2013年中堅・中小企業における「会計管理」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2013年の国内中堅・中小市場における「会計管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した

<シェア上位製品は安定状態、「管理会計」と「消費増税」への取り組みが今後を左右する>
■シェア1位~4位は変わらず、「勘定奉行」「弥生会計」「PCA会計」「SMILEシリーズ」が堅持
■「管理会計の強化」が最重要ニーズだが、「消費増税」も今後のシェア変動要因となりうる
■初期費用と保守/サポート費用の双方でユーザ企業からの評価を高める取り組みが重要

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年9月19日

2013年中堅・中小企業における「会計管理」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2013年の国内中堅・中小市場における「会計管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。
本リリースは「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「会計管理」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<シェア上位製品は安定状態、「管理会計」と「消費増税」への取り組みが今後を左右する>
■シェア1位~4位は変わらず、「勘定奉行」「弥生会計」「PCA会計」「SMILEシリーズ」が堅持
■「管理会計の強化」が最重要ニーズだが、「消費増税」も今後のシェア変動要因となりうる
■初期費用と保守/サポート費用の双方でユーザ企業からの評価を高める取り組みが重要


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2013年7月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■シェア1位~4位は変わらず、「勘定奉行」「弥生会計」「PCA会計」「SMILEシリーズ」が堅持
以下のグラフは年商500億円未満かつ会計管理を導入済みの中堅・中小企業に対して、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)である。
※「会計管理」の定義および調査実施に選択肢として挙げた製品/サービスの一覧は本リリースの末頁を参照
2012年の調査では「勘定奉行(21/iシリーズ)」「弥生会計」「PCA会計」「SMILEシリーズ」の順となっており、2013年においてもシェア1位~4位の順位に変動は見られない。だが、シェア1位~4位の合計シェアは53.7%から47.7%に減少している。シェア上位は変化がないように見えるが、全体としては多種多様な製品/サービスで全体シェアを分け合う傾向になりつつある点に注意する必要がある。次頁以降では会計管理カテゴリにおける導入社数ベースでのシェアやユーザ企業による評価に関し、詳しく取り上げている。
本リリースは「2013年中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の会計管理カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストという位置付けとなっている。以下では、上記レポートを「本レポート」と略記する。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果を導入年(実際に利用を開始した年)別に集計し、そのうちの2010年以降の結果をプロットしたものである。シェア1位~4位の製品は年毎で見た場合にも着実にシェアを獲得していることがわかる。こうした傾向がシェア上位に変化が生じない大きな要因となっている。
2013年についてはまだ結論を下すことはできないが、2012年以前と比べるとシェア上位製品の割合がやや下がっており、今後は多種多様な製品/サービスにシェアが分散する可能性も予見される。


■「管理会計の強化」が最重要ニーズだが、「消費増税」も今後のシェア変動要因となりうる
以下のグラフは会計管理システムの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果である。
2012年に引き続いて「管理会計の強化による経費の節減」が最も多く挙げられており、支出(AP)関連の詳細な把握が重視事項となっていることがわかる。
また、2番目には「2014年~2015年に予定されている消費増税への対応」が多く挙げられている。会計管理システムでは設定などで消費税率の変更が可能なものもあるが、バージョンアップが必要となるパッケージも存在する。また独自開発の場合にも改変を要するものが存在する可能性がある。そのため、2回の消費税率変更に伴って従来と異なるシステム
形態へと変更するケースも考えられ、それによってシェアの変動が生じる可能性も考えられる。


■初期費用と保守/サポート費用の双方でユーザ企業からの評価を高める取り組みが重要
本レポートでは以下の8つの項目に関して、ユーザ企業に満足度/不満度を「大変満足」「まあまあ満足」「どちらでもない」「多少不満」「大変不満」「この項目は製品/サービスの評価に関係ない」の選択肢として尋ね、それらの結果を以下に示したポイント換算方法にて集計している。
「導入時の初期費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの導入費用に関する評価
「導入後の保守/サポート費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの維持費用に関する評価
「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみのバージョンアップ費用に関する評価
「機能が足りているか」
個別カスタマイズや他製品との組み合わせは除き、製品/サービス本体が持つ機能を対象とした場合の評価
「自社の要件に合致しているか」
個別カスタマイズやシステム構築/運用を含まない製品/サービス本体が持つ要件適合性を対象とした場合の評価
「他システムとの連携手段が整っているか」
データのインポート/エクスポートの手段が製品/サービス本体に備わっているかに関する評価
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
プログラミングの追加/変更に必要なツールやドキュメントが揃っており、追加/変更した部分がバージョンアップ時に競合を起こさないか?といった観点における評価
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
製品/サービス本体が備える設定項目を変えることで機能変更ができる、または製品/サービス自身が入出力画面やデータ項目を追加/変更できるツールを備えているかといった観点における評価

【評価ポイント算出方法】
評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、製品/サービスAの「大変不満」という回答件数 = H1、「多少不満」という回答件数 = H2、「どちらでもない」という回答件数 = H3、「まあまあ満足」という回答件数 = H4、「大変満足」という回答件数 = H1と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
Aの項目aに関する評価ポイント = ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ Aの項目aに関する回答件数合計(ただし各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)

左のグラフは「導入時の初期費用は妥当か」および「導入後の保守/サポート費用は妥当か」に関する社数ベースシェア上位の製品/サービスにおける評価ポイント算出結果である。「導入時の初期費用は妥当か」では「弥生会計」が最も高い評価を得ている。同製品は年商5億円未満の小規模企業におけるシェアが特に高く、小規模企業でも導入が可能な価格設定となっていること等が高い評価の大きな要因と考えられる。一方で、「導入後の保守/サポート費用は妥当か」においては「SMILEシリーズ」が最も高い評価を得ている。このように導入費用と保守/サポート費用の双方で最も高い評価を得ることは容易でない。だが、会計管理は製品/サービスの入れ替えが比較的少ない分野でもあるため、中長期的な視点で見た合計費用をユーザ企業に示すことも、今後を見据えたシェア獲得においては重要と考えられる。

調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧

本調査では本調査では会計管理システムを「財務会計や管理会計を担うアプリケーション」と定義している。導入社数シェア設問に掲載した選択肢は下記の通りである。これらの選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

COMPANY会計シリーズ ワークスアプリケーションズ
ProActive E2会計関連シリーズ SCSK(旧:住商情報システム)
ビズインテグラル会計 NTTデータビズインテグラル
SCAW財務管理システム NTTデータビジネスシステムズ
SuperStreamNX スーパーストリーム(旧エス・エス・ジェイ)
SuperStream CORE スーパーストリーム(旧エス・エス・ジェイ)
OBIC7会計情報システム オービック
GLOVIA SUMMIT 富士通
GLOVIA smart 会計 富士通
GLOVIA smartきらら会計 富士通
スーパーカクテルデュオ会計 内田洋行
SMILE α 財務管理 OSK(大塚商会)
SMILE ie 会計 OSK(大塚商会)
SMILE BS/is 会計 OSK(大塚商会)
SMILE es 会計 OSK(大塚商会)
勘定奉行 (21シリーズ) OBC
勘定奉行i (iシリーズ) OBC
弥生会計 弥生
PCA会計 ピー・シー・エー
大蔵大臣NX/NX Super/NX ERP 応研
会計王 ソリマチ
ZeeM会計 クレオマーケティング
GUI-PACK/経理(iSeries Siteを含む) 日本IBM
NC経くん, GrowOne Cube会計 ニッセイコム
記帳くん、経費くん、ミロクのかんたんシリーズ ミロク情報サービス
ACELINK NXシリーズ ミロク情報サービス
TKC FXシリーズ TKC
e21まいスター TKC
JDLIBEX財務 JDL
INPACT OPEN21、OPEN21de2 ICSパートナーズ
財務応援Ai セイコーエプソン
MONEYシリーズ ワークスプロダクツ
ProPlusシリーズ プロシップ
レーザーシリーズグレープシティ達人シリーズ NTTデータ
RUCAROLOCALConcur(SaaS形態) コンカー
freee(SaaS形態) CFO
A-SaaS(SaaS形態) アカウンティング・サース・ジャパン
ネットde会計(SaaS形態) パイプドビッツ
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
業務システム自体がオープンソースとなっている場合に相当独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)オープンソースのデータベースやアプリケーションサーバをベースに業務システム部分をゼロから構築した場合も含む

本リリースの元となっている「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
リンク

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: リンク

当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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