アストラゼネカ リアルワールドデータ解析研究により判明した日本における重症喘息患者さんは7.8%

アストラゼネカ株式会社 2018年04月27日 13時00分
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アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、保険データベースから「継続治療中の喘息患者さん」に関するデータを抽出し、重症喘息患者およびコントロール不良な重症喘息患者さんの割合、背景、および治療実態を調査した非介入研究(KEIFU研究)の結果を本日、第58回日本呼吸器学会学術講演会において発表しました。本研究の主な結果は以下の通りです。

・継続治療中の喘息患者さん(10,579例)のうち、重症喘息と判断される患者さんは7.8 %(823例)でした
・継続治療中の喘息患者さん(10,579例)のうち、コントロール不良な重症喘息と判断される患者さんは2.5%(267例)でした
・研究組み入れ後1年間において、コントロール不良な重症喘息患者さんは、軽症から中等症喘息患者さんと比べて、入院日数は4.9倍(0.375 ± 1.625日/月、 0.076 ± 1.035日/月)、経口ステロイド薬処方量は20.8倍(99.9 ± 155.4mg/月、 4.8 ± 31.3 mg/月)でした

本研究は、株式会社日本医療データセンターが保有する約300万人の保険データベースにおいて、2014年4月から2015年3月の1年間に、吸入ステロイド薬(以下、ICS)、または吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の配合剤(以下、ICS/LABA)で継続的な喘息治療を受けている保険記録を有する10,579例の「継続治療中の喘息患者さん」を対象に実施しました。研究組み入れの基準日より前1年間の保険請求記録から重症度およびコントロール状態を判定し、その後1年間の臨床経過との関連を検討しました。

なお、重症喘息の定義は、欧州呼吸器学会(ERS)と米国胸部疾患学会(ATS)の重症喘息に関するガイドライン*1に準拠し、組み入れ基準日より前1年間に高用量ICSに加えてその他の長期管理薬による管理、または組み入れ基準日より前1年間の半分以上の日数で全身性ステロイド薬による管理、もしくは両方による管理を要した喘息としました。

帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授で、本研究の科学委員会のメンバーである長瀬 洋之先生は、「これまで、重症喘息が喘息全体に占める割合について検討した大規模試験は少なく、さらに、重症喘息の中でもコントロール不良な患者さんの割合は不明でした。今回、リアルワールドデータの解析結果によって、継続治療中の喘息患者さんの中で、重症喘息の割合は7.8%、さらに、コントロール不良な重症喘息の割合は2.5%であることが明らかになりました。また、入院や全身性ステロイド薬治療などの医療による負荷の現状も示されました。特に経口ステロイド薬による患者さんへの負荷の大きさは、認識を共有して行く必要があります」と述べました。

アストラゼネカ執行役員 呼吸器事業本部 事業本部長の野上 麻理は、「当社が提供する重症喘息治療薬をお届けすべき対象の患者さんの実態が明確になりました。患者さんの治療や生活の改善に貢献できるよう、努力を継続する所存です」と述べました。

本研究結果は、今後論文発表される予定です。

アストラゼネカは、4月27日から29日まで大阪で開催されている第58回日本呼吸器学会学術講演会において、本研究結果を含めた喘息・COPDに関連する合計8演題の発表を予定しています。
以上
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重症喘息について
日本では約800万人※2が喘息に罹患していると推定されています。欧州呼吸器学会(ERS)と米国胸部疾患学会(ATS)の重症喘息に関するガイドラインによると、重症喘息は、高用量吸入ステロイド薬に加えてその他の長期管理薬による治療、または1年の半分以上の日数での全身性ステロイド薬による治療、もしくは両方による治療にもかかわらず「コントロール不良」である喘息と定義され、喘息患者さん全体の5~10%※3,4にあたるとされています。
コントロール不良の重症喘息は死に至ることもある過酷な疾患で、患者さんは頻回な症状増悪や、呼吸機能の低下という身体的な負担のほか、生活の質(QOL)の著しい制限など社会経済的な負担を余儀なくされます。
重症喘息の治療には、患者さんの背景や臨床的特徴から、好酸球性、好中球性、アレルギー性、慢性気流閉塞、増悪の繰り返し、ステロイド薬に対する非感受性というフェノタイプ(表現型)が治療選択に応用されています。
重症喘息の治療は経口ステロイド依存を引き起こす可能性があり、全身性ステロイドの投与によって、体重増加、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障、不安感、うつ、循環器疾患および免疫抑制を含む重篤な副作用を短期間または長期間起こすことがあります※5,6,7,8。

アストラゼネカにおける呼吸器疾患について
呼吸器疾患はアストラゼネカの注力疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2017年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患原因を解明する革新的なサイエンスを通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術はドライパウダー吸入器(DPI)、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ならびにAerosphere Delivery Technologyなどに及びます。また、当社の生物学的製剤には、現在米国、EU、日本、オーストラリア、カナダで承認を取得し他国では薬事承認審査中のファセンラ(抗好酸球、抗IL-5受容体α抗体)、および第IIb相試験の主要評価項目と副次評価項目の達成に成功し第III相試験を開始した tezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、基礎疾患のドライバーを解明する研究を行っています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫疾患、ニューロサイエンスおよび感染症の領域における一部の疾患に関する活動も行っています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については リンク または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については リンク をご覧ください。

※1 Chung KF, Wenzel SE, Brozek JL, Bush A, Castro M, Sterk PJ, et al. International ERS/ATS guidelines on definition, evaluation and treatment of severe asthma. Eur Respir J 2014;43:343-73.
※2 厚生科学審議会 疾病対策部会 リウマチ・アレルギー対策委員会 報告書, 2011
※3 一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会 監修:喘息予防・管理ガイドライン 2015
※4 一ノ瀬正和監修: 重症喘息-定義、評価、治療に関するERS/ATSガイドライン日本語版-, 2014
※5 Global Initiative for Asthma (GINA). Online appendix. Global strategy for asthma management and prevention. Updated 2018. Available from: リンク Last accessed March 2018
※6 Hyland ME, Whalley B, Jones RC, Masoli M. A qualitative study of the impact of severe asthma and its treatment showing that treatment burden is neglected in existing asthma assessment scales. Qual Life Res. 2015 Mar;24(3):631-9. doi: 10.1007/s11136-014-0801-x. Epub 2014 Sep 9.
※7 Iribarren C, Tolstykh IV, Miller MK, et al. Adult asthma and risk of coronary heart disease, cerebrovascular disease, and heart failure: a prospective study of 2 matched cohorts. Am J Epidemiol. 2012;176:1014-1024.
※8 Zazzali JL, Broder MS, Omachi TA, Chang E, Sun GH, Raimundo K. Risk of corticosteroid-related adverse events in asthma patients with high oral corticosteroid use. Allergy Asthma Proc. 2015 Jul-Aug;36(4):268-74. doi: 10.2500/aap.2015.36.3863.

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