新日鉄住金 「鉄道車両用の操舵台車の発明」にて全国発明表彰「発明賞」を受賞

新日鐵住金株式会社 2015年05月21日 14時44分
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新日鐵住金株式会社(代表取締役社長:進藤孝生 以下、「当社」)は、公益社団法人発明協会による平成27年度全国発明表彰において東京地下鉄株式会社と共同で開発した「鉄道車両用の操舵台車の発明」にて「発明賞」を受賞しました。全国発明表彰は、発明の奨励・育成を図り、我が国科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的として行われている伝統と権威のある賞です。なお、表彰式は本年6月17日に、ホテルオークラ東京にて行われます。受賞した発明の概要は以下のとおりです。

1.受賞名:「発明賞」

2.当社の受賞対象者
  当社 製鋼所 鉄道台車製造部 第一台車設計室 室長 中居 拓自
  当社 製鋼所 鉄道台車製造部 第二台車設計室 主査 亀甲 智

3.発明の背景
鉄道車両1両につき2台配置される鉄道台車には、2組の車輪・車軸が装着されていますが、この車軸は台車枠に固定されております。その結果、曲線通過時でも車軸が平行であり、車輪とレール間に大きな左右方向の力(横圧)や騒音が発生しています。
操舵台車は、曲線通過時にレールの曲線に沿うように、車軸の位置を調整する操舵装置を備えている台車です。この台車は、古くから研究・開発されてきましたが、構造が複雑になるため、これまで国内での実用化は一部の特急車両に限られており、新たな鉄道車両用の台車の開発が求められていました。

4.発明の内容
本発明では、すべての車輪・車軸に操舵装置をつけるのではなく、1両に台車2つ分、つまり4組ついている車輪・車軸のうち、内側の2組のみに操舵装置をつけることで、比較的単純な構造で、優れた曲線通過性能を発揮できます。
本発明の最大の特徴として、進行方向に対して前側の台車では、後軸を操舵することで台車全体の曲線通過性能を向上させています。また。後軸の操舵により、曲線中で横圧や騒音の原因となる反操舵方向のモーメントを低減しております。このように後軸を操舵することで、台車全体の曲線通過性能を向上させている点が、本発明の最大の効果です。一方の前軸にモータ、駆動装置を配置することにより、駆動力の確保と曲線通過性能の向上を両立させています。本発明技術を適用した操舵台車付の車両と従来台車付の車両を急曲線区間で試験走行させたところ、横圧は▲30%と大幅に低減され、騒音(きしり音)も大幅に低下いたしました。また、レール振動、消費電力、走行抵抗の低減などが可能となっております。

5.今後の展開
本発明は、急曲線が多数存在する地下鉄のような通勤路線において、優れた走行性能を発揮する鉄道車両用台車に関する独創的な技術です。
本発明技術は東京メトロ銀座線1000系の車両に適用され、2012年4月より営業走行を開始しております。本発明により、横圧、騒音や振動を低減でき、急曲線の多い地下鉄車両を更にスムーズに走行させることが可能となっております。


(お問い合わせ先)総務部広報センター TEL:03-6867-2146
以 上

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