金沢工業大学の大学院生が無線電力伝送の代表的な国際学会で学生論文賞第三位受賞 -- 微弱電波を用い、世界トップレベルの発電効率を実現

金沢工業大学 2016年05月13日 08時05分
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金沢工業大学大学院電気電子工学専攻博士前期課程1年生の古田貴大さんが2016年5月5日から6日の2日間、ポルトガル・アヴェイロで開催された無線電力伝送に関するIEEE(米国電気電子学会) Microwave Theory and Techniques-Society(MTT-S、マイクロ波技術ソサエティ) 主催の国際学会Wireless Power Transfer Conference2016より学生論文賞である「Student Paper Award」の第三位を受賞した。


 今回の受賞は、東京スカイツリーから出される地上波デジタル放送の電波を用い、広範な地域で電源供給する技術を低コストでかつ世界トップレベルの発電効率で実現したことが評価されたものである。

 「Wireless power transfer conference」は無線電力伝送に関する代表的な国際学会で、2016年は一般、学生を含む150件の論文の投稿があり、うち採択された論文は世界21カ国97件(採択率64.7%)だった。そのなかで古田さんの論文は口頭発表として選ばれた31件(採択率20.7%)の1つである。

 無線電力伝送は太陽光発電衛星から地上への送電や電気自動車のワイヤレス給電などを可能とする今一番ホットな研究分野で、世界中の研究者が実現にむけた研究開発にしのぎを削っている。近年、この技術を応用した「エネルギー・ハーベスティング技術」の研究が進められている。これは放送や携帯電話の微弱な電波を利用し直流電圧を発電する技術で、電源や電池を用いることなく、様々な場所に電子機器を設けることが出来るようになる。そのため、さまざまな監視用センサーへの応用が想定されている。

 古田さんの研究は500MHz帯の地上波デジタル放送の電波を用い、直流を発電する高周波の整流回路の高効率化に関するものである。新たなアンテナや回路方式により、微弱な1μWの放送波からの発電効率として世界トップレベルの8.7%を実現したもの。この開発した整流回路の有効性を確認するために、古田さんは東京地区での実証実験を行い、東京スカイツリーから25km離れた地点での発電を確認した。この25kmの距離は、東京スカイツリーから東京23区をカバーするための距離である。アンテナや回路の新しいアイデアに加え、東京での有効性の実証を示したことにより、本発表は学会参加者から注目を集めた。

 今回のWPTC2016では日本から22件の論文が採択されたが、一般・学生への論文賞(全6件)の受賞機関は金沢工業大学だけである。

▼本件に関する問い合わせ先
 金沢工業大学 広報課
 石川県野々市市扇が丘7−1
 TEL: 076-246-4784
 E-Mail: koho@kanazawa-it.ac.jp

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