2015年度上期PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチでは2015年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。

<2015年度上期PCサーバー市場のポイント>
■2015年度上期は235,180台、対前年比98.4%で若干減少
-台数は前年比1.6%ダウンで、235,180台
-金額は前年比1.7%アップで、1,505億円
■シェアは富士通とNECがほぼ並ぶが、僅差で富士通トップに。
■2015年度全体では集約化とクラウド推進で漸減傾向、50万台を割る見込み。

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2015年12月22日

2015年度上期PCサーバー出荷調査報告

調査設計/分析/執筆: 伊嶋謙二


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表 伊嶋謙ニ 03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2015年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2015年度の予測も併せて調査、報告している。

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<2015年度上期PCサーバー市場のポイント>
■2015年度上期は235,180台、対前年比98.4%で若干減少
-台数は前年比1.6%ダウンで、235,180台
-金額は前年比1.7%アップで、1,505億円
■シェアは富士通とNECがほぼ並ぶが、僅差で富士通トップに。
■2015年度全体では集約化とクラウド推進で漸減傾向、50万台を割る見込み。


◇対象期間 :
(2015年度上期実績)2015年4月~2015年9月
(2015年度予測)2015年4月~2016年3月
◇対象メーカー :電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、レノボエンタープライズ、日本HP、日立製作所など
◇対象機種 :電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法 :当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期 :2015年12月


[2015年度上期出荷状況]
― ―2015年度上期は235,180台、対前年比98.4%で若干減少
2015年度上期のPCサーバー市場は235,180台、と前年比98.4%と前年を下回った。
上期市場の背景には次の3点がある。
1.仮想化、クラウド移行が進みサーバーの集約化がさらに進む
2.サーバー買い替えや新規導入のためのエポックメイキングな出来事の不在
3.オンプレ需要は一定割合存続しており、クラウドとのハイブリッド状態継続
上記3点などの要因で、上期は前年比マイナスとなったが、大きなマイナスにはなっていない。一方金額ベースでは前年比101.7%で1,505億円となった。金額市場では、仮想化を背景にしたHDD、SSDやメモリーを多く搭載したサーバーが増えており、平均単価が高まったことがその要因となっている。
サーバーの形状別では、タワーサーバーは80,670台、前年比89.6%で減少。ラックサーバーは137,090台、前年比104.8%と好調だった。ブレードサーバーは17,420台、前年比で96.2%と減少が続いている


[2015年度上期メーカシェア]
■シェアは富士通とNECがほぼ並ぶが、僅差で富士通トップに。
1位は富士通。2015年度上期は24.8%(2014年度上期24.3%以下=昨年)でトップシェア。上期トータル台数では前年比100.4%となった。形状別ではタワーが31.7%(昨年28.6%)とトップシェア。ラックは22.6%(昨年23.3%)となった。直販によるデータセンタ向け、公共向け等の案件に加えEOSやマイナンバーなどを切っ掛けにタワーサーバーはチャネル販売で好調であったことが功奏した。また組み込み案件の継続的な実績もシェア向上に貢献している。
2位は僅差でNEC。シェアは24.4%(昨年24.1%)とわずかにシェアを上げた。上期トータル台数では前年比99.5%となった。タワーは30.4%(昨年28.2%)でシェアを上げた。ラックは22.0%(昨年21.1%)とこれもシェアを若干上げている。ブレードは15.7%(昨年25.4%)となった。全体を通じて大きな案件は目立たなかったが、データセンタ、官公庁などの直販案件と販売チャネルを経由した全国、特に地方における中堅・中小企業へのリプレース、増設案件で手堅い実績を積み上げている。
3位はHP。シェアは19.8%(昨年21.3%)であった。上期トータル台数では前年比91.8%となった。タワーは13.8%(昨年19.3%)と大きくシェアを落としている。ラックは22.7%(昨年21.7%)でトップシェアとなった。ブレードも25.5%(昨年27.9%)でトップシェアとなっている。台数ではタワーの減少で全体のシェアを下げているが、エンタープライズ用途で強みのあるネット系企業、製造業ではラックの実績あげた。平均単価も上がっており、金額実績では前年比を上回る実績を残している。さらに地方のSMB市場へのチャネル開拓を進めている。
4位はデル。シェアは10.5%(昨年11.1%)となっている。上期トータル台数では前年比93.2%となった。タワーは9.1%(昨年9.1%)と変わらず。ラックは12.3%(昨年13.8%)でシェアを落としている。ブレードは3.0%(昨年2.2%)となっている。2015年度上半期は、SMB市場が比較的好調であった。業種として製造業が好調に推移したことが背景と考えている。また、販売チャネルでは、後発の施策ではあるが伸びてきている。
5位は日立製作所。シェアは6.3%(昨年6.4%)となっている。上期トータル台数では前年比96.9%となった。タワーは6.9%(昨年6.1%)と若干シェアを上げている。ラックは5.3%(昨年5.5%)となった。ブレードは12.3%(昨年14.7%)となっている。台数的には大きな変化はなく、実績的にも横ばいではあるが、得意の金融、官庁などへの展開は堅調だ。特にメインフレームの置き換え、プライベートクラウド構築、VDIなどの構築用としてブレードを中心に100台前後の実績が同社の強みとなっている。
6位はレノボエンタープライズ。シェアは5.0%(昨年5.4%=IBMとの比較)となっている。上期トータル台数では前年比90.3%となった。タワーは3.8%(昨年2.9%)と若干シェアを上げている。ラックは5.7%(昨年6.3%)となった。ブレードは5.1%(昨年11.6%)と大きくシェアを落としている。レノボへの移管直後にあったシステムトラブル、チャネル離れ等の逆風からみれば、ブレードを除けば、この上期は戻してきているという印象だった。


[2015年度の市場展望]
■2015年度全体では集約化とクラウド推進で漸減傾向、50万台を割る見込み。
2015年度は昨年度に比べマイナス成長となりそうだ。
WindowsサーバーOSのマイグレーションなどの大きな需要機会も少なく、マイナンバー対応などもサーバー需要に大きなプラス要因にはなりにくいことなどから、安定したクラウドやネットサービスなどの需要を除けば、市場を大きく拡大する要素が少ないことから、2015年度市場としては下期も前年割れとなる見込みとなっている。
そのため2015年度全体としてはマイナス成長で、50万台を割ることになりそうだ。ただし集約化や仮想化などがサーバー単価の上昇を継続させており、金額は若干のプラスとなりそうだ。またクラウド、ビッグデータ、IoTなどの新たな動向に加え、景気の回復基調に伴う企業の投資意欲の増加、2020年の東京オリンピックに向けた総合的な先行投資機運が高まりつつあることは期待材料だ。
2015年度の下期も含め、年度通期での市場を支えるポイントは次の5点だ。
1.ITサービス業、データセンタのサーバー需要は継続して堅調
2.仮想化、集約化によるインフラ整備、増強のための需要は依然として増加傾向
3.景気回復による企業業績好調による投資意欲の向上
4. クラウド、ビッグデータ、IoTなどで新たなサーバー需要の拡大機運
5.2020年の東京オリンピックに向けた総合的な先行投資ブーム


当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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