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みなさんは、家族や知人の携帯端末やパソコンにいたずらをしたことはありますか?ひと昔前は、ある時間になるとメッセージや音楽を表示して相手をビックリさせるようないたずらソフトがそこそこ流通していました。これを相手の誕生日に仕込むような善意のいたずらはかわいいものですよね。しかし、持ち主の行動をストーキングするような悪質なアプリを勝手にスマートフォンにインストールするといった行為は、コンピュータウイルスのような犯罪と紙一重です。
歴史的に見ても、コンピュータウイルスの始まりはイタズラだったと言える出来事があります。1971年、「I'm the creeper, catch me if you can!(僕はクリーパー!捕まえられるかな?)」というメッセージを業務用の大型コンピュータ(当時はパーソナル・コンピュータ=PCが普及していなかった)に表示するウイルスが発見されました。これはウイルスと位置づけられていますが、何かを攻撃するようなものではなく、単なるイタズラでした。
初めてのPC向けウイルスと言われているのは、1982年1月に高校生がApple製のパソコン向けに作った「エルク・クローナ」です。これもメッセージを表示して友達を驚かせるためだったそうですが、フロッピーディスクにこっそりと仕込まれたため、どんどんコピーが作られ、非常に広まることになりました。
次は兄弟の例です。1986年1月、パキスタンでコンピュータ店(ブレイン社)を経営していたプログラマのアルビ兄弟が、商品を不正コピーされていることに腹を立て、不正コピー防止を訴える「ブレイン」を作りました。不正コピーされるたびに増殖を繰り返し、10万台も感染しました。これはPC/AT互換機に感染する最初のコンピュータウイルスと言われています。
以上のように、初期のコンピュータウイルスは、増殖はするものの、単にメッセージを表示するだけのものが多く、実害は少ないものがほとんどでした。しかし近年のウイルスは、より巧妙に、より強力になっています。上記のウイルスは偶然にも1月に作成されていますので、世間を騒がせたウイルスのうち、1月にまつわるものをあと2つ紹介してみます。これを参考にウイルス対策をもう一度確認してみてくださいね。
1999年1月、「Happy99」というワーム(ウイルスの一種)が最初に発見されました。「あけましておめでとう」という電子メールに添付されているHappy99のファイルを開くと、花火と共に年賀メッセージが表示され、その隙にパソコンのシステムファイルが書き換えられてしまいます。そして書き換えられたシステムファイルにより、新しいメールが勝手に送信され、被害が拡大していきます。年賀状をメールで送る人が増え始めていた時代だったことと、送信者が知人を装っていることにより、添付ファイルを開いてしまう人が後を絶たず、このウイルスはとても拡散しました。もしかしたらみなさんの中にも、このメールを受け取った方がいるかもしれませんね。
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