TKCが、公会計システムの「仕訳」自動作成で特許を取得

TKC 2016年12月20日 09時27分
From PR TIMES

来春より新たに95団体で、これを活用した日々仕訳がスタート

 株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:角 一幸)はこのほど、当社が提供する「TASKクラウド公会計システム」の日々仕訳(リアルタイム仕訳)*において、仕訳の自動作成に関する特許を取得しました。
 具体的には、当社独自の仕訳変換ルールを用い、より精度の高い自動仕訳を可能とした「仕訳変換エンジン」の仕組みについて特許が認められたものです。




 総務省は、市区町村に対して「統一的な基準による地方公会計マニュアル」で仕訳パターンを例示していますが、取引発生時点の内容を正しく記録していく「日々仕訳方式」の場合はマニュアルよりも細かな仕訳が必要で、その際には複式簿記の知識が欠かせません。
 この点、仕訳変換エンジンにより、市区町村の職員は簿記の知識のある・なしを問わずだれでも“かんたん”に正しい仕訳が行えるようになります。

 なお、今回特許を取得した「仕訳変換エンジン」は、今年4月より当社の「TASKクラウド公会計システム」で日々仕訳に取り組む奈良県香芝市と栃木県益子町において、すでに活用されています。加えて、来春には「TASKクラウド公会計システム」の利用団体(約150団体)のうち、新たに全国95団体が仕訳エンジンを活用して日々仕訳方式による処理をスタートします。

 地方公共団体では、新たな公会計制度の導入を「財務書類」等の作成だけに終わらせることなく、財務情報を資産・債務管理や予算編成、政策評価等に活用することで、財政の効率化・適正化を図るよう求められています。
 TKCでは、今回の特許取得を手始めに、さらなる“利用者の使いやすさ”の向上に努め、市区町村における「新公会計制度の円滑な導入」はもちろん、「会計情報の有効活用による行政経営の強化」や「財政の効率化・適正化」を支援してまいります。

(*)公会計システムで伝票を起票すると同時にリアルタイムで複式簿記の仕訳を行う方式をいいます。


■特許概要
発明の名称  変換システムおよびプログラム
登録番号   特許第6047684号
登録日    2016年11月25日
発明の要約 当社が独自開発した「仕訳変換エンジン」により、市区町村の会計処理において、
       より精度の高い仕訳の自動仕訳を実現。

■TASKクラウド公会計システムの「仕訳変換エンジン」の概要
 仕訳変換エンジンは、当社独自の「仕訳変換ルール」により伝票種類や支払形態、支払金額などさまざまな情報を参照することで、仕訳の変換精度を高めるとともに、それぞれの取引時点で正しい仕訳を自動的に作成することができます。
 「公会計システム」は住民情報や税務などといった業務システムとは異なり、すべての職員が操作するシステムです。
 この点、仕訳変換エンジンにより、市区町村の職員が簿記の知識のある・なしを問わず、だれでも“かんたん”に正しい会計処理が行える環境を実現しました。

■特許取得の背景
 総務省の「統一的な基準による地方公会計マニュアル」では、予算科目ごとの最終結果となる仕訳パターンが示されています。
 この点、日々仕訳方式の場合は、取引が発生した都度、その内容を1つずつ正しく記録していくために、マニュアルよりも細かな仕訳を行うこととなり、その際には複式簿記の知識が必要です。
(*)詳しくは以下の仕訳例をご参照ください。

〈仕訳例〉 予算科目:市町村民税 10,000円の場合
「統一的な基準による地方公会計マニュアル」の予算科目ごとの仕訳パターンには、以下の仕訳例が示されています。


[画像1: リンク ]


 しかし、実際には「税額などの決定」(調定伝票の起票)をする時点と、「税金などの納入」(収入伝票の起票)が発生する時点との間にはタイムラグがあるため、正しくは以下のように2種類の仕訳を行う必要があります。

 「仕訳変換エンジン」では、それぞれの取引時点で正しい仕訳を自動的に作成します。
●税額などを決定した時点(調定伝票の起票)

[画像2: リンク ]


●税金などが納入された時点(収入伝票の起票)

[画像3: リンク ]

*)最終結果は、国がマニュアルで示す仕訳パターンと同じになります。

■「TASKクラウド公会計システム」の概要
1.機能
 「統一的な基準による地方公会計」に対応した日々仕訳ができる、公会計システムです。
オプションの「リアルタイム仕訳システム」により、予め予算科目単位に仕訳パターンを定義付けしておくことで、伝票入力時に予算科目を選択するだけで複式簿記による仕訳が自動で作成されるほか、「TASKクラウド固定資産管理システム」と連携し、除却時の減価償却や損益など伝票入力を伴わない取引についても複式簿記の仕訳に変換します。
 また、LGWANクラウドサービスで提供するため、国が求める「自治体情報セキュリティ強靱性向上モデル」の考え方にも準拠しています。

2.サービス価格(標準的なシステム構成の場合)
 TASKクラウド公会計システム 120万円~/年間利用料(税別)

3.導入実績
 約150団体(一部事務組合含む)

4.販売目標
 2018年までに、200団体への導入を目指します。

【ご参考】
■「統一的な基準による地方公会計」および市区町村の対応状況
1.「統一的な基準による地方公会計」とは
 地方公共団体の財務情報に関して、発生主義・複式簿記の導入、固定資産台帳の整備、類似団体との比較など、地方財政の見える化を促進し、持続可能な財政運営および強い行政経営を行うための改革です。背景には、公会計へ企業会計的な要素を取り込むことで、資産・負債などのストック情報や現状では見えにくいコストを把握し、財政状況を分かりやすく住民へ開示するとともに、資産・債務の適正な管理や各種事業運営への有効活用を図るなど、中・長期的な視点で「行政経営」を強化することが挙げられます。
 また、従来の地方公会計制度では、「基準モデル」や「総務省方式改訂モデル」、その他の方式(東京都方式など)と複数の会計基準が存在し、団体間の比較が困難であったことから、すべての地方公共団体で適用できる標準的な基準に一本化されました。
 市区町村では、原則2017年度までに、現行の「現金主義会計」(単式簿記)を補完する仕組みとして「発生主義会計」(複式簿記)を整備し、これを活用した財務書類などを作成・開示することが求められています。

2.市区町村の対応状況
 統一的な会計基準では、市区町村は「日々仕訳」か「期末一括仕訳」(1年分の会計伝票データを期末に一括して複式簿記の仕訳を行う)のいずれかの方法を選択することができます。市区町村ごとの対応状況は明らかにされていませんが、当社調べでは2017年度から日々仕訳方式を採用するのは全国100団体程度と見込まれます。
 一方、期末一括仕訳方式の場合は、年度末に膨大な量の伝票仕訳作業が発生することに加え、財務書類の作成に相当な期間を要すなど、翌年度予算へ財務書類の分析結果を反映させることが難しいといった課題も指摘されています。
 そのため、当初は期末一括仕訳方式でスタートしても、現行システムの切り替え時などに合わせて、仕訳の検証精度や業務負荷の軽減につながる「日々仕訳」方式の導入を検討する市区町村が広まっています。

                                                 以上

プレスリリース提供:PR TIMES リンク

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