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学習院大学理学部の木下佳昭さんが日本学術振興会「育志賞」を受賞 -- 受賞テーマ「アーキア運動観察の基盤構築」~世界初、死海で動く微生物モーターの仕組みを解明~

学習院大学 2017年02月03日 08時05分
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学習院大学 生命科学専攻 博士後期課程3年生の木下佳昭さんが、日本学術振興会が毎年優秀な大学院博士課程学生の顕彰・支援を目的として制定した「育志賞」を、同大で初めて受賞した。
なお、今年の私立大学学生の受賞は木下さんのみ。
木下さんは、死海から見つかったアーキアの一種である「ハロバクテリウム・サリナラム」の動きを詳細にわたって観察。アーキアの運動モーターの仕組みを解明したことは、生物が動くメカニズムを考える上で画期的なもの。この研究内容は、英科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」において、原著論文として発表された。


 育志賞は、将来、日本の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士課程の学生を顕彰することで、その勉学及び研究意欲を高め、若手研究者の養成を図ることを目的として、平成22年度に創設された。木下さんは全国の大学長および学術団体の学会長から推薦された130人の中で17人の受賞者の1人に選ばれ、その倍率は7.6倍にものぼった。

 木下さんは、学習院大学理学部西坂研究室に所属し、死海から見つかったアーキアの一種である「ハロバクテリウム・サリナラム」の動きを詳細にわたって観察した。西坂研究室で独自に開発した新しい顕微鏡を駆使することで、アーキアが細長い「毛」のような突起構造を1秒間に20-30回転させながら水中で泳ぐ映像を撮影することに成功。さらに一連の顕微計測により、運動に関する10種類以上の全てのパラメーターを取得でき、コンピューター上で遊泳運動を再現することも可能となった。エネルギーは人間のモーターと同じ「アデノシン3リン酸 (ATP)」であり、そのエネルギー変換効率は 10% ほどであることが見積もられた。

 アーキアの運動モーターの仕組みを解明したことは、生物が動くメカニズムを考える上で画期的である。アーキアの運動モーターは、バクテリアや真核生物といった他の2種類の生物で見られる運動モーターとはまったく異なるため、地球上の生命体が発達させた3つ目のモーターであり、新しい生体ナノマシンと言える。この作動原理を徹底的に解明することは、アーキアの進化や環境応答といった基礎科学としての面白さのみならず、極限環境下でも性能を発揮する新しい生体マシンを創出することにもつながることが期待される。この研究内容は、英科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」において、原著論文として発表された。

 受賞の背景には、木下さんの熱意と併せて、学習院大学理学部の優れた研究環境があげられる。学生たちは教員を「さん」づけで呼ぶ伝統があり、教員も学生を1人の研究者として尊重する。また、今回の研究で使われた電子顕微鏡などの設備も充実しており、優れた研究成果を生む風土が醸成されている。

 木下さんは8月より、ドイツのフライブルク大学にてアーキアの研究を引き続き行う予定。「博士課程の研究者として栄誉ある賞を受賞でき、大変光栄に思います。今後は様々な方との共同研究などを通じて、世界をリードし続ける研究を日本人の我々が展開したいです。」と語っている。

・学習院大学理学部HP
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・【学習院大学理学部 西坂崇之教授】 世界初、死海で動く微生物モーターの仕組みを解明
(2016/08/30)
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