DNDiの「創薬ブースター」プロジェクトの成果 2016年度DNDiプロジェクト・オブ・ザ・イヤー受賞 ―DNDi Project of the Year 2016―

特定非営利活動法人DNDi Japan 2017年06月08日 13時57分
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2015年前半に、DNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)とエーザイ株式会社、塩野義製薬株式会社、武田薬品工業株式会社、およびAstraZeneca plc(英国)の4社の製薬企業は、世界で最も顧みられない病気である熱帯病のリーシュマニア症とシャーガス病の早期における創薬を加速しかつコストを削減する画期的な試みとして、「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬ブースター」プロジェクトに取り組むことを発表しました。その後、2016年7月同コンソーシアムにセルジーン社(米国)が、また2017年4月にはメルク社(ドイツ)が新たに加わり、現在、総勢6社とのプロジェクトとなっています。

「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬ブースター」のコンソーシアムは、参加製薬企業間で知的財産の障壁を取り除くことにより、DNDiにとってリーシュマニア症とシャーガス病の新たな治療のための創薬の手がかりとなる「リード化合物」を特定するため、各社の化合物ライブラリーの数百万という化合物を同時に探索することを初めて可能にしました。

【2年経過後の成果】

2015年の開始から2年経過後の「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬ブースター」の活動において、リーシュマニア症とシャーガス病を引き起こす原因となる寄生虫に対し13の集中スクリーニングプロジェクト(focused screening projects)が開始されており、そのほとんどにおいて抗寄生虫効果が改良された有望なヒット化合物が得られています。各プロジェクトではこれまでに化合物合成のコストを数万ドル節約しており、さらに創薬プロセスの期間をおよそ2~3分の1に短縮させています。プロジェクトは2017年中にDNDiのリード化合物最適化のポートフォリオに新たなシリーズを追加できる見込みとなりました。

【2016年度DNDiプロジェクト・オブ・ザ・イヤーを受賞】

世界初の試みとしての創薬モデル「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬ブースター」はこれらの成果が評価され、2016年度DNDiプロジェクト・オブ・ザ・イヤー(DNDi Project of the Year 2016)を受賞しました。DNDiにおいては現在年間30以上のプロジェクトが進行中ですが、本賞はそれらの中でとりわけ新規性がありインパクトを与え、成果を挙げたプロジェクトを約20数名の外部メンバーから構成されるDNDiの科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee)と DNDiの執行役員チームが選考し、授与する賞です。先月5月にスペインのトレドで、4年に一度開催される第6回世界リーシュマニア症学術大会(the 6th World Congress on Leishmaniasis – WorldLeish6)の席上で授賞式が行われ、参加各社に記念の絵皿が贈られました。

【公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)による支援】

2013年に発足した公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)はグローバルヘルスに関する研究開発(R&D)パートナーシップを奨励し支援しています。また、2015年DNDiへの640,000ユーロ、すなわち7,950万円の助成金の提供を通じて、GHITは日本企業3社のプロジェクト参加を支援しています。なお、AstraZeneca plcならびに他社のプロジェクトへの参加は、DNDi本体の資金によりまかなわれています。

また、第2期「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬ブースター」プロジェクトに対し、GHIT Fundは引き続き、日本の製薬企業3社に対し約5500万円の追加支援を行います。(2017年3月30日GHIT Fundのプレスリリースから* 全金額は為替レートUSD1 = JPY100で記載しています)

以上

【Drugs for Neglected Diseases initiative, DNDi :顧みられない病気の新薬開発イニシアティブについて】
1990年代後半、発展途上国の現場で医療活動に従事していた国境なき医師団のチームは、顧みられない病気に苦しむ患者を治療できないことに苛立ちを募らせていました。患者の治療に使用する医薬品の効果がなかったり、強い副作用があったり、あるいは製造中止になって使用ができないなどの問題があったためです。そこで、国境なき医師団は、1999年に受賞したノーベル平和賞の賞金の一部を、患者のニーズを重視して、顧みられない病気に対する治療薬の研究開発(R&D)に取り組むための革新的な組織の設立に充てることに決定し、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利財団として2003年7月に正式に発足しました。DNDiはヨーロッパを中心とした多くの政府機関および私設財団から資金援助を受けて活動しています。2013年度からは日本政府も参画する公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)による資金援助も受けています。また、WHOの熱帯病医学特別研究訓練プログラム(WHO-TDR)が常任オブザーバーとして参加しています。www.dndi.org/

【DNDi Japanについて】
DNDi Japanは、2003年に日本の活動を開始し、2009年に特定非営利活動法人として東京都の認証を受けました。顧みられない熱帯病(NTDs)に苦しむ途上国の人々を援助するために日本の窓口として、DNDi本部のプロジェクトを支援し日本国内外の協力先と協働して、NTDsの治療薬開発、それに関連する能力開発、ならびに啓発活動など、発展途上国の人々の保健医療、福利厚生に貢献することを目的とした活動を行っています。www.dndijapan.org/

お問合せ:広報担当 松本眞理(mmatsumoto@dndi.org/ TEL03-4550-1195)

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