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【腎臓病の体験談】未来の透析患者さん達のために 熊本で透析しながら透析患者の患者団体(全腎協)トップに就任した今井さん 

NPO法人 腎臓サポート協会 2015年12月17日 09時47分
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腎臓病と闘う人にとって、同じ病気を持つ先輩患者さんから聞く体験談は何よりも心の支えになるもの。NPO法人腎臓サポート協会の「腎臓病なんでもサイト」では、さまざまな患者さんに、病気の受けとめ方や乗り越えた経緯、ご家族のサポートなど、貴重なお話を伺っています。

今回の体験談は、全国腎臓病協議会(全腎協)の会長に昨年就任された今井政敏さん。透析患者の全国組織をまとめる重責に向きあいながら生活する今井さんの、これまでの生活と未来のビジョンをうかがいました。

(※職業・年齢や治療法は、取材当時のものです。)
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■今井 政敏さん(62才 男性)
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患者さんプロフィール:
1953年7月生まれ。熊本県在住。62歳。家業の鉄工所を手伝っている30代前半に糸球体腎炎と診断された。自宅待機で3年間の保存期を経て、1988年5月血液透析導入。熊本県腎臓病患者連絡協議会事務局長として活動していたときに、全腎協として初めての選挙で会長に選出され、2014年4月以来、熊本で透析を受けながら全国を飛び回り活動している。

<記事の一部をご紹介!>


■熊本で透析しながら全国を飛び回る
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※インタビュアーはNPO法人腎臓サポート協会理事長の松村満美子

松村 2014年4月に全腎協の会長に就任され、現在はどのように活動していらっしゃるのですか?
今井 月水金と地元の熊本で透析をしていますので、例えば、朝6時の便で上京して、次の日の朝に帰って透析という毎日の繰り返しです。
松村 熊本と東京の往復をなさっているんですか?
今井 東京はそんなに苦ではないんですが、全国の各県腎協関連を回らなくてはならないので、結構きついです。まだ熊腎協(熊本県腎臓病患者連絡協議会)の事務局長もしているので、そちらの仕事もしていますから。

松村 よく体が持ちますね?
今井 6時間透析をしているので、体調は良かったのですが、最近は忙しすぎて透析が足りないような気がします。
松村 ご家族は、何もおっしゃりませんか?
今井 家族といっても、独身なので、親父と姉だけなんですよ。
松村 結婚なさらなかったの?
今井 透析を導入するとき、ちょうど縁談があったんですけどね、余命5年といわれたものだから、それじゃ結婚できないって、お断りしたんです。

松村 それでずっとお一人?
今井 透析10年目くらいから、結婚すればよかったかなと思うようになりましたよ。そうしたら子供も二人ぐらいいたかもしれないし。
松村 そうですよ、でも逆にいうと、お一人だから、
今井 こういう仕事ができるんですよ。家族がいたら無理。家族で反対運動が起こる。
松村 前の会長さんも、家族となかなか会えないとおっしゃっていましたね。

<中略>

■みんなで訴えなきゃ透析制度は崩壊する
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松村 これから先の全腎協はどうですか?
今井 一致団結できる目標がないというのが、問題かもしれません。今までは行政に対して具体的に、「これをしてください、あれをしてください」と、要求することがあったんですけど、ほとんど実現してしまったのでね。

松村 透析費用も公費負担になったし、身体障害者1級も認められたし、助成制度もいろいろできましたからね。それで緊張感が無くなってしまったのでしょうか?
今井 それもあるかもしれません。でも今も難しい問題は山積みなんですよ。一番の問題は全腎協が超高齢者団体になったということです。
松村 そうですね。
今井 通院の問題、介護の問題、終末期医療の問題。今、国は在宅医療を推進していますが、核家族や一人世帯が増えた現在、在宅医療といわれても、老老介護などで無理があるんですよ。それに、透析をしていると、介護施設にも入りにくくなりますしね。

松村 老人ホームなどで在宅透析をするのは、認められていないんですよね。
今井 要求はしているんですが、法的に難しいといわれています。これからの課題ですね。
松村 それができるようにならないと、お年寄りだけでなく、家族も困りますよね。
今井 透析患者の増加はあと5年くらいでピークなんですよ。10年後に団塊の世代が少なくなると、透析患者数も減少に転じます。だけど人口も減りますから、高齢の透析 患者の割合は変わらないわけですね。

松村 減っているのは若い働き手だけということですね。
今井 今後は、若い世代が高額な透析費用をかぶってくれるかどうかが問題ですね。
松村 公費負担が無くなって、自己負担になるいうことですか?
今井 患者会としてはいいたくないことですけど、収入に応じて透析費用を負担せざるを得ない時代が、すぐ目の前に来ているんです。何年か前にも、夜間透析や祝祭日の費用がカットされそうになりましたからね。協力して取り組んでいかなければ、今の透析制度は崩壊してしまいます。

松村 でも全腎協の会員は減っているのではないんですか?
今井 残念ながら、その通りです。
松村 患者会って何のメリットがあるのと思う人も多いようですね。
今井 組合活動みたいだと偏見を持つ人もいます。現在のように医療技術も進歩し、楽に透析が受けられ、費用の心配もないという、条件が整ったなかで透析に入ってきた人は、それが当たり前だと思っていますからね。でも国の援助を得るために必死に運動した先輩患者や、率先して患者をリードしてくれた方たちがいたから、今の制度があるんです。

松村 40年前は、金の切れ目が命の切れ目といわれて、大変な高額治療でしたからね。
今井 導入年齢も50歳以下で、女性、子供、老人はダメでしたからね。今のようになれたのは、バブルの時期があったから要求が認められやすかったということがありますが、これからは大変です。
松村 責任重大ですね。

今井 先輩たちが頑張ってくれたから、今、私も元気で飛び回っていられるんです。そして自分がやっていることの恩恵を受けるのは10年後の患者たちです。今の透析制度を未来に残すために、一人でも多くの人の理解を得られるように、全国を回っているんです。


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