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米菓用に適した多収の水稲モチ新品種「ゆきみのり」を育成 ―国産米を原料とした米菓の安定生産に向けて―

中央農業総合研究センター 2013年11月05日 17時00分
From 共同通信PRワイヤー

平成25年11月5日

農研機構

米菓用に適した多収の水稲モチ新品種「ゆきみのり」を育成
―国産米を原料とした米菓の安定生産に向けて―

■ ポイント

・米菓加工適性があり、収量性が高い水稲モチ新品種「ゆきみのり」を育成しました。
・国産米を原料とした米菓の安定生産に貢献できます。

■ 概要

1. 農研機構は、米菓加工適性があり、安定して収量性が高い水稲モチ新品種「ゆきみのり」を育成しました。
2. 収量性は一般的なモチ品種である「ヒメノモチ」よりも高く、標肥栽培で13%、多肥栽培で8%多収です。
3. モチの硬化性が「ヒメノモチ」よりも高く、また「ゆきみのり」を加工した米菓(かきもち)は歯ごたえ、歯ごなれが良く、食感の良さが認められたことから、米菓加工適性が高いといえます。
4. 新潟県内の米菓業界で原料用として利用できる可能性が高いと評価され、平成26年度からの作付けが計画されています。

予算:運営費交付金
品種登録:出願番号 第28214号 (平成25年8月30日品種登録出願公表)

■ 背景・経緯

近年、国産の加工用米に対する需要が伸びており、それに伴って加工用米に適する品種が求められています。米菓業界でも、国産米を原料とした米菓に適する加工用モチ品種への要望が高くなっています。この加工用モチ品種には、米菓への加工適性が優れていることのほか、多収性が求められます。
そこで、米菓業界の要望に応えるために、米菓加工適性があり、安定して収量性が高いモチ品種の育成を目指しました。

・平成12年:農研機構 中央農業総合研究センター北陸研究センターにおいて、中生で多収の「北陸糯175号」と早生で多収の「奥羽糯373号」を交配して、育成を開始。
・平成19年:「北陸糯216号」の名前で、関係する県で奨励品種決定調査を開始。
・平成22年:亀田製菓株式会社(新潟県新潟市)との共同研究で、米菓加工適性、収量性の調査を開始。
・平成24年:新潟県との共同研究で、加工用米の展示圃の中で特性調査を開始。
・平成25年:「ゆきみのり」として品種登録出願。

■ 内容・意義

1. 「ゆきみのり」は「ヒメノモチ」と比べて、出穂期が同じで成熟期がやや遅く、育成地(新潟県上越市)では早生品種になります(表1、写真1、写真2)。
2. 「ヒメノモチ」と比べて、稈長は同程度で、倒伏に対する強さも「ヒメノモチ」と同程度です(表1、写真1)。
3. 玄米千粒重は「ヒメノモチ」よりわずかに軽いですが、「ヒメノモチ」よりも高い収量性があり、標肥栽培で13%、多肥栽培では8%多収です(表1、写真3)。
4. いもち病 1) にはやや強く、耐冷性 2) 、穂発芽性 3) は、ともに中程度です(表2)。
5. モチの硬化性は「ヒメノモチ」よりも高いため、「ヒメノモチ」よりも早く硬くなります。
6. 亀田製菓株式会社との共同研究により、「ゆきみのり」の米菓(かきもち)は、「たつこもち」と比べて歯ごたえがあり、歯ごなれが良いことが明らかになりました。生地が硬くなりやすいために米菓の表面に細かいヒビが生じ、食感の良さが認められたことから、米菓加工適性が高いと評価できます(表3、写真4)。
7. ふ先色(せんしょく) 4) が赤色のため、一般のウルチ品種(ふ先色が白)と区別することができます。

■ 今後の予定・期待

「ゆきみのり」は新潟県内の米菓業界で原料用として利用できる可能性が高いと評価されたため、平成26年度から新潟県内での作付けが計画されています。国産米を原料とした米菓の安定生産に貢献できることが期待されます。

■ 用語の解説

1)いもち病:稲の重要な病気の一つで、糸状菌(かび)により感染、発病します。葉に出るものを葉いもち、穂に出るものを穂いもちといい、品種によって抵抗性に差異があります。抵抗性が弱いと、枯れて減収しやすくなります。
2)耐冷性:寒さに対する抵抗性で、品種によって差異があります。抵抗性が弱いと、冷害時に籾に実が入らず、減収しやすくなります。
3)穂発芽性:降雨等で穂に籾が着いた状態で、籾が発芽する性質です。発生すると、玄米の外観品質が悪くなります。品種によって差異があります。
4)ふ先色:籾の先端の色で、モチ品種には赤色等の色が付いているものが多いです。ほとんどのウルチ品種にはふ先色が付いていないため、ふ先色でモチ品種とウルチ品種を区別できます。
5)精玄米重:米選機でくず米を除いた玄米の重量です。



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