2015/2016年度PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチでは2015年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2016年度の予測も併せて調査、報告している。

<2015年度/2016年度PCサーバー市場のポイント>
■2015年度479,620台、対前年比93.8%で減少。
-台数は前年比93.8%で、479,620台
-金額は前年比97.6%で、3,117億円
■NEC、富士通、HPの上位3社変わらずも、NECのシェア高まる。
■2016年度は455,850台の見通し。台数の減少傾向が続く。

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2016年7月13日

2015/2016年度 PCサーバー出荷調査報告

担当: 伊嶋謙二


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙二03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2015年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2016年度の予測も併せて調査、報告している。
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<2015年度/2016年度PCサーバー市場のポイント>
■2015年度479,620台、対前年比93.8%で減少。
-台数は前年比93.8%で、479,620台
-金額は前年比97.6%で、3,117億円
■NEC、富士通、HPの上位3社変わらずも、NECのシェア高まる。
■2016年度は455,850台の見通し。台数の減少傾向が続く。


◇対象期間 :(2015年度実績)2015年4月~2016年3月 (2016年度予測)2016年4月~2017年3月
◇対象メーカー :電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、レノボ(日本IBM)、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種 :電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法 :当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期 :2016年6月~7月


―2015年度479,620台、対前年比93.8%で減少。
2015年度の出荷台数は479,620台である。上期は前年比98.4%、下期も89.9%で、通期で前年比93.8%という実績となった。特に下期はクラウドへの移行やDCへの仮想化、集約化という大きな潮流のなかで、目立った大口案件が少なく、国内景気の動向、マイナンバーなどの制度面での需要なども市場に大きなプラス要因にはならなかったことから、当初見込みよりも減少した結果となっている。2015年度通年のPCサーバーの出荷台数は前年割れとなっている。
サーバーの形状別にみると、タワー型のサーバーは35.3%の構成比となっている。全般的には低調な実績だったが、NECによる流通大手への大型案件が寄与している。
ラック型サーバーは57.9%となっている。台数は減少傾向ではあるが、構成比としては過去最高の割合となっている。集約効果の高いラックサーバーに需要が集中していることを示している。
ブレード型サーバーの構成比は6.8%で前年比93.0%となっている。データセンターなどの集約需要がラック型サーバーに収斂しつつあるなかで、ブレードは高可用性を生かした独自な統合プラットフォームとしての利用やHPC用途として特定の需要を満たしているのが現状だ。
出荷金額では、3,117億円となり、対前年比97.6%で前年を下回った。仮想化、集約化によるディスクやメモリーを多く搭載したサーバーが多くなって単価上昇傾向であったが、台数の減少の影響で、金額市場でもマイナスとなった。


「2015年度シェア概況」
- NEC、富士通、HPの上位3社変わらずも、NECのシェア高まる。 -
1位はNECで、2015年度は昨年の25.2%から27.2%へポイントを上げてトップシェアを維持した。形状別ではタワー型サーバーが昨年の30.8%から36.3%と大きく5.5ポイント上げてのトップシェアだ。ラック型サーバーは21.7%から22.4%と0.7ポイント上げた。ブレード型サーバーは24.7%から21.7%と3.0ポイントのシェアダウンだ。流通大手への大型案件で、タワー型サーバーの実績が同社のシェアアップの要因となっている。2015年度では台数で対前年比101.5%と上位ベンダーで唯一前年を上回った。
2位は富士通で23.6%から23.3%へと若干のシェアダウンの2位となっている。しかしタワーは昨年の28.9%から30.2%となってシェアアップした。ラックは昨年22.0%から20.9%とシェアを落とした。ブレードは9.5%から9.0%とシェアを落とした。同社は大手企業中心の直販と中堅・中小企業へのチャネル販売、オープンチャネルといわれる全国の同社の系列以外の販売網など総合的な販売力はNECと双璧をなして強力だが、2015年度では台数では前年比92.9%と減速した。NECとはシェアでは若干差を付けられた。
3位はHPで19.6%のシェアで昨年22.3%のシェアから落としている。ラックは23.7%とトップシェアを維持した。ブレードは26.3%とラック同様にトップシェアである。同社のグローバルな製品メッセージや製品開発力、製品の価値の高さは評価が揺るがない。独自の直販とディストリビュータ経由の販売力は同社の特徴だが、現在は他の外資系ベンダーも追随しており、NEC、富士通などの販売力にも対抗するため、販売戦略をさらに強化している。
4位はデルで10.3%のシェアである。昨年の10.7%を下回った。タワーでは8.0%、ラックでは12.4%のシェアでいずれもシェアポイントを下げている。販売チャネル戦略としてディストリビュータを経由した全国の広範囲なチャネル展開を2015年度後半から実施しているので、その効果が見えるのは2016年度となりそうだ。
5位は日立製作所で昨年の6.0%から6.2%へ若干のシェアアップだ。同社の強みである大企業、官庁、金融、交通インフラ企業への固い需要層への導入は順調のようである。同社は国内だけでなくストレージなどシステム全体としてのソリューションで海外などの展開も視野に入れた展開が特徴だ。
6位はレノボ(日本IBM)で昨年の4.6%から4.7%に若干のシェアアップだ。ラックは5.4%から5.6%へアップ、ブレードは8.1%から4.6%へシェアダウンとなっている。2015年度はIBMからレノボへの切り替えのための再スタートの期間であり、底を脱しつつあると見られる。特に価格、製品には一定の実績があるため、国内での販売力が試されるのが2016年度となる。


「2016年度見通し」
―2016年度は455,850台の見通し。台数の減少傾向が続く。
2016年度は455,850台と台数の減少傾向が続くものと予測される。2016年度のPCサーバー市場はオンプレからクラウドなどへの集約利用の変わり目の時期にいる。多くの企業では現状のオンプレのシステムを利用しながら、クラウドへの移行を検討、実行している、まさにハイブリッドなクラウド移行期間となっている。そのためPCサーバー市場が仮想化・集約化で一気に台数が減少するということには短期的にはならないだろう。
2016年度は為替や株価などの外的な経済環境の変化に不安材料は残すものの、クラウド、ビッグデータ、IoTなどの新たな動向に加え、2020年の東京オリンピックに向けて、地方も含めた全国規模で、総合的な先行投資機運が高まりつつあることなどが期待される。
「PCサーバー市場の2016年度の見通しのポイントは次の5点。」
1.ITサービス業、データセンターなどのサーバーの需要は継続して堅調
2.仮想化、集約化によるインフラ整備、増強のための需要は依然として増加傾向
3.為替、株価などの外的な経済環境による企業の業績への影響
4.クラウド、ビッグデータ、IoTなどで新たなサーバー需要の拡大機運高まる
5.2020年の東京オリンピックに向けた全国、総合的な先行投資ブーム


当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ
担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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