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江戸時代の地図をデータ化 -- 横浜市立大学所蔵の古地図データベースを公開

横浜市立大学 2016年06月24日 08時05分
From Digital PR Platform


横浜市立大学が所蔵している約200年前(江戸時代~明治時代)の古地図コレクションをデータベース化し、平成28年6月23日(木)にWEBサイトにて公開した。


 今回公開するデータベースは、地理学者・故鮎澤信太郎(※1)が収集した貴重なコレクションで、江戸期地理学の基礎資料となる日本でも有数の古地図コレクションとして評価されているもの。
 これまで、現物閲覧による劣化を防ぐために、一部の研究者に限り閲覧可能だったコレクションが利用者を制限することなく、横浜市民をはじめとする一般の方にも国内外問わずいつでもご覧いただけるようになった。

◆データベース化の概要
1 一般公開日時(大学WEBサイト公開)
  平成28年6月23日(木) 8時30分

2 公開先URL
 リンク

3 公開データベースについて
 横浜市立大学学術院国際総合科学群・松本郁代准教授が同大の所蔵する貴重資料のうち地理学者・故鮎澤信太郎が収集した貴重な古地図(※2)を綿密に系統立てし、地域別・種類別に一覧できる検索機能も備えたデータベースを作成した。
 本データベースでは、282点の貴重な古地図の画像及び書誌情報を公開する。すべての地図は分類や資料名・作者名(資料名・作者名はローマ字からの検索も可能)から検索することができる。
 また、画像は高画質で保存・公開されており、古地図に記載された細かな文字情報まで確認することが可能。

(※1)…日本大学教授を経て1950年に同大教授に就任し、第3代図書館長を務めた。研究対象は、ほとんどが前人未到の分野であり、収集し探索に及んだ資料はそのまま江戸期地理学の基礎資料となるものだった。
(※2)…鮎澤氏がマテオ・リッチの世界図研究の過程で収集した古地図および地誌類は、日本でも有数の古地図コレクションとして評価されている。

4 データベース化の取り組みについて
 同大の歴史的過程で所蔵された文化財である「貴重資料」を、持続的に保全していくとともに、大学の「知的ブランド」として、市民・研究者・学生が有効活用を目指し、デジタル・アーカイブの作成をはじめた。この取り組みは、同大内の競争的公募型資金「戦略的研究推進費」に採択され、平成23年度から25年度にかけて横浜市の支援のもと、同大教職員及び学生とともに進めてきた。
 貴重資料は、研究のために使われるだけでなく、市民講座等で公開することにより、市民の知的好奇心や貴重書への理解を高め、同大の歴史や研究に興味を持っていただくきっかけとなった。
 また、本取り組みに協力した学生に対しては、直接貴重資料に触れる機会を提供することで、文化財に対する学びを深め、より主体的に研究を行う姿勢を身につけてもらうことができた。
 アーカイブ化を進めるとともに、貴重書図録の刊行等の活動を毎年行い、平成25年度には横浜市歴史博物館と共催で展覧会を開催した。このような取組が認められた結果、平成27年度日本学術振興会科学研究費助成事業に採択され、本事業のもとにデータベースを公開することとなった。

5 主な公開データ
 (1) マテオ・リッチ系世界図
 イエズス会の宣教師であるマテオ・リッチが中国(明)に伝えた世界地図をもとに描かれたもの。日本では、17世紀後半以降に、マテオ・リッチの世界地図を参考に長久保赤水らが多くの派生図を作成した。横長の楕円形をした形が特徴で「卵型世界地図」とも呼ばれている。
 (2)蘭学・洋学系世界図
 オランダをはじめとしたヨーロッパ諸国から伝わった世界地図を翻訳・模写することで作成した世界地図。2つの円で地球図を描いた「両半球図」も多くみられ、内容もより緻密で正確なものが多い。
 (3)仏教系世界図
 西洋的な天文学ではなく、仏教の宗教的世界観をもとに描かれた世界図。仏教的な宇宙観と西洋天文学を融合し、仏教的世界観の中心である「須弥山」と現実世界が並列した世界図等も多数残されている。

<研究者プロフィール> 横浜市立大学学術院国際総合科学群・松本郁代准教授
 立命館大学大学院で日本史学を専攻し、博士号を取得。専門は日本文化史・日本中世史。天皇の即位儀礼や中世王権に関する分析から文化史としての問題を問う。また、横浜市立大学学術情報センター所蔵の貴重書のデジタル化においては中心的な役割を果たし、仏教的世界観に関する古地図分析を進めるとともに、ゼミ生らと貴重書に関する市民講座なども積極的に行っている。

※本研究は、平成27年度日本学術振興会科学研究費助成事業(研究成果公開促進費)課題番号15HP8015の助成により行われました。
 なお、資料のデジタル化については、平成23年度から25年度にかけて実施された横浜市立大学戦略的研究推進費 課題番号A2301「デジタル・アーカイブ構築による大学文化財の保存・活用と研究ネットワークの形成」(代表:松本郁代)の研究成果に基づくものです。

<参考>
■貴重書図録の刊行
『横浜市立大学貴重資料集成I 仏教天文学』(横浜市立大学、2012年3月刊、151pp.)
『横浜市立大学貴重資料集成II 古地図』(横浜市立大学、2013年3月刊、195pp.)
『横浜市立大学貴重資料集成III 横浜-開港』(横浜市立大学、2013年3月刊、95 pp.)
『横浜市立大学貴重資料集成IV 地誌』(横浜市立大学、2014年3月刊、95 pp.)

■展覧会の開催
・横浜市歴史博物館企画展「横浜市立大学コレクション古地図の世界:地球のかたちと万国の大地」
開催期間: 平成25年10月12日(土)~平成25年11月24日(日)
入場者数: 5,055人
 研究成果を広く市民等に還元することを共催の目的として実施し、来場者へのアンケートでは93%の入場者が企画展のテーマ・内容に満足したという結果を得た。

▼本研究の内容に関する問い合わせおよび取材対応、資料請求など
 学術情報課長 宮部 一 
 TEL: 045-787-2071

【リリース発信元】 大学プレスセンター リンク

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