326/M18-0249

●論文掲載ページ:リンク
●昭和大学横浜市北部病院消化器センターHP:リンク

▼本件に関する問い合わせ先(リリース元)
学校法人 昭和大学
総務部総務課 出版・フォト係
 TEL: 03-3784-8059

【リリース発信元】 大学プレスセンター リンク

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]