“若者のバイク離れ”、実は世間の思い込み? 閉塞感を感じるイマドキ若者は、バイクにエモる!

単なる『バイク離れ』ではなかった… 調査で分かった「断念バイカー」な若者〈流通コンサルタント・坂口 孝則氏監修〉

ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市、代表取締役社長 柳 弘之、以下ヤマハ)は、バイクに関する意識調査を実施しました。今回の意識調査では、全国の18歳~29歳の男女1,038人(免許保有者519人・免許非保有者519人)を対象に、インターネットリサーチを実施いたしました。



<調査背景>
日本国内での二輪車の出荷台数は、1980年には約237万台でしたが、2016年にはその1割強の約34万台まで減少*しており 、バイクの新車販売台数は縮小傾向にあります。
しかし、ここ最近はリターンライダーの増加や、バイク好き芸能人の出現・番組での企画化、二輪車限定で最大2日間利用できる高速道路の定額乗り放題サービス「首都圏ツーリングプラン」といったバイクに焦点をあてたサービスや、ヤマハのスポーツモデル「YZF-R25」購入者の約半数が29歳以下であるなど、若者にもバイク人気が戻りつつあることが表れている状況となっています。このような市場背景を受け、非二輪免許保有層、非バイク保有層も含めて意識調査を行いました。
*日本自動車工業会調べ 国内末端販売店向け出荷台数

【調査概要】
・調査期間:2017年9月29日(金)~ 2017年10月1日(日)
・調査地域:全国 ・有効回答数:1,038件
・調査方法:インターネットリサーチ
・性/年代:男女/18歳~29歳
※数値は、免許保有の有無×性年代の構成比に合わせたWB集計後のスコアを掲載。ただし、n数はWB集計前のものを掲載。

【調査結果のポイント】


デジタルに囲まれたバーチャルな日常に物足りなさを感じる若者たち

- 若者の6割以上が日常を窮屈に感じている!- テレビやネットの世界にはない、日常のリアルな体験を求める傾向


物足りなさ感じる若者、バイクにエモる!

- 6割近くの若者がバイクに憧れを感じる。デジタル時代で失われつつある、エモーショナルでリアルな体験を求める


2人に1人が憧れを持ちつつも、二輪免許取得を断念する「3つの理由」

- 憧れを持ちつつも「3つの理由」から一歩踏み出せない断念バイカーたち
- 「転倒の恐怖」、「経済面」、「運転技術習得への不安」の3つ理由から、免許取得を断念
- 一方で、憧れていない人でも、経済面・安全面が解決されれば乗ることを検討

免許はあっても、依然として立ちはだかる「経済的要因」「転倒の恐怖」の壁

- 免許は持っていながらも断念している主な理由は、「経済的要因」「転倒の恐怖」
- 断念しつつも8割以上は「再び乗ってみたい」と感じており、心は離れていないことが判明

バイクの選択基準は“デザイン性”と“安全性”。バイクならではの“操作感”も重要な要素

- 免許保有者は、「デザイン性」と「安全性」を重視する人がともに4割以上
- 免許非保有者は、「安全性」重視が6割以上と断トツのトップ

「スピード」、「カスタム」、「ビッグスクーター」・・・今は多種多様なバイク嗜好

- バイクブームから現在まで、移り変わる若者のバイクトレンドの変遷とは


流通コンサルタント・坂口孝則氏が語る!「販売台数の数字からは読み取れない、“エモ体験”求める断念バイカーの若者たち」

- “若者のバイク離れ”、実は世間の思い込み?
- バイクならではの“エモ体験”に憧れ
- 憧れよりリスクを重視。「合理的・現状維持的」思考の若者
- 今後、新たな安全技術が断念バイカーの懸念を取り除いていく可能性を秘めている

【調査結果】

デジタルに囲まれたバーチャルな日常に物足りなさを感じる若者たち



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今の若者たちは、世の中に対してどのような意識を抱いているのでしょうか。
「テレビやネットを見るよりリアルな体験がしたい」と答えた人は約6割となりました[グラフ1]。また、「日常に対する窮屈さを感じるか」どうか聞いたところ、約6割の人が「窮屈さを感じている」と回答[グラフ2]。物心ついた時からネットに慣れ親しんできたデジタルネイティブ世代は、日常に物足りなさを感じ、リアルな体験を求めていることが明らかになりました。

物足りなさ感じる若者、バイクにエモる!


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そんな彼らの6割近くが、バイクに対して憧れを抱いていることが分かりました。また、免許非保有者でも2人に1人が憧れを抱いています[グラフ3]。その理由は、「風を感じられそう」「開放感がありそう」「自由になれる気がする」「刺激がありそう」など、エモーショナルな体験が上位にあがっています[グラフ4]。日常に物足りなさを感じているデジタルネイティブ世代は、開放感やワクワク感を得られるリアルな体験に憧れを持っていることがわかりました。


2人に1人が憧れを持ちつつも、二輪免許取得を断念する「3つの理由」

■「3つの理由」から一歩を踏み出せない断念バイカーたち

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バイクに憧れを持つ非免許保有者(n=273)に、免許を取得しない理由を聞いたところ、8割以上が「転倒が怖い」、7割以上が「バイクの購入費/維持費が高い」、「運転が難しそう」 、「免許取得の費用が高い」と回答。
また、7割近くが「バランスを取るのが難しそう」「車のように運転できなそう」「万が一の経済リスクが高い」と回答しています[グラフ5] 。
憧れながらも、「転倒の恐怖」、「経済面」、「運転技術習得への不安」の3つの理由から、免許取得を断念しています。
■憧れなくとも、経済面・安全面が解決されれば乗り始める?
また、免許も憧れもない人(n=246)は、免許を取得しない理由に挙げたものの内、「維持費(41.3%)/購入費(36.6%)の高さ」、「転倒の恐怖(39.1%)」が解決されれば、乗ることを検討/乗る気持ちが高まると回答するなど、金銭面・安全面が大きな断念理由になっていることが明らかになりました。

免許はあっても、依然として立ちはだかる「経済的要因」「転倒の恐怖」の壁

■断念はしているものの、「離れていないバイクへの心」


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免許はあるものの、乗っていない人(n=216)にその理由を聞いたところ、7割近くが「バイクの購入費/維持費が高い」という経済的理由で乗ることを断念しています。また半数近くが、「転倒が怖い」「ブランクが長い」など、運転に対する不安から諦めていることが明らかになりました[グラフ6]。
しかし、彼らの8割以上(81.9%)は「再びバイクに乗ってみたい」と回答するなど心まで離れているわけではないことが明らかになりました。

バイクの選択基準は“デザイン性”と“安全性”。バイクならではの“操作感”も重要な要素


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断念バイカーはどのような判断基準を持っているのでしょうか。免許保有・非保有の断念バイカーに、どのようなバイクに乗ってみたいか聞いたところ、免許保有者は「デザイン性に富んだバイク」「安全性能の高いバイク」「スピードの出るバイク」が上位になる結果となりました[グラフ7]。免許非保有者では、「安全性能の高いバイク」がダントツのトップとなり、続いて「デザイン性に富んだバイク」、「スピードが出るバイク」となりました[グラフ8]。また、「ダイレクトな操作感のあるバイク」を4人に1人が選択するなど、「自身で操作を楽しみたい」という意向が浮き彫りになっています。


「スピード」「カスタム」「ビッグスクーター」・・・今は多種多様なバイク嗜好


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バイクに「デザイン性」や「安全性」を求める現代の若者たち。若者の価値観の変化と共に、バイクの嗜好も変化しています。
バイクブームがピークに達していた80年代は、レーサーと同じテクノロジーやカラーリングが施された、馬力や最高速度の高い「レーサーレプリカ」が全盛。90年代は、バイクが若者のファッションアイテムの一つとして認識され、有名俳優がドラマで使用したバイクを同じくカスタムするなど、「ストリートカスタム」が流行。00年代には、二人乗りでの移動を快適にしたいという欲求からクッション性が良く、大型な車両にも係わらず運転も容易な「ビッグスクーター」が流行しました。
今では、「トリシティ」シリーズのような「安定性」を重視したり、YZF-R25のような「スポーツ性」を重視したり、MTシリーズのような「デザイン性」を重視したりと、流行に左右されず自分が好むバイクを選ぶ時代になっていると言えるでしょう。このように、価値観や文化・ファッションの変化に伴い、支持されるバイクの種類は変化しています。

流通コンサルタント 坂口孝則氏が語る「販売台数の数字からは読み取れない、“エモ体験”求める断念バイカーの若者たち」

■“若者のバイク離れ”、実は世間の思い込み?

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若者の“●●離れ”として取り上げられるバイク。しかし、本調査で“バイク離れ”をしていると言い切ることは、消費傾向を読み解く上で非常に危険だ、と改めて感じました。


なんと、興味がないと思われていた若者の多くが「憧れ」を持っていることが明らかになったのです。人間は本来、とにかく動きたい、という習性をもっている生き物で、身軽に動くことが現代でも非常に価値があると言える結果でしょう。事実、「YZF-R25」というモデルは14年12月から今年6月までの累計で、1万4000台売れており、若者の構成比は51.6%と半数以上になっているようです。

■バイクならではの“エモ体験”に憧れ
憧れる理由を紐解くと、乗ってこそ得られるリアルで「エモーショナルな体験」があるようです。
SNSが知人と親近感を覚えるメディアだとしたら、爽快感と開放感をリアルに抱けるメディアは今でもバイクではないでしょうか。自分の生命を感じられ、時を追い越すかのような楽しみを得ることができるのです。
それを裏付けるように、実に6割が、日常に物足りなさを感じていることも分かりました。リアルな「エモ体験」を欲することは、人間の本能的欲求の一つと言えるかもしれません。

■憧れよりリスクを重視。「合理的・現状維持的」思考の若者
また彼らは憧れを持ちながらも、さまざまなリスクから、一歩踏み出すことに躊躇しています。今の20代は好景気を経験したことがなく、将来へ楽観を抱いていません。それゆえ、経済が下り坂の中で、懐古主義2.0ともいうべき、「現状を維持するのが最高」という思考に陥ってしまっているのです。
それはバイクの嗜好性にも現れており、ブームのピークと言われる80年代の「スピード」重視、90年代~00年代の「スタイル」重視の時代とは打って変わり、「安全性能」を重視していることは、合理的・現状維持的な若者を如実に表していると言えるでしょう。

■今後、新たな安全技術が断念バイカーの懸念を取り除いていく可能性を秘めている

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近年、レンタルサービスや125cc~250ccの比較的安価な軽二輪クラスを各社が充実させるなど、「経済リスク」が軽減できる環境が整いつつあります。「トリシティ155」は人気の軽二輪クラスに属するモデルで、前二輪の「LMWテクノロジー」により、高い安定感で前輪スリップによる「転倒リスク」が軽減されています。
今までバイクを敬遠していた層が乗るようになれば、その「ヤバさ」が再び口コミで広がるようになるのではないでしょうか。


事実、このモデルは1月の発売以来、バックオーダーを抱えているとのことで、「LMWテクノロジー」搭載車は今後も続々と広がりを見せていくことが予想されます。二輪車市場を占う上で、このテクノロジーは市場活性化の救世主になるかもしれません。

【流通コンサルタント 坂口孝則氏プロフィール】

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電機メーカー、自動車メーカーで勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。コンサルティング会社を経て。2012年、未来調達研究所株式会社に参画。サービス業、製造業を中心としたコンサルティングを行う。また当該専門分野にて企業内研修も行う。各メディアで、商品原価、サプライチェーン、ビジネスモデルなどの発信を行う。ホームページ「未来調達研究所株式会社」で無料配布しているサプライチェーン業務教材は、当領域1万人に読まれている。『野比家の借金』『調達・購買の教科書』『日本人はこれから何にお金を落とすのか?』等、著作29冊

プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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