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構造物の損傷を非接触で高精度に検知するシステムを開発~これまでの50分の1の時間で検知が可能に~

芝浦工業大学 2018年02月08日 20時05分
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芝浦工業大学(東京都港区/学長 村上雅人)機械機能工学科の細矢直基准教授と、北海道大学(北海道札幌市/総長 名和豊春)大学院工学研究院の梶原逸朗教授らの研究グループは、構造物の損傷を非接触で高精度に検知するシステムを開発した。




 構造物の表面に高出力のパルスレーザーを照射することで生成された、数十ナノメートル程度の弾性波の伝播を計測することで、構造物の損傷を非接触かつピンポイントで確認することが可能となる。
 具体的には、レーザーアブレーションを発生させて、これにより検査対象構造物にインパルス加振力を作用させる。そして、生成されたLamb波の伝播を計測するというものである。細矢准教授らの研究では、従来よりも約100倍強い振幅の振動を発生させることに成功し、これにより損傷部分が明確に検知できるため、これまでの50分の1程度の時間に短縮して検査を行うことができた。
 現在は、金属での実験を行っているが、炭素繊維強化プラスチックや高分子材料などさまざまな材料に適用可能な技術である。将来的には、航空機のような大型構造物に対する広域損傷検知などへの展開を目指す。

◆本研究は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の神田淳主任研究員との共同研究であり、医学・科学技術関係を中心とする世界最大規模の出版社・SAGE社の学術雑誌''Journal of Vibration and Control (DOI: 10.1177/1077546316687904)''で発表され、この論文は同誌におけるMost Read Articlesとなっている。
  
■ 背景
 薄板構造物に伝播する弾性波の1つであるLamb波は、減衰が小さく長距離伝播するという特徴がある。そのため、航空機のような大型構造物に対する広域損傷検知を実現するために多くの研究がなされてきた。Lamb波の生成法としては、圧電デバイスなどによる接触式、またはレーザー熱弾性などによる非接触式などがある。これらの手法は、検査対象が液体中であったり、高温下であったりすると、その適用が難しくなる。



■ 遠隔操作によりあらゆる場所の損傷検知を非接触に実現
 本手法では、レーザーアブレーション(Laser Ablation: LA, 表面にレーザー光を照射するとプラズマが発生し、固体表面の構成物質が爆発的に放出される現象)により非接触でインパルス加振力を生成できる技術※を利用することで、水中などのあらゆる場所でも検査対象にLamb波を生成できる。本システムを用いることで、理論値とほぼ同じLamb波を生成することに成功した。ジュラルミン平板に伝播するLamb波をレーザードップラー振動計により可視化し、その伝播を観察することで、人工的に設けた貫通亀裂の検知にも成功した。

■ 非接触非破壊な損傷検知システムの実現に期待
 LAにより生成されたLamb波の振幅は、従来のものと比べ同等以上であることから、優れた信号雑音比となる。そのため、計測における平均化回数を低減でき、短時間での検査を実現できる。しかし、LAでは、対象構造物に小さなクレーターが生成されてしまう。
 今後は、完全に非接触非破壊で、大型構造物の損傷検知を短時間で実現できるシステムの構築を目指していく。

※日本(特許第5750788号)とアメリカ(No. US9,291,604 B2)で特許取得済。「構造物の振動特性の測定方法および振動特性測定装置」、特許権者:国立大学法人北海道大学、学校法人 芝浦工業大学。


▼本件に関する問い合わせ先
芝浦工業大学 経営企画部企画広報課
土屋
TEL:03-6722-2900
メール:koho@ow.shibaura-it.ac.jp


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