Arm、新しいビデオ、ディスプレイ、グラフィックスプロセッサーで構成される「Maliマルチメディア・スイート」を発表

アーム株式会社 2018年03月06日 16時01分
From PR TIMES

普及機向けに魅力的なビジュアル体験を提供



2018年3月6日 北京発 ― 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、次世代のユーザー体験を実現する画期的なソリューションとして、ビデオプロセッサー、ディスプレイプロセッサー、グラフィックスプロセッサーによって構成される新しい「Maliマルチメディア・スイート」を発表しました。今回の最新IP(半導体設計資産)スイートは、DynamIQベースのCPUなど既存のArm IPともシームレスに連携するもので、モバイル機器やデジタルTVなど普及機向けの次世代ソリューションは1つの完成形に到達します。

スマートフォンは、より複雑なコンテンツを処理する必要に迫られています。現行の普及機や低価格機器に対してもユーザーのグラフィックス要求は高まっており、表現力豊かな多層型ユーザー・インターフェイス(UI)や、最新の幅広いアプリケーションやテクノロジーへのサポートは、必須条件となっています。

また、機械学習(ML)は、もはやハイエンドのプレミアム・スマートフォンだけに求められる技術ではありません。現在出荷されるAI対応ユニットの90%以上がArmアーキテクチャを採用(*1)していることから、こうした状況をArmは誰よりも理解しています。機械学習を活用したアプリを手軽に利用できることは、あらゆる層のユーザーから期待されており、3Dゲーム、複合現実(MR)、4Kコンテンツのかつてない普及に伴い、普及型モバイル機器の限界を超えたゲームが台頭しています。

Maliマルチメディア・スイートを構成するIP製品は以下の通りです。

Mali-G52 / Mali-G31 GPU:デジタルTVと普及機/エントリー機のスマートフォンで、プレミアムな体験を演出
Mali-D51ディスプレイプロセッサー:より複雑な規格の映像を、普及機種のスマートフォンやデジタルTVで効率的に実現
Mali-V52ビデオプロセッサー:4K60/4K120コンテンツを、普及機種のスマートフォンやデジタルTVで効率的に実現


Mali-G52 GPU:メインストリーム機器で高度な使用事例に対応
Mali-G52は、前世代モデルのMali-G51の技術を基盤とし、より複雑なグラフィックスに対応します。この結果、普及機種のスマートフォンやデジタルTVの消費電力と帯域幅の制約の中でも、より多くのML機能を実現できます。その他の特長は、以下の通りです。

性能効率を30%向上:前世代モデルの4パイプラインに対し、最大8つのパイプラインを持つ演算エンジンを活用することで、同じ実装面積でより高いグラフィックス・パフォーマンスを発揮
電力効率が15%向上しており、デバイスの消費電力と発熱が抑えられ、AR(拡張現実)などバッテリー消費の高い技術でも、長時間のゲームプレイが可能
従来比較で3.6倍のMLパフォーマンスを達成、あらゆる価格帯のデバイスで次世代MLの活用に対応


Mali-G52の詳細については、以下のウェブサイト(英語)をご参照ください。
リンク

*1: IDC 「WW Embedded and Intelligent Systems Forecast, 2017-2022」およびArmによる予測

Mali-G31 GPU:最小面積で圧倒的なユーザー体験を演出
GPUによる演算要件はあらゆる価格帯のデバイスで増加傾向にあり、中価格帯でも一定のコンテンツ品質がユーザーから求められています。これを実現するのがMali-G31であり、その特長は以下の通りです。

革新的なBifrostアーキテクチャをベースとした、初の超効率GPU
OpenGL ES 3.2と最新世代のVulkan APIをサポートするArmの最小GPUであり、開発者はこれらAPIをサポートした多数のデバイスにアクセス可能
従来のBifrost世代のMali-G51との比較で20%の小型化と20%の性能効率を向上、実装面積を削減しつつ、卓越したエネルギー効率を実現


Mali-G31の詳細については、以下のウェブサイト(英語)をご参照ください。
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Mali-D51:Armの最も効率的なディスプレイプロセッサー
Mali-D51は、2017年11月に発表したプレミアム・ディスプレイプロセッサーであるMali-D71のメリットの多くを継承しつつ、これらを凝縮した形で、Arm史上最小のDPUを実現しています。本製品は、メインストリームのディスプレイプロセッサーとしては初めて、Komedaアーキテクチャをベースとしたもので、以下の特長を備えています。

従来比較で、システム全体の消費電力を30%削減
シーンの複雑度を倍増、Mali-D71のフルレイヤー8つをサポート
メモリ・レイテンシーを50%短縮、シームレスで高効率なコンテンツ・キャスティングを実現


Maliマルチメディア・スイートの他IPともシームレスに連携できるよう、Mali-D51には十分な最適化が施されており、Assertive Display 5との併用により、メインストリーム機器にもHDR機能を実装できます。また、CoreLink MMU-600と組み合わせることで、システム全体のメモリ管理効率を向上できます。

Mali-D51の詳細については、以下のウェブサイト(英語)をご参照ください。
リンク

Mali-V52:効率的な4K60コンテンツの実現
人気コンテンツの高解像度化が進む中、4Kコンテンツが必須要件になってきています。Mali-V52の特長は以下の通りです。

従来比較でアップロード品質が20%向上、よりクリアで鮮明な映像を実現
実装面積は38%小型化、あらゆる製品レベルで圧倒的なビジュアル品質を保証
デコード性能は2倍、あらゆる普及型デバイスで4Kコンテンツ再生が可能


Mali-V52の詳細については、以下のウェブサイト(英語)をご参照ください。
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機械学習のメインストリーム化
機械学習(ML)技術は普及が進んでおり、あらゆるデバイスに浸透しつつあります。プレミアム・スマートフォンのみならず、普及機においても、内蔵カメラは機械学習のアルゴリズムを用いた顔認識や指紋認識を処理できますが、最新のニューラル・ネットワーク処理エンジンを搭載した専用SoC(System-on-a-chip)を必要とするレベルではありません。また、普及機種のスマートフォンの場合、現状のLSIと技術リソースをML処理専用に投入することは現実的でない場合もあります。SoCのあらゆるコンポーネントでワークロードごとに最大限の処理能力が求められますが、DynamIQ CPUとMali-G51の組み合わせにより、既存アプリケーションにおいてより高いML処理性能が実現します。

ゲームとMixed Reality
Armはエコシステムパートナーと連携し、コスト面での課題を解決し、あらゆるシーンで多くのモバイルユーザーが夢中になれるユーザー体験を実現する取り組みを行っています。例えばモバイルゲーム業界は活況で、モバイル機器におけるリアリティの高いグラフィックスへの需要が高まっています。モバイル機器におけるVR/AR/Mixed Realityコンテンツの著しい利用増加を考えると、高拡張性CPU/GPUの電力効率を年々向上させていくことは当然ですが、Armの取り組みはこれに留まりません。Armは、Vulkanなどの最新のAPIについて、コンテンツ開発者向けのリソースを拡充しつつ、ArmのIPとGoogleのARCoreとのシームレスな連携を保証しています。詳細については、「GDC 2018」の当社ブースにお立ち寄りいただくか、以下のリンク(英語)をご参照ください。
リンク

デジタルTV向けに極めてレスポンシブかつ高度なUIを提供
TVのメニュー画面がシンプルな1枚の画像とテキストを表示させるだけの時代は終わりました。最近のメニュー画面は幾重もの層からなる複雑なものになってきていて、NetflixやAmazon Primeなどのプリインストール・アプリは、高度な音声制御機能やジェスチャー認識機能をサポートしています。こうした機能に加えて、ピクチャー・イン・ピクチャーの再生機能や、最大16個の動画を同時再生するビデオウォールなどは、現在のデジタルTV向けSoCで実現できる以上の性能が要求とされます。これらにはビジュアルの品質を損なうことなく、より高い応答性や効率性が必要になってきます。

Armのパートナー各社からは、これまで1,250億個以上のチップが出荷されてきました。コンピューティング業界において、革新的で拡張性の高いCPU、GPU、ビデオ、およびディスプレイのアーキテクチャを開発し、提供するというArmの継続的な取り組みにより、2021年には出荷数が2,000億個になると予測されています。本日発表した普及機向けの新製品を通じ、Armは人々が夢中になれる魅力的なユーザー体験を届けられるよう取り組んでいます。

Armについて
Armテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,000億個ものシリコンチップでインテリジェンスを実現しており、各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしています。世界最大のビジネスブランドや消費者ブランドをはじめ、1,000社以上のテクノロジー パートナーと協力することで、Armは現在、チップ、ネットワーク、クラウドの内部で行われる演算のあらゆる分野でArmイノベーションを牽引しています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2018 Arm Group.

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