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2014 Tetrahedron Prizeの受賞者を発表

エルゼビア・ジャパン株式会社 2014年10月30日 09時10分
From 共同通信PRワイヤー

2014年10月29日

エルゼビア・ジャパン

2014 Tetrahedron Prizeの受賞者を発表
有機化学分野への多大なる貢献に対し、
スタンフォード大学のProfessor Barry Trostと
東京工業大学の辻二郎名誉教授の共同受賞を決定

アムステルダム、2014年10月29日 - 科学・技術・医学分野の製品および情報サービス企業大手のエルゼビア(本社:オランダ)、ならびにTetrahedronジャーナル群の編集委員会は、有機・バイオ医薬品化学の分野において創造性に富んだ功績を残した研究者に与えられる2014 Tetrahedron Prizeの受賞者に、スタンフォード大学のBarry Trost(バリー・トロスト)教授と東京工業大学の辻二郎名誉教授を選出したと発表しました。両教授の有機化学への多大なる貢献が認められ、共同受賞となりました。

両教授は、有機化学の幅広い分野で遷移金属触媒反応を開発し、応用するという総合的な考え方に数多くの貢献を果たしました。例えば、1965年に発見されて以降、世界的に広く知られている「辻・トロスト反応」は、アリル基への多様な炭素・ヘテロ原子求核剤付加によるジアステレオ選択的およびエナンチオ選択的移動に関する有機合成化学の分野で広く利用されています。この変換の重要性は、複合分子の合成への多数の応用ケースを見れば明らかです。さらに、辻教授は現在では合成のために日常的に利用されている数多くのパラジウム触媒の発見と開発を主導した先駆者である一方、トロスト教授はロジウムやモリブデンなど、遷移金属で触媒される環形成反応をはじめとする様々な反応の開発と応用で優れた技量を発揮し、成功させています。

Tetrahedron誌の編集委員会の会長を務めるStephen Martin(スティーヴン・マーティン)教授は、「トロスト教授と辻教授が発見し、開発してきた遷移金属触媒変換の意義の大きさは、全世界の数多くの学術研究施設や産業研究施設において幅広く採用され、重要な産業工程にも取り入れられている事実を見れば明らかです。2014 Tetrahedron Prizeは、現代において極めて創造的な活動をし、有機合成化学の分野で多大な影響力を持つこれら2人の化学者の功績を称え、授与されるものです」と語っています。

トロスト教授は次のように述べています「このたび、2014 Tetrahedron Prizeを共に受賞できて光栄です。名誉あるこの受賞により、有機化学分野の先人たちの仲間入りを果たすことができるのかと思うと、夢のようです。私が科学研究で追い求めてきたことの一つは、自分にしかできない科学的功績を残すことでした。今回の受賞が決まったのは、私が自分の独自の仕事を成し遂げることができたからだと考えています。パラジウム触媒アリル位アルキル化反応を強力な道具にするために、数々の障害を乗り越えながらも惜しみなく協力していただいた私の協力者たち、そして学部生、大学院生、博士課程修了者の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。それだけではありません。すでに他界している私の妻をはじめ、私を支えてくれた家族にも深く感謝しています。彼らの協力と尽力なしに、私がこれまで努力を続けることはできなかったでしょう」。

辻教授は次のように述べています「このたび、この名誉ある2014 Tetrahedron Prizeの受賞が決まり大変光栄です。私は1960年代初頭に、有機合成に応用される有機パラジウム化学の研究を独自に開始しました。そしてやがて、この研究は私のライフワークとなりました。数々のパラジウム触媒反応を発見し、開発してきました。そうした反応のいくつかは学術分野や産業分野で役立てられており、大変嬉しく思っています。この機会を借りて、私の有機パラジウム化学の研究にご協力いただいた東レ株式会社の基礎研究所、東京工業大学、ならびに岡山理科大学の皆様に感謝の意を表したいと思います。彼らの協力がなければ、今回の受賞には至らなかったと考えています」。

Tetrahedron誌のエグゼクティブ・パブリッシャーであるDiddel Francissen(ディデル・フランシセン)は次のように述べています「このたび、バリー・トロスト教授と辻二郎名誉教授が2014 Tetrahedron Prizeの共同受賞者に選ばれことを大変嬉しく思っています。また、受賞候補者のノミネートに携わった皆様、ならびに厳格なる審査の末に最も相応しい選定をしていただいたTetrahedron誌の編集委員の皆様に感謝します」。

2014 Tetrahedron Prizeは、賞金1万ドルと共に、米国ボストンで開催されるアメリカ化学会の2015年秋期全国大会(2015年8月16日~20日)にて授与される予定です。

インタビュー動画
今回の受賞の決定についての感想と共に、両教授が有機化学の分野にもたらした画期的な功績について、個人的かつ科学的な視点からコメントを寄せていただきました。
トロスト教授の動画 リンク
辻二郎教授の動画 リンク

Tetrahedron Prize詳細は以下をご覧ください。
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【Barry Trost(バリー・トロスト)教授の略歴】
Barry M. Trost氏(1941年6月13日、フィラデルフィア生まれ)は、米国の化学者で、スタンフォード大学の人文・理学部にてTamaki Professorを務めています。同氏はペンシルバニア大学に学び、1962年に学士号を取得しました。同氏の博士論文のテーマである「エノラート・アニオンの構造と反応性」に関する研究はマサチューセッツ工科大学で実施されました。1965年にウィスコンシン大学マディソン校の教授に就任、1987年からはスタンフォード大学の教授を務めています。辻・トロスト反応とトロスト配位子は、同氏の名前にちなんだものです。さらに同氏は、原子経済の概念を積極的に提唱しています。ホームページ(リンク

【辻二郎(つじ じろう)教授の略歴】
辻二郎氏(1927年5月11日、滋賀県生まれ)は、東京工業大学の名誉教授です。京都大学を卒業後、1960年にコロンビア大学で天然物合成の分野で博士号を取得しています。コロンビア大学で同氏を指導していたのがG. Stork(ストーク)教授でした。日本に帰国後、1962年に東レ株式会社の基礎研究所に加わり、やがて自身のライフワークとなる有機パラジウム化学の研究プロジェクトに着手しました。1974年に東京工業大学教授に就任、1988年に同大学を定年で退官した後、岡山理科大学にて教鞭を執り、1999年に退職しました。1991年には東京工業大学から名誉教授を、2011年には同じく東京工業大学から栄誉教授を授与されました。同氏は、有機合成への遷移金属触媒反応の応用をはじめとする有機合成化学を専門に研究しました。遷移金属の中でも、最も好んで使っていたのがパラジウムでした。

【Tetrahedron Prizeについて】
有機化学の分野において創造性に富んだ功績を残した研究者に授与されるTetrahedron Prizeは、1980年にTetrahedron関連誌の編集委員会と出版社により設置されました。同賞は、同社の設立者かつ共同で会長を務めたSir Robert Robinson(ロバート・ロビンソン卿)教授とRobert Burns Woodward(ロバート・バーンズ・ウッドワード)教授の追悼も記念しています。

Tetrahedron Prizeは、有機化学、生物有機化学、メディシナルケミストリーの分野で創造性に富む功績を残した研究者に毎年授与されます。受賞者には、金メダル、認定書、および賞金1万ドルが贈られます。広義では、有機化学者やメディシナルケミストに授与されます。受賞者が2人の場合、メダルは各人に授与されます。受賞者は、Symposium-in-Print(シンポジウム記念特集号)への収録を前提としてTetrahedronまたはBioorganic & Medicinal Chemistryへの寄稿を依頼される予定です。

詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
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【エルゼビアについて】
エルゼビア(リンク)は、科学・技術・医学関連情報の製品およびサービスを専門とする世界有数の企業です。業務内容は、各分野の専門家の能力を最大に引き出し、よりよい判断や最適なケアを提供し、人類の知的領域や進歩の限界を押し広げる世紀の大発見をサポートするなど、多岐に渡ります。エルゼビアはウェブを中心とした電子製品 ― ScienceDirect(リンク)、Scopus(リンク)、Elsevier Research Intelligence(リンク)、ClinicalKey(リンク)など― に加え、The Lancet (リンク)や Cell (リンク)を含むジャーナル約2,200タイトルや25,000点を超える書籍ならびに有数の百科事典を刊行しています。

エルゼビアは、世界でもトップクラスの出版社かつ情報プロバイダーのリード・エルゼビア・グループ(Reed Elsevier Group PLC(リンク)の傘下企業で、Reed Elsevier PLC とReed Elsevier NVによって共同保有されています。リード・エルゼビア・グループのティッカーシンボル(証券コード)は、REN(Euronext Amsterdam)、REL(ロンドン証券取引所)、RUK およびENL(ニューヨーク証券取引所)です。



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