イントラリンクス、最新研究による企業買収の予測指標と企業の買収確率を判定可能なオンラインカリキュレーターの開発を発表

・企業が買収対象となる可能性を判定するのに6つの有意な予測指標を発見
・ターゲットとなる上場企業と非上場企業の傾向には著しい違いを確認
・買収の可能性が最も高いのはエネルギー産業の企業
・新しいオンラインカリキュレーターで企業の買収確率を判定

【東京、2016年10月21日】M&A管理用バーチャルデータルームソフトウェアとサービスで業界をリードするイントラリンクス合同会社(東京都千代田区、代表:村岡聡)は、本日、企業を魅力的な買収ターゲットにする要素について発表しました。この結果は、弊社が発表する最新のレポート「魅力的なM&Aターゲット:パート1 - バイヤーが狙う企業」によるものです。

イントラリンクスはシティ大学ロンドン・カスビジネススクール(City University: Cass)のM&Aリサーチセンターと共同で、年間売上高が5,000万ドル以上の上場/非上場企業約34,000社を対象に、23年間にわたる6つの主要財務指標を調査しました。

研究の結果、買収ターゲットになりやすい企業に関する予測指標が発見され、ターゲットとなる上場企業と非上場企業の間には著しい違いがあることが判明したのです。

またイントラリンクスは、潜在的なバイヤーが企業の魅力度を比較できるように、本研究で使用した方法論を用いたインターラクティブなオンラインカリキュレーターも新たに開発しました。
本研究で発見された、企業が魅力的な買収ターゲットになる場合の統計的に有意な6つの予測指標は以下の通りです。なお、各指標の値が著しく違うと、買収確率に影響を及ぼすことも判明しています。

1.成長率:ターゲット企業の成長率は非ターゲット企業に比べ2.4%高い。
市場の低迷期、不況、経済が不安定な時期でも、ターゲット企業の成長プレミアムは高い傾向にある。
2.利益率:非上場企業と上場企業とでは異なる傾向が見られる。
2000年以降、非上場企業におけるターゲット企業では非ターゲット企業に比べて1.2%高い。上場企業におけるターゲット企業では非ターゲット企業に比べて1.7%低く、さらに2008年以降は3.3%下回っている。
3.レバレッジ:非上場企業と上場企業では異なる傾向が見られる。
非上場企業におけるターゲット企業は非ターゲット企業の300%と大幅に高い。上場企業におけるターゲット企業は非ターゲット企業より11%低い(2008年以降)。
4.規模:非上場企業と上場企業では異なる傾向が見られる。
非上場企業におけるターゲット企業は非ターゲット企業に比べ63%と著しく大きい。上場企業におけるターゲット企業は非ターゲット企業に比べ55%と著しく小さい。
5.リクイディティ:ターゲット企業は非ターゲット企業に比べて低い傾向にある。
リクイディティが下位2デシルに入る企業は、企業全体のなかで特定の年に買収ターゲットとなる確率が平均で35%高い。
6.評価額:ターゲット上場企業は非ターゲット上場企業に比べて低い傾向にある。
評価額は下位3デシルに入る上場企業は、上場企業全体のなかで特定の年に買収ターゲットとなる確率が平均で30%高い。

イントラリンクスのストラテジー/プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントPhilip Whitchelo(フィリップ・ウィチェロ)は、「当社の研究によると、非上場企業が買収ターゲットになる場合、高レバレッジと大規模が最も統計的に有意な2つの予測指標であり、上場企業が買収ターゲットになる場合の最も統計的に有意な2つの予測指標は小規模と低利益率と言えます。また2008年以降、バイヤーは、買収による相乗効果で経営の改善とコスト削減が実現する可能性が高いため、標準以下の上場企業や市場の低迷期に評価額が著しく下がった上場企業を利用しています。」と述べています。

これによると、買収の可能性が最も高いのはエネルギーセクターの企業です。
非上場エネルギー企業は、非上場企業全体に比べ特定年に買収ターゲットになる確率が約2倍で、上場エネルギー企業は金融セクターの企業に次いで買収ターゲットになる確率が第2位であることが判明しました。

共同研究を行ったシティ大学ロンドン・カスビジネススクールのM&Aリサーチセンターで教授を務めるScott Moeller(スコット・モーラー)は「当校の研究結果を反映するディールの記録は数多くあります。 2013年のKKR社によるPanasonic Healthcare Co Ltd社の買収、2014年のEmperador社によるWhyte & Mackay社、2014年のZimmer社によるBiomet社の買収では、各ターゲット企業が買収ターゲットになる確率はレバレッジと規模に応じて高くなっていました。結局、予測が現実になったのです。」とコメントしています。

本レポートの全文はこちらからダウンロードが可能です。
ぜひ、新しいオンラインカリキュレーターもお試しください。
リンク

【方法論について】

本研究では、1992年から2014年にわたり、世界中の年間収益が5,000万米ドル以上の上場/非上場企業のデータを集めてサンプリングしました。 サンプルには、上場企業24,507社、非上場企業9,445社の合計33,952社が含まれ、これは会計期間に換算すると延べ275,713期に相当します。

サブサンプルの財務データ入手元は、上場企業の場合はDatastream、非上場企業の場合はThomson One Bankerです。また、ターゲット企業のTOBに関するデータ入手元もThomson One Bankerです。

ここではターゲット企業の定義を「バイヤーがターゲットの株式を過半数取得することを提示する『チェンジオブコントロール条項』付きTOBの対象となる企業」としています。

本研究では、特定年にTOBのターゲットとなる企業と非ターゲット企業との間に明らかな違いが存在するかどうかを判別するため、サンプル内の企業について6つの財務指標を調査しました。 使用した財務指標は以下のとおりです。

i.TOB前の成長率(売上における3年間のCAGR(年平均成長率))
ii.TOB前の利益率(利払い前税引き前償却前利益(EBITDA)/売上の3年間の平均比率)
iii.TOB前のレバレッジ(債務/EBITDAの3年間の平均比率)
iv.TOB前の規模(売上)
v.TOB前のリクイディティ(流動資産/流動負債の比率)
vi.TOB前の評価額(企業価値(EV)/EBITDAの比率)

上記の財務指標の分析は、研究期間全体と下記の5つの特徴的なM&Aサイクルにわたり実施されました。

a.1992-1999年のM&A市場拡張期(後半はIT株式ブーム)
b.2000-2002年のM&A市場縮小期(1990年代初頭のITバブル崩壊後)
c.2003-2007年のM&A市場拡張期(企業/消費者貸付、レバレッジ、金融デリバティブの増加)
d.2008-2009年のM&A市場縮小期(グローバル金融危機、リクイディティと融資の減退、銀行破綻、金融機関への政府による財政緊急援助)
e.2010-2014年(不規則な回復、世界規模の金融緩和、低インフレ率、低利率、超巨大取引(メガディール)の激増)

6つの財務指標それぞれについて、企業のパーセンタイルランキングに基づき買収ターゲットになる確率を分析しました。 これにより、買収の確率が各財務指標の値の変化に応じて変化する様子を観察できます。なお、各社のパーセンタイルランキングには、同じ地域と産業の企業で、同じ年度という制約を設けました。

6つの財務指標(独立変数)のうちどれが買収確率にとって統計的に有意な予測指標になるかを確認するため、プロビット回帰分析を実施しました。 プロビットモデルの従属変数は、企業がいずれかの年に買収される場合に1となり、それ以外は0となるダミー変数です。 回帰分析の結果に基づき、企業が買収ターゲットになる確率を計算する予測モデルを構築しました。

本研究の一環として、Remarkがバイヤー企業とプライベートエクイティ(PE)会社のエグゼクティブ各20名へのインタビューも実施しています。M&Aプロフェッショナルがそれぞれの見識と研究結果の背景を話してくれました。

【カスビジネススクールについて】

カスビジネススクール(City University: Cass)は、ワールドクラスの知識、イノベーティブな教育、活発なコミュニティを特長とする、シティ大学ロンドンが誇る世界有数のビジネススクールです。世界最高峰の金融街の中心に位置し、シティ・オブ・ロンドンと起業家が集うテック・シティに強力なパイプを有しています。 AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)、AMBA(Association of MBAs)、EQUIS(European Quality Improvement System)からトリプルクラウン認定を受けたグローバルエリート・ビジネススクールに数えられています。

学部生から大学院生、社会人教育までを対象に、あらゆるレベルの世界的に有名なプログラムが用意されており、年間約4,000人の学生が学んでいます。金融プロフェッショナルを輩出した大学院ランキングではイギリス第2位に(LinkedIn University Rankings)、経営管理および会計財務の学位ではロンドンで第1位にランキングされています(Guardian University Guide 2017)。

カスビジネススクールの教授陣は各分野の専門家で、最新の研究成果を発表し世界に大きな影響を与えています。 Research Excellence Frameworkの最新結果によると、カスビジネススクールの研究の84%は世界最高峰または国際的に一流の成果と評価されました。

詳細は、www.cass.city.ac.ukにアクセスするか、Twitterで@cassbusinessをフォローしてください。

■イントラリンクスについて

イントラリンクス(米国本社Intralinks Holdings, Inc. (NYSE: IL))は、コンテンツ・コラボレーションの世界的なプロバイダーです。イントラリンクスは、クラウドベースのソリューションにより、高い価値をもたらす組織間での情報の共有、配布、制御を、最高レベルのセキュリティと厳重に要求されるコンプライアンスに基づき実現します。
9万社を超える顧客の99%はフォーチュン1000企業であり、デジタル化、重要なビジネスプロセスの簡素化、付加価値の高い情報を保護するためにイントラリンクスのサービスを利用しています。
イントラリンクスは20年で総額31兆3,000億ドルを超える価値のトランザクションとビジネス・コラボレーションを支えてきた実績を持ち、使いやすくエンタープライズレベルの堅牢性を備えた信頼性の高いコラボレーション技術を提供します。詳細については、www.intralinks.com/jp をご覧ください。

「Intralinks」およびIntralinksのロゴマークは、Intralinks, Inc.の登録商標です。(C) 2016 Intralinks, Inc.

■将来性の見通しに関する記述

このプレスリリースには、1995年米国民事訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の「セーフハーバー」規定に定義する「将来性の見通しに関する記述(forward looking statements)」に該当する情報が記載されています。
将来性の見通しに関する記述には、既知および未知のリスク及び不確実性が内在しています。イントラリンクスの計画、意図、期待、予測、希望、信条、目的、目標、および戦略に関する明示的または黙示的な内容がそれらに該当します。
この記述は、約束でも保証でもなく、制御できない様々な、リスクや不確実性により、実際の結果がこれらの将来の見通しに関する記述に意図されるものと異なる可能性があります。
したがって、将来性の見通しに関する記述で「達成するであろう」と表現され、予測され、暗示されている結果やコミットメントは、保証されておらず、読者は将来性の見通しに関する記述に過度の信頼を置かないように注意してください。
本プレスリリースにおける将来の見通しに関する記述は、本日現在のように記述しています。
このように、イントラリンクスは、新たな情報、将来の事象や状況の結果をうけて、このプレスリリースに含まれる情報を更新または改訂する義務を負いません。
イントラリンクスの業績に影響を及ぼす可能性のある要因やリスクの詳細なリストについては、米国証券取引委員会に届出し開示している2015年12月31日付の年次報告書(Form 10-K)とそれ以降の四半期報告書をご参照ください。

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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