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学習院大学理学部物理学科の渡邉匡人教授の実験試料が12月7日にフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げ -- 2016年春頃から国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟に新設される静電浮遊炉を用いて宇宙実験を開始

学習院大学 2015年12月09日 08時05分
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)および学習院大学、大阪大学などの研究チームは、今年度から宇宙の無重力状態を利用する実験で、無重力空間に鉄鋼とスラグを浮遊させて溶かし、溶けた鉄・スラグ間の界面を直接観察する世界初のプロジェクトに挑んでいる。


 JAXAは、国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けられた「きぼう」日本実験棟において、微小重力環境を利用し、地上では調べることが困難な物質の凝固の仕組みや流体の振る舞いなど基礎的な現象の研究をすすめている(物質・物理科学分野)。

 JAXAの「きぼう」利用テーマ募集で平成24年度に選定された学習院大学の宇宙実験プロジェクトは、物理学が専門で宇宙実験に詳しい学習院大学の渡邉匡人教授が研究リーダーを務め、大阪大学の田中敏宏教授(界面制御工学)、東北大学塚田隆夫教授(化学工学)と共同で宇宙実験を進めている。今回、打ち上げる試料は2016年春頃に静電浮遊炉を用いた最初の実験となる。ISSではこれまで金属単体を扱う実験例はあったが、鉄鋼とスラグを試料に使うのは初めてという。

 今回の実験により、鉄鋼精錬プロセス制御に役立つ基礎データになるなど産業への還元が期待される。また、界面現象を知るだけでなく、これまで観測することのできなかった液滴の振る舞いを調べることが可能となり、浮遊技術の新たな展開にもつながると期待される。

(参考)
■平成24年度「きぼう」利用テーマ
「静電浮遊法を用いた鉄鋼精錬プロセスの基礎研究 ~高温融体の熱物性と界面現象~」
 学習院大学 渡邉匡人
<テーマ概要>
 社会経済の発展を支える基盤素材である鉄鋼材料の製造プロセスにおいて、その精錬過程で生じるスラグ(主に鉄以外の金属酸化物)と溶けた鉄鋼が接している部分(界面)で起こる現象が、特性劣化や精錬効率の低下の原因となっている。しかし、酸化物と金属融体の界面を直接観察することや界面で発生する張力等の物性値の測定は地上では実験が困難であり、現象の基礎的理解が進んでいない。本テーマは静電浮遊炉を用いて、界面で起こる現象の理解や物性値の測定を行う実験提案である。
※JAXAホームページ 「きぼう」での実験:
 リンク

■渡邉 匡人教授(結晶成長・結晶工学)の紹介
 企業の研究所で最先端の技術開発を手がけたキャリアをもつ。次世代の情報機器のための大口径シリコン単結晶の育成法として注目を集めるEMCZ法は渡邉教授の発明である。シリコン融液の流れを電磁気的な力で制御するという非凡な着想を実用的な技術にまで高めた成果は高く評価されている。
 現在は、結晶成長の原子レベルでのメカニズム解明を目指し、液体構造と物性の関係を明らかにするという基礎的な難問にじっくりと取り組んでいる。必要に応じて研究室を飛びだし、大型放射光施設SPring-8など外部の施設でも実験を行う。宇宙ステーションでの微小重力環境での実験も構想中という。

▼本件に関する問い合わせ先
 学校法人学習院 総合企画部広報課
 TEL: 03-5992-1008
 FAX: 03-5992-9238
 E-mail: koho-off@gakushuin.ac.jp

 学習院大学理学部物理学科教授 渡邉匡人
 TEL:  03-3986-0221(内線 6459)
 FAX:  03-5992-1029(理学部)
 E-mail:  Masahito.Watanabe@gakushuin.ac.jp

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