2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その3:ハードウェア(サーバ/PC等)編

ノークリサーチは2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望のうち、ハードウェア(サーバ、ストレージ、PC、スマートデバイス)に関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。

<2017年は従来の成功体験や手法に固執しない新たなハードウェア導入提案に着手すべし>
■eコマースやCRMなど、戦略的な用途のサーバ環境ではクラウドを選ぶ割合の方が高い
■中堅・中小企業ではサーバ仮想化活用が物理サーバ販売にとってプラスとなる側面もある
■中堅上位企業層を中心としたフラッシュストレージや統合ストレージなどの訴求機会もある
■スマートデバイス導入は「業務システム」 と「基本インフラ(無線LAN等)」の双方から攻める

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2017年1月12日

2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その3:ハードウェア(サーバ/PC等)編

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望のうち、ハードウェア(サーバ、ストレージ、PC、スマートデバイス)に関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。

下記のリリース内容は以下のURLにも掲載されております。
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<2017年は従来の成功体験や手法に固執しない新たなハードウェア導入提案に着手すべし>
■eコマースやCRMなど、戦略的な用途のサーバ環境ではクラウドを選ぶ割合の方が高い
■中堅・中小企業ではサーバ仮想化活用が物理サーバ販売にとってプラスとなる側面もある
■中堅上位企業層を中心としたフラッシュストレージや統合ストレージなどの訴求機会もある
■スマートデバイス導入は「業務システム」 と「基本インフラ(無線LAN等)」の双方から攻める


■eコマースやCRMなど、戦略的な用途のサーバ環境ではクラウドを選ぶ割合の方が高い
本リリースは2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望をまとめた3部構成の3番目に位置付けられ、ハードウェア(サーバ、ストレージ、PC、スマートデバイス)を主なテーマとしている。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「今後一年以内に導入予定の『広義のサーバ』の用途」を尋ねた結果をオンプレミス(自社内設置やハウジングのようにユーザ企業がサーバハードウェアを自らの資産として購入する形態)とクラウド(IaaSやハウジングのようにユーザ企業がサーバハードウェアを所有しない形態)に分けて集計したものである。
従来、「サーバ」は自社内設置型の物理サーバを指す言葉として用いられてきた。だが、業務システムを稼働させるインフラとしてクラウドが普及しつつある現在において全体像を的確に捉えるためには、オンプレミスとクラウドの双方のサーバ環境を俯瞰する必要がある。そこで、ノークリサーチではオンプレミスとクラウドを含めた『広義のサーバ』という視点で調査/分析を行っている。(『広義のサーバ』の定義や以下のグラフを含めた詳細な調査結果については、本リリース末尾の【関連調査レポート1】を参照)
中堅・中小企業においてもクラウド(IaaSやホスティング)の導入が徐々に増えつつあるが、「クラウドが選ばれる用途は情報系などの一部の用途に限定されているのではないか?」と考えるIT企業も少なからず存在する。以下のグラフが示すように確かに基幹系システムにおいてはオンプレミスがクラウドを上回っている。だが、商材流通システムや営業/顧客管理系システムといった戦略的な用途はクラウドの方が多い。ユーザ企業にとって、クラウドはオンプレミスと既に同レベルの選択肢になっていると考えた方が良いだろう。また、いずれの用途においても回答割合の差は10ポイント程度に留まっており、特定の用途においてクラウドとオンプレミスのどちらか一方の選択が突出しているわけではないこともわかる。したがって、取り扱う商材が物理サーバか?、IaaS/ホスティングか?に関係なく、まずはユーザ企業が求める業務システムは何か?の全体像を理解/把握することが今後さらに重要となってくる。


■中堅・中小企業ではサーバ仮想化活用が物理サーバ販売にとってプラスとなる側面もある
さらに以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対して、「サーバ仮想化を活用する目的/理由」を尋ねた結果である。サーバ仮想化はサーバ環境をクラウドへ移行する際の第一歩ともいえる。また、IT企業からは「サーバ仮想化の影響で物理サーバの販売台数が減ってしまうのでは?」といった懸念が示されることも少なくない。
だが、以下のグラフが示すように「サーバH/Wの台数を削減するため」をサーバ仮想化活用の理由として挙げる割合は15.8%に留まる。一方で、中堅・中小企業がサーバ仮想化に求めるメリットは
「システムを複数稼働させ、サーバH/Wの性能を有効活用する」
「システムのバックアップ/リストアを容易にする」
「サーバH/Wに障害が発生してもシステムの稼動を維持する」
「サーバH/Wを入れ替える等のメンテナンス作業を軽減する」
「古いシステムを新しいサーバH/W上で延命させる」
といったサーバ管理/運用に関連する事柄であることが以下のグラフからも読み取れる。
サーバ台数の多い大企業向けに関してはサーバ仮想化の活用が物理サーバの販売台数を減少させる要因となりうる。だが、中堅・中小企業に関しては元々のサーバ台数が少ない。むしろサーバ仮想化活用によってユーザ企業が抱える管理/運用面の課題を解決することができ、関連する様々なソリューション(業務システム統合、バックアップ/リストアの改善、レガシー資産のマイグレーションなど)を訴求する契機となる可能性も十分ある。
つまり、「物理サーバの販売台数が減少している ⇒ クラウド(IaaSやホスティング)やサーバ仮想化が影響を与えている ⇒物理サーバの販売を減らさないためにもサーバ仮想化の提案は避ける」といった選択をしてしまうと、中堅・中小企業におけるサーバ環境、さらには業務システム全体における訴求力を落としてしまいかねない。「物理サーバの販売台数が減少している」といった場合、「それは大企業や一部の業種/業態(テレコム関連や公的機関など)の影響によるものなのか、中堅・中小企業も含む全体の状況なのか?」を見極め、ユーザ企業の課題やニーズに即した施策を展開していくことが何よりも重要となってくる。
(以下のグラフを含むサーバ仮想化に関連した調査結果の詳細は本リリース末尾の【関連調査レポート2】で詳しく触れている)


■中堅上位企業層を中心としたフラッシュストレージや統合ストレージなどの訴求機会もある
中堅・中小市場においてもユーザ企業が扱うデータ量は増大しつつあり、求められるデータアクセス速度も高まりつつある。
そのため、大企業に近い中堅上位企業層(年商300億円以上~500億円未満)を中心として、以下に示すような比較的新しい技術を用いたストレージ機器へのニーズが期待できる。
ハイブリッドフラッシュストレージ(専用型):
記憶装置として磁気ディスクとフラッシュメモリの双方を用い、フラッシュメモリの利用を前提にゼロから設計されたストレージ機器
ハイブリッドフラッシュストレージ(転用型):
記憶装置として磁気ディスクとフラッシュメモリの双方を用い、従来のストレージ機器の設計をベースとしているストレージ機器
オールフラッシュストレージ(専用型):
記憶装置としてフラッシュメモリのみを用い、フラッシュメモリの利用を前提にゼロから設計されたストレージ機器
オールフラッシュストレージ(転用型):
記憶装置としてフラッシュメモリのみを用い、従来のストレージ機器の設計をベースとしているストレージ機器
階層化ストレージ:
複数種類の記憶装置を階層状に並べることによって処理の高速化を図ったストレージ機器
ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(サーバベース型):
通常のサーバH/Wを複数並べ、ソフトウェアによる制御を行うことで性能や拡張性の高いストレージ環境を実現する手法
ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(仮想アプライアンス型):
ストレージの高度な機能をストレージ機器と分類してソフトウェアとして実装する手法
フラッシュメモリによるキャッシュ(サーバ側):
フラッシュメモリをサーバ側のキャッシュとして用いることで、頻繁に用いるデータの読み書きを高速化する手法
フラッシュメモリによるキャッシュ(ストレージ側):
フラッシュメモリをストレージ側のキャッシュとして用いることで、頻繁に用いるデータの読み書きを高速化する手法
統合ストレージ:
DASストレージやFC-SAN/IP-SANストレージとしての役割とファイルサーバとしての役割を同時に担うことのできるストレージ機器
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対して、「今後三年以内に導入する可能性が最も高いと思われる新しいストレージ機器/手法」を尋ねた結果である。現段階ではいずれの項目も1割未満の回答割合だが、ストレージ機器販売に取り組むIT企業にとっては「これらの中から今後中堅・中小市場へと波及していくものはどれか?」を注視しておくことが重要となってくる。(以下のグラフを年商別に集計したデータも含め、ストレージ関連の詳しい調査結果については本リリース末尾に掲載した【関連調査レポート3】で詳しく触れている)


■スマートデバイス導入は「業務システム」 と「基本インフラ(無線LAN等)」の双方から攻める
中堅・中小企業においても「Windows 10」の導入が進みつつあるが、全体としては依然として「Windows 7」が多くを占め、PCに関しては現状維持志向の強い状況が続いている。 一方、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)の活用についてはユーザ企業の関心は依然として高いものの、2~3年前と比べると導入に対する機運はやや落ち着いた感がある。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「スマートデバイスを導入した理由」を尋ねた結果を実際に導入した端末種別(スマートフォン、タブレット、タブレットPC)別に集計したものだ。(「タブレットPC」は定義上は「PC」に分類されるが、ここでは全体の傾向を探るために分析対象として含めている。「スマートデバイス」の定義や分類については以下のURLを参照 リンク
全体として見た場合、「従来型ビジネスホンからの移行」や「ネットワーク回線サービスとのセット販売」と比べて「業務システムの改善やバージョンアップ」や「今後に向けた試験的な導入」の回答割合が高くなっている。スマートデバイスが登場した初期段階では「とりあえず使ってみる」というユーザ企業側の意向が強く、セット販売によるアプローチが有効だった。だが、昨今においては「業務システムと連携し、実ビジネスにメリットをもたらす活用」を重視し、中長期的な視点でスマートデバイス活用に取り組もうとする姿勢がグラフからも読み取れる。こうした傾向はスマートフォン < タブレット < タブレットPCの順に高くなる。
したがって、現状維持志向が強いPC市場において高い単価が見込める「タブレットPC」を訴求する際は業務システムの視点を踏まえた提案力が求められてくる可能性がある。
ただ、「従来型ビジネスホンからの移行」「ネットワーク回線サービスとのセット販売 」「新たな業務クラウドサービスの導入」「オンラインストレージサービスの導入」といった事由についても回答割合を合計すれば相応の比率を占める。したがって、上記の取り組みと並行して、基本的なIT資産/サービスと組み合わせたPCやスマートデバイスの導入提案も並行して検討していくことが重要となってくる。
さらに左記のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対し、「導入済みのIT資産/サービス」を尋ねた結果である。ここに列挙したようなIT資産/サービスと絡めた提案を行うことによって、PC/スマートデバイスも含めた全方位的な端末ハードウェア活用提案を行うことも可能となる。
本ページに記載した様々なポイント(PC市場の現状と今後、スマートデバイス提案における留意事項、全方位的な端末ハードウェア活用提案)については、本リリース末尾に掲載した【関連調査レポート4】で詳しく触れている)


本リリース内で引用した調査レポート一覧

【関連調査レポート1】
2016年版中堅・中小企業におけるサーバ/IaaS導入の動向予測レポート
「今後の新規導入予定ではオンプレミスが減少する一方でクラウドが増加」、この変化にどう対応すべきか?
【サンプル/ダイジェスト】
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【関連調査レポート2】
2016年版 中堅・中小企業におけるサーバ仮想化活用の動向予測レポート
「ハイパーコンバージドインフラ」は中堅・中小企業におけるサーバ仮想化活用を加速する決め手となるか?
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
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【価格】180,000円(税別)

【関連調査レポート3】
2016年版中堅・中小企業におけるストレージ活用の動向予測レポート
「中堅・中小企業においてもデータ量は増加しつつある、その受け皿は何処になるのか?」
【サンプル/ダイジェスト】
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【価格】180,000円(税別)

【関連調査レポート4】
2016年版スマートデバイス/PCから見たIoT活用の実態と展望レポート
「中堅・中小企業に受け入れられるIoTソリューションとは何か?」をPC/スマートデバイスの視点も交えて解明する
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
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【価格】180,000円(税別)


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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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