糖尿病早期発見のための地域医療連携プロジェクト糖尿病診断アクセス革命約4人に1人が糖尿病または予備軍

糖尿病診断アクセス革命事務局 2014年10月27日 15時00分
From 共同通信PRワイヤー

2014年10月27日

糖尿病診断アクセス革命事務局

糖尿病早期発見のための地域医療連携プロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」
4年間4,113名を検査し、約4人に1人が糖尿病または予備群
4月に誕生した“検体測定室”も次々と全国で開設へ

要旨

1.2010年10月~2014年9月の4年間に「糖尿病診断アクセス革命」プロジェクト参加薬局(東京都足立区10薬局、徳島県10薬局)で指先HbA1c検査を受けた人は4,113名(糖尿病治療中の人は対象外)に達しました。

2.4,113名のうち、糖尿病が強く疑われた人(HbA1c[NGSP]:6.5%以上)は約11%、糖尿病予備群と疑われた人(HbA1c[NGSP]:6.0~6.4%)は約15%。併せて約4人に1人が医療機関への受診勧奨となりました。

3.薬局と医療機関との地域医療連携による糖尿病早期発見・受診勧奨システムの有用性が示されたことにより、2014年4月から国のあらたなしくみとして「検体測定室」が誕生し、9月30日現在、全国に618箇所(うち薬局が604箇所)、開設されました。

4.茨城県と茨城県薬剤師会による平成26年度「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進モデル事業」において66箇所の検体測定室が県内各地の薬局に10月27日より順次開設され、指先HbA1c測定を受けられるようになります。

5.鳥取県と鳥取県薬剤師会による平成26年度「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進モデル事業」において15箇所の検体測定室が県内各地の薬局に10月29日より開設され、指先HbA1c測定を受けられるようになります。



≪糖尿病診断アクセス革命:成果の概要≫

2014年9月現在の主要な研究成果は以下の通りです。

■2010年10月~2014年9月の4年間に「糖尿病診断アクセス革命」プロジェクト参加薬局(東京都足立区10薬局、徳島県10薬局)で指先HbA1c検査を受けた人は総計4,113名(東京都足立区2,722名、徳島県1,391名;糖尿病治療中の人は対象外)に達しました。

■4,113名のうち、糖尿病が強く疑われた人(HbA1c[NGSP]:6.5%以上)は約11%(443人)、糖尿病予備群と疑われた人(HbA1c[NGSP]:6.0~6.4%)は約15%(604人)で、併せて約4人に1人に対し、糖尿病またはその予備群の疑いで医療機関へ受診勧奨を行いました。


≪背景・目的≫

潜在患者も含めたわが国の糖尿病人口は約1,000万人に達しており、その対策は急務となっています。初期には自覚症状に乏しい糖尿病の早期発見のためには血液検査が特に重要です。糖尿病やメタボリックシンドロームの激増を受けて2008年から特定健診制度が始まり、全保険者に40歳以上の被保険者の健診実施が義務化されました。しかしながら健診受診率は40数パーセントに留まっており、しかも40代など比較的若年層の健診受診率はさらにその半分以下です。

このような中、比較的最近、技術革新により登場してきた微量血液検査装置を活用し、糖尿病の早期発見につながる簡易糖尿病スクリーニングを、薬局-医療機関間の地域医療連携として行っているのが「糖尿病診断アクセス革命」という社会実験プロジェクトです。本プロジェクトでは、指先の自己穿刺により得られる、ごく微量(1μl)の血液からHbA1cを測定し、糖尿病予備群相当以上であれば連携医療機関に紹介しています。HbA1cとは、赤血球中のHb(ヘモグロビン)に糖分がどのくらい付着しているかを見たもので、過去1-2ヶ月の平均血糖値を反映する検査項目です。

本取り組みでは、街の薬局店頭に、最新の医療機器である「指先HbA1c測定装置」を設置し、糖尿病や予備群の早期発見のためのスクリーニング検査の機会を提供すること、さらに、異常値が出た場合には連携医療機関へ受診勧奨を行うことにより、未治療・未発見の糖尿病や糖尿病予備群の方々をすくい上げ、最終的には日本の糖尿病を減らすことを目指しています。

2014年3月まで、薬局等での自己採血検査は法的位置づけが不明確で、いわゆるグレーゾーンとして扱われてきたため、糖尿病の早期発見へ向けた簡易検査の機会の提供は一部の研究用途などに留まってきました。しかし本プロジェクトの研究成果などを受けて、厚生労働省より臨床検査技師法に基づく告示の改正が公布され、2014年4月以降、自ら採取した検体について診療の用に供さない生化学的検査を行う施設として、「検体測定室」が国の新たなしくみとして新設され、全国各地で薬局を中心に開設が進んでいます。



≪今後の展望≫

 本プロジェクトの成果により、薬局と医療機関との地域医療連携による糖尿病早期発見・受診勧奨システムの有用性が示されました。また、このような成果を受け、内閣府の規制改革会議ならびに産業競争力会議と厚生労働省との間で規制緩和について検討がなされた結果、2014年4月より、国の新たなしくみとして「検体測定室」が誕生しました。

 検体測定室においては、診療の用に供さない、自己採取検体についての検体測定を行うことが出来、薬局を中心に現在、全国に600箇所以上、開設され、今後も増えていく見通しです。

 また、今年度、国と県庁・県薬剤師会との共同事業として「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進モデル事業」が現在、進められており、茨城県においては66箇所、鳥取県においては15箇所の検体測定室がこのモデル事業により新たに開設され、10月末以降、指先HbA1c測定を行えるようになる予定です。


≪用語解説≫

1) 糖尿病診断アクセス革命とは
糖尿病診断アクセス革命 ( リンク )は、「指先微量採血によるHbA1c測定」を用いて血液検査へのハードルを下げ、広く検査の機会を提供することで、未発見・未治療の糖尿病の患者さんや糖尿病予備群の方々をすくい上げ、最終的にはわが国の糖尿病を減らすことをめざす地域医療連携プロジェクトです。糖尿病診断アクセス革命事務局を中心に、東京都足立区においては、NPO法人ADMS・足立区薬剤師会・足立区医師会、徳島県においては徳島文理大学との共同研究として行われています。

2) HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは
HbA1cとは、赤血球中のHb(ヘモグロビン)に糖分がどのくらい付着しているかを見る検査で、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する検査項目です。HbA1c値6.5%以上では糖尿病が疑われ、6.0~6.4%では糖尿病予備群と疑われます。

3) 検体測定室とは
2014年3月31日、厚生労働省より臨床検査技師法に基づく告示の改正が公布され、自ら採取した検体について診療の用に供さない生化学的検査を行う施設が新たに認められることになりました。常勤の薬剤師・看護師・臨床検査技師・医師が運営責任者となるなどの要件を満たす施設が厚生労働省に届け出ることで認可され、薬局を中心に現在、開設が進められています。


【本件に関するお問い合わせ先】

矢作 直也(やはぎ なおや)
糖尿病診断アクセス革命事務局
筑波大学 医学医療系 准教授 (ニュートリゲノミクスリサーチグループ代表)
〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1
TEL: 029-853-3053

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]