災害発生!透析患者・腎臓病患者が自分を守る4つの準備

NPO法人 腎臓サポート協会 2014年04月24日 18時05分
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 今年で東日本大震災から3年目を迎えました。当時は、透析を受けている方はもちろん、腎不全保存期の方も大変なご苦労をされたことと思います。
自分が大災害に見舞われたならどうしたらよいのでしょうか?
 1995年の阪神淡路大震災を体験された坂井瑠実クリニック理事長の坂井瑠実先生に、日頃の備えについて伺いました。

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■自分を守るのは自分■
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 大規模な自然災害が予測されるなか、行政をはじめ災害時の対応やネットワークづくりはそれなりに進んできています。しかし本当に大規模災害が起こったときには、このようなシステムに頼るだけでよいのでしょうか?
 災害は突然やってきます。腎臓病患者だからといって優先的に治療やサービスを受けられるとは限りません。透析をしている方なら、いつどこで次の透析を受けられる可能性があるか、何カ所か見当をつけておいたり、水分の増加、食事の内容なども自分で決めなければなりませんが、日頃からシミュレーションをしておくと良いでしょう。
 保存期の方も、食事療法や血圧管理など、普段の治療をいかに継続できるかによって、透析導入が早まってしまうかもしれません。つまり災害時の対応は、医療機関が何とかしてくれるとか、病院までたどり着けば何とかなるという甘いものではありません。慌てると正常な判断ができなくなり、命にかかわることもあります。ですから「災害は起きるもの」と思い、そのときにどう行動するかを日頃から考えておくことが何よりも大切で、自分を守る唯一の方法といえるのです。


◆【対策1】非常持ち出し品を準備しておきましょう
 一般的な非常持ち出しのものはもちろんですが、自分の病状に必要なものを最優先に準備しておきましょう。以下のものは必ず、非常持ち出し袋に入れておいてください。

<コピーをして必ず入れてください>
●診察券(住所・電話番号などが記載されているもの)
●お薬手帳
●透析を受けている方は透析情報カード
●健康保険証
●身体障がい者手帳
●特定疾病療養証
●普段、飲んでる薬:インスリンなどの注射薬、免疫抑制剤など
※何日分かの現物と、薬の名前や容量(何mg)をメモして入れておきましょう

◆【対策2】主治医や医療スタッフに災害時の対処法を確認しておきましょう
 災害に備えている医療機関も増えていますが、災害規模によっては医療機関が機能停止に追い込まれることもあります。そのようなときどうしたら良いのか、普段から主治医や医療スタッフと話しあっておきましょう。

◆【対策3】どうやって情報を得るか、伝えるか
 家族全員で災害時の心得(避難場所の確認、伝言ダイアルの暗証番号など)について話しあっておきましょう。かかりつけの医療機関がNTTの災害用伝言ダイアルを使っていれば、メッセージを聞いたり、自分のメッセージを残すことができるので、暗証番号を控えておきましょう。毎月1日、15日、正月、防災の日には、災害用伝言ダイアルの体験利用を実施しているので、一度は実際に使ってみるといいでしょう。

◆【対策4】食事について
 避難所ではバナナ、おにぎり、カップラーメンなど、塩分やカリウムの多いものが配給されます。良好な体調で過ごすためにも、食事や飲料については自分で気をつける必要があります。他人任せにせずに、普段から自分の食事について知っておくことが大切です。3日分ぐらいの保存食を備えておくのもいいでしょう(時々、消費期限を確認すること)。

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■ワンポイント!■
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●保存期
 避難所の生活では、食事や健康管理面で各自注意しなければなりません。特に塩分やカリウムに気をつけましょう。

●腎移植
 免疫抑制剤などの薬は決して忘れないようにしましょう。

●血液透析(HD)
 透析中に地震が起きた場合は、針が抜けないよう血液回路をしっかり持ち、布団や毛布をかぶって落下物から身を守るしかありません。指示に従って落ち着いて行動することが大切です。火災、津波などの緊急時に備え、緊急離脱のキャップのはめ方なども習得しておくとよいでしょう。
 また被災地で透析を受けることは、大変なことだと思ってください。いつも通っている透析施設以外での透析を旅行先などで体験しておけば、不安が少なくてすみます。

●腹膜透析(PD)
 自宅や避難所に透析液を交換できる場所があれば、透析液の在庫がある限り治療を継続でき、災害に強い透析療法です。自分の身の安全を確保してから、透析液の在庫を確認し、かかりつけの医療機関に連絡しましょう。
 避難するときには透析バックと交換機だけでなく、交換キット、出口部ケア用品、カテーテルクランプ、ウェットテッシュや使い捨てカイロなども忘れないように。APD(夜間の自動透析)使用中に災害が起きた場合に備え、緊急時の中断方法を医療スタッフに確認しておくことも大切です。


 地震や津波などの自然災害は、起こるものと考えなくてはなりません。「自分の命は自分で守る」を肝に銘じ、自分で情報を見極め、慌てず冷静に行動することが大切です。
そのためにも日頃から対策を考え実際に実行してみることで、災害時の困難を乗り切りましょう。

※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.73』からの抜粋です。
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