「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査 フリマアプリ利用者の半数以上が”売ることを前提に新品を購入“ 新品であることを重視している人は利用者・非利用者合わせて3割以下

~若者の新品離れ 20代の半数以上が中古品に抵抗なし~

 株式会社メルカリは、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授監修の元、全国のフリマアプリ利用者500名と非利用者500名の合計1,000名を対象に、消費行動に関する意識と実態を調査すべく、「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施しました。



 経済産業省が去年4月に発表した「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、日本のネットリユース(CtoC)の市場規模は3,052億円とされており、今後も拡大傾向にあることが記されています。リユースの潜在市場の大きさが明らかになる中、新たな価値を生み出すマーケットプレイスの提供を目指しているメルカリでは、フリマアプリの出現による「消費者の変貌」の実態を調査いたしました。


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【慶應義塾大学 准教授 山本晶 プロフィール】

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1996年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系広告代理店勤務を経て、2001年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。2004年同大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京大学大学院助手、成蹊大学経済学部専任講師および准教授を経て、2014年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授。専門はマーケティングで、主に対人影響の研究に従事。日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会(幹事)、日本マーケティング学会(理事)、日本商業学会、NFORMS、AAAI、AMAの各会員。主著に『キーパーソン・マーケティング: なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか』(東洋経済新報社、2014年)。
【コメント】
 フリマアプリの登場で、消費者行動に変化が起きています。特に、新品・中古にこだわらず欲しいものを手に入れ、消費した後は別の消費者に販売するという消費スタイルが若い世代を中心に増加しています。
 マーケティングの教科書で描かれる従来の消費者の購買行動は、企業が運営する実店舗やオンライン・ショップで、新品の商品を購入する姿ですが、今回の調査は、「消費者が購買する商品=新品」というこれまでの常識に一石を投じる結果となりました。

 一般的に中古品は新品と比較して安価です。消費者が中古にこだわらずに商品を購入するということは、たとえば高価なブランド品やシーズンのトレンド品を入手しやすい、ということでもあります。こうした魅力に加え、旬の商品や状態のよいブランド品を、掘り出し物を探すワクワク感を感じながら買い物体験できること自体が、フリマアプリ利用者にとっては大きな価値となっています。
 また、フリマアプリ利用者にとって、フリマアプリ上で出品することが購買後の行動に最初から組み込まれていることも興味深い点です。後に他者に売ることを視野に入れて商品を購入するという行為は、家や車など限られた製品カテゴリでは従来から行われていましたが、このような行動がフリマアプリの登場により、洋服や化粧品などの他の製品カテゴリにも広がりをみせています。
 商品は駅伝のバトンのようにひとりの消費者からつぎの消費者へと手渡され、第2、第3の「商品人生」を与えられます。消費者行動の変化は、ひとりの消費者の所有と消費を前提としてきた企業のマーケティング戦略にも影響を及ぼす可能性があると考えられます。

 最後に、商品購入の重視点で販売者・販売店の信頼性が価格、品質に次いで3番目に重要だったことも興味深い結果であると考えます。「売るときのことを考えて、タグや付属品などを保管しておくようになった」消費者が登場していることは、消費者が自らの信頼性を高める努力をしているということでもあります。フリマアプリで行われているのは消費者間取引であり、売り手は基本的にアマチュアです。このことは取引の不確実性の増大を意味しています。今回明らかになった無駄のない合理的でスマートな消費社会がより一層発展するためには、安心・安全で信頼性の高い取引環境の確保がカギとなります。
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 本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、必ず【メルカリ調べ】とご明記ください。



1.商品を購入する際に「新品であることが重要」と回答した人はフリマアプリ利用者、非利用者合わせて3割以下(29.6%)。特に、20代の半数以上が中古品を購入し使用することに「あまり抵抗を感じない」、「全く抵抗を感じない」と回答(53.5%)するなど、新品へのこだわりが低下していることが判明。

 商品を購入する際に「新品であることが重要」と回答した人はフリマアプリ利用者・非利用者を合わせて全体の3割以下という結果になり、新品であることを重要視している人は少数であることが明らかとなりました。特に、中古品に「あまり抵抗を感じない」、「全く抵抗を感じない」という回答が最も多かった世代は20代(53.5%)という結果になり、若者の間で中古品に抵抗がない人が増え、“新品離れ”が進んでいることが判明しました。

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2.フリマアプリ利用者の約半数(48.6%)はここ2~3年で中古品を購入する機会が「やや増えた」、「とても増えた」と回答。また、増えた理由として「掘り出し物を探すワクワク感があるから」(51.8%)と回答した人が最も多く、次いで「中古品の質の向上や種類の増加」、「中古品購入の場などが増えたから」と回答するなど、買い物の“体験”を重視したり、ツールを活用していることが判明。

 ここ2~3年で中古品を購入する機会が「やや増えた」、「とても増えた」と回答したフリマアプリ利用者は約半数(48.6%)だったのに対し、非利用者は2割以下(14.4%)にとどまった。増えた理由としてフリマアプリ利用者では「掘り出し物を探すワクワク感があるから」(51.8%)と回答した人が最も多く、次いで「中古品の質の向上や種類の増加」、「中古品購入の場(ツール)が増えたから」と回答するなど、買い物の“体験”を重視し、中古品を探す時点から購入まで、ツールを活用しながら行っている人が多いことがわかりました。

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3.フリマアプリ利用者のうち半数以上が「新品を購入する前にフリマアプリで値段を調べるようになった」(54.6%)や、「売るときのことを考えてモノを大切に扱うようになった」(53.2%)と回答。購入する際の意志決定や、モノの扱いかたにフリマアプリが影響を及ぼしていることが判明。

 フリマアプリ利用者の中で「新品を購入する前に、フリマアプリで売り値を調べた」と回答した人は全体の半数を超えており(54.6%)、特に「ミレニアル世代」※では平均61%と高い結果となりました。また、「売る時のことを考えて大切に扱うようになった」と回答した人も半数以上(53.2%)となり、特に30・40代では平均62%と高い結果となりました。フリマアプリ出現により、“購入の際の意思決定”や“モノの扱いかた”など、消費行動や意識に変化をもたらしていることが明らかになりました。
※1980年代から2000年代初頭までに生まれた人
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4.フリマアプリ利用者は非利用者に比べて「一時的に必要なものはレンタルなどで済ませたい」、「ストーリーや理念などがある企業の商品を持ちたい」、「人とは違うモノを持つ・体験をすることを重視する」 傾向にあることが判明。

 消費に対する意識について、フリマアプリ利用者・非利用者共にコストパフォーマンスを意識していることが判明した一方で、フリマアプリ利用者は非利用者より「一時的に必要なものはレンタルなどで済ませたい」、「ストーリーや理念などがある企業の商品を持ちたい」、「人とは違うモノを持つ・体験をすることを重視する」 傾向にあり、自らが共感できるブランドで、人とは違うモノを所有したり体験したいと思っているが、一時的なモノは所有するのではなく利用するだけでいいと考えている傾向にあることがわかりました。また、フリマアプリ利用者は非利用者の1.5倍「ブランドやステータスがあるものを持ちたい」と回答しており、フリマアプリを活用して、低価格でブランド品を購入し自己実現していることが推測されます。

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プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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