アクセンチュア最新調査――保険会社は、ビジネスやオペレーティングモデルの変革により、3,750億ドルの増収が可能と試算

アクセンチュア(NYSE: ACN)の最新調査によると、保険会社はビジネスモデルの見直し、事業の変革と活性化に前向きに取り組むことにより、今後5年間で3,750億ドルの増収が世界全体で見込めると試算しました。



アクセンチュアが世界の保険会社を対象に実施した最新調査「Insurance as a Living Business(活気あるビジネスとしての保険)」によると、継続的にイノベーションを起こし、顧客のニーズの変化に適応し続ける保険会社は、新たな成長機会を捉え、競合他社を上回る業績をあげることが可能であると述べています。

本レポートでは、こうした変革に積極的に取り組む保険会社は、次の5つの重要分野で、新たに1,770億ドルの収益を得ることができると予想しています。

1. これまで利益を得るのが困難だった分野への進出
2. サイバー・セキュリティや自動運転車などの新興リスクへの対応
3. 細かくパーソナライズされた商品・サービスの開発に向けた、保険業界内外での事業提携の拡大
4. データ、プラットフォーム、アルゴリズムといった無形資産の収益化
5. 顧客が負うリスクの軽減に役立つ付加価値サービス(被害が生じる前に保守の問題を検知するコネクテッドホーム家電など)

さらに、その変革への取り組みをより一層加速できる保険会社は、この5つの重要分野における業界内外の企業から市場シェアを獲得することにより、追加で1,980億ドルの収益を得ることができると予想しています。

保険会社が継続的に変革に挑み、さらにきめ細やかな顧客ニーズに対応していくためには、雇用環境の流動化や既存のインフラの合理化を図り、データとアナリティクスをさらなる活用が必要です。また、新しいアイデアとアプローチを積極的に受け入れる力強いリーダーシップと企業文化の構築も重要になります。

アクセンチュア金融サービス本部でグローバル保険事業の責任者を務めるマイケル・コストニス(Michael Costonis)は次のように述べています。「保険業界は今、ビジネス環境の大変革期に直面しています。その様な中、他社に先駆け、新たな収益機会を捉えるには、ビジネスへの考え方を転換する必要があります。つまり、商品中心から顧客中心へ、硬直化したオペレーティングモデルから顧客の嗜好に素早く対応できる流動的でアジャイルなオペレーティングモデルへ、単独での市場参入から新分野での顧客獲得やブランド強化を支援するインシュアテック企業やテクノロジー大手との連携へとシフトすることが、保険会社には求められています。」

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本調査では、成長機会を生かすために保険会社が取るべき施策についても述べています。これには、よりパーソナライズされたサービスを迅速に市場投入するために、新しいモデルと最新技術(人工知能(AI)、ブロックチェーン、スマート・コントラクト、IoTなど)を取り入れた、全社規模のデジタル戦略の策定や、商品・サービスを適切にカスタマイズするために、保険会社が保有する顧客データの活用といった施策が含まれます。

さらに本調査では、保険会社(損害保険、生命保険、企業保険)による、新たな商品・サービスの提供、ならびに既存の商品・サービスのリーチ拡大により、増収をもたらす5つの分野について示しています。

1. 参入が困難な市場にターゲットを絞り、新しい効果的な方法で進出を目指す
保険会社は、新しいチャネル(オンラインやモバイル)やテクノロジー(アナリティクスやジオロケーション)の普及に伴い、これまで困難だったマイクロ保険や生命保険の即時発行といった分野に進出し、コスト効率よく、市場シェアの拡大が可能になっています。これにより、1,440億ドルの新たな収益が見込めます。

2. 新興リスクから生まれる商機
保険会社は、サイバー攻撃や自動運転車の登場に起因するリスクなど、新興リスクに対応する新たな保険商品・サービスを開発する必要があります。これにより、1,110億ドルの新たな収益が見込めます。

3. 新しい仲介機能とエコシステム
保険会社は、インシュアテック分野のスタートアップ企業や保険業界以外の企業と協力し、これまでとは異なる方法で顧客と関わることで、新たな顧客価値の源泉を見い出すことが可能になります。例えば、Google、Amazon、Facebook、Appleといったオンライン・プラットフォーム企業による既存のエコシステムへの参加を通じて、それらのプラットフォーム上でバーチャル・アシスタントなどを利用する消費者とつながることができます。このアプローチにより、800億ドルの新たな収益が見込めます。本調査では、損害保険分野で新たに見込める収益の76%が、このような新しい協力関係によってもたらされると述べています。

4. データ・プラットフォームとサービスモデルの収益化
保険会社は、自社の無形資産であるデータ、カスタマー・インサイト、サービスとしてのプラットフォームやサービスモデル、リスク評価アルゴリズムなどをエコシステム内のパートナー企業に提供することにより、280億ドルの新たな収益が見込めます。

5. 付加価値サービス
保険会社は、ウェアラブル端末を使い、高齢者が在宅生活を長く続けられるようサポートするといった、顧客のリスク軽減に役立つパーソナライズド・サービスの提供や、コネクテッドホーム家電の販売や管理に重点を置く必要があります。これにより、120億ドルの新たな収益が見込めます。

前述のコストニスは次のように述べています。「保険会社は、既存の手法でビジネスを行っていても、成長はおろか、現状維持さえ難しいでしょう。業界では、インシュアテック分野のスタートアップ企業が急増し、顧客と強くつながっているテクノロジー企業も業界の外から商機を狙っています。保険会社における収益確保へのプレッシャーは、以前よりも増しています。業界での優先事項は、価格比較サイトの運営事業者などのアグリゲーターやオンライン・ディストリビューターに勝るイノベーションを起こすことです。保険会社が、これら新たに増収をもたらす分野を新たな商機と捉え、市場シェアを伸ばすには、事業を変革し、顧客理解を深めた上で、よりパーソナライズされた革新的な商品・サービスを迅速かつ積極的に顧客に提供していくことが必要です。」

調査方法
アクセンチュア・リサーチは、保険アナリストや業界の専門家からなる国際的なチームを組成し、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、中国、オーストラリアの9カ国において集中的な市場調査を実施しました。本調査では、将来の成長を促進する23の要因を特定し、それらを5つのカテゴリーに分類・解説しています。さらに、「保守的」「中庸」「積極的」の3つのシナリオからなる共通の調査手法を用い、顧客の意見を参考にしつつ、各国のチームがそれぞれの成長要因の将来的な影響を分析しました。こうして得られた予測結果(将来的な市場シェアの変化に対する見通しを含む)を集計し、地域および全世界の統計値を算出しました。

レポートの全文はこちらからダウンロードしていただけます。(英語版)
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本プレスリリースは、2018年2月12日(現地時間)にアクセンチュアのニューヨークより発表した内容を日本語に翻訳したものです。原文のプレスリリースは、以下のURLよりご覧いただけます。(英文)
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アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ44万2,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jp をご覧ください。

プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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