新日鉄住金 溶接部疲労強度向上技術のUIT工法が2014年度国土交通省新技術活用システム(NETIS)の推奨技術に選定

新日鐵住金株式会社 2014年07月15日 15時04分
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新日鐵住金株式会社(代表取締役社長 進藤孝生 以下、「当社」)の開発した鋼構造物の溶接部疲労寿命を向上させる「超音波ピーニング処理(UIT)工法」が、国土交通省新技術活用システム(以下、NETIS [New Technology Information System])の2014年度「推奨技術(※1)」に登録されましたのでお知らせいたします。

超音波ピーニング処理(以下、UIT [Ultrasonic Impact Treatment])工法は、溶接止端部に処理する工法で、溶接構造物の疲労強度を向上させる技術です。硬質のピンを対象個所に連続的かつ高速に打撃することで、疲労亀裂の発生を抑制し、結果として、溶接構造物の疲労寿命を10倍以上延ばすことが可能です(※2)。また、一般的な疲労対策であるグラインダー処理に比べて処理速度が約4倍向上します。さらに、回転体を用いないので、作業の安全性も格段に上がり、誰でも簡単に施工できるメリットがあります。

NETISは、民間等により開発された新技術を共有・広く提供するとともに、有用な技術を積極的に活用・評価することで、公共工事のコスト削減や品質向上を図るために、2001年に構築されたシステムです。現在約4,800件の技術が登録されており、その中で公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定される画期的な新技術として、2001年より現在までで累計21件のみが「推奨技術」に選定されています。この度、当社のUIT工法が、2014年度のNETIS推奨技術として選定されました(登録番号:KTK-070004-V)。これによって、工事の入札や契約時の総合評価落札方式、さらには、工事成績評定においても加点対象となり、施工会社がUIT工法を活用する際のメリットとなります。

当社は、UIT工法に関し、効果や活用法についての研究開発を長年行ってきており、これまで2008年に日本鋼構造協会から論文賞、2013年に土木学会田中賞(論文賞)を受賞し、高い技術評価を得ています。既に当社の製鉄設備に定常的に活用することで、設備寿命向上と維持補修管理費削減に寄与しています。社外への適用では、鋼橋への適用事例が最も多く2013年度末で国内の100橋を超える橋梁に適用され、羽田D滑走路では総延長40km以上も適用されました。その他、造船や建材・建築分野等での適用も増加してきています。今後も、この技術普及促進に邁進し、鋼構造物インフラの寿命延長や軽量化に寄与することで、初期コストや維持管理費削減に貢献していきます。なお、UIT機器は当社関係会社である日鉄住金テクノロジー(株)が提供しています。


※1 推奨技術:
国土交通省では、民間企業などの有用な新技術の活用促進のため「公共工事等における新技術活用システム」を運用しています。その中で、公共工事等に関する技術水準を一層高めるため、画期的な技術について、有識者会議にて、「推奨技術」として選定しています。
(新技術 全体 約4,800件>評価済 内 約1,200件>有用な技術 内 406件>推奨技術 内 21件)

※2 約10倍以上の寿命増:
十字継手の場合、溶接のままの約10倍以上の寿命が得られることがあります。(ただし、寿命の増加代は応力範囲の条件によっては変化します。)


◆プレスリリースに関するお問い合わせ先:
 新日鉄住金(株) 総務部広報センター TEL:03-6867-2977
◆UIT機器に関するお問い合わせ先:
 日鉄住金テクノロジー(株) 計測・検査事業部特殊装置部UIT・特殊装置室 林 TEL:044-814-3464

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