マーサー 『2013年世界生計費調査‐都市ランキング』を発表

・アフリカ、欧州、アジアの都市が海外駐在員にとって最も物価が高い都市トップ10にランクイン

・海外駐在員にとって最も物価が高い都市はルアンダ(アンゴラ)

・欧州とアジアでそれぞれ最も物価が高い都市はモスクワと東京

・コーヒー1杯の価格は、マナグア(ニカラグア)で1.54米ドルに対し、モスクワでは8.29米ドル

・コルカタ(インド)のハンバーガーセットが3.62米ドルに比べ、カラカス(ベネズエラ)では13.49米ドル

マーサーの世界生計費調査によると、海外駐在員にとって最も物価が高い都市のランキング上位は欧州都市が多くなっているが、1位はルアンダで、トップ10にはアジアも数都市がランクインしている。(表1参照)

マーサーの世界生計費調査は、世界で最も包括的な生計費調査の一つであり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されている。ニューヨークをベースとし、ニューヨークの指数を100として比較している。基軸通貨は米ドルとしている。

この調査は、5大陸214都市において、住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用を含む200以上の品目を調査している。

これらの品目の価格には国によって大きな差が見られることがある。例えば、コーヒー1杯がマナグア(ニカラグア)では1.54米ドルであるのに比べて、モスクワでは8.29米ドルであり、ハンバーガーセットはコルカタ(インド)で3.62米ドルであるのに対して、カラカス(ベネズエラ)では13.49米ドルである。また、映画のチケット1枚がヨハネスブルグでは5.61米ドルであるのに対してロンドンでは20.10米ドルであることなどが挙げられる。これらは事業主が生計費や、その他の海外駐在手当を設定する際に用いるマーサーの詳細なレポートに記載されている、何千もの比較の一例にすぎない。

一般的に、海外駐在員の住宅費は事業主にとって最大のコストであり、ランキング編成においても重要なパートを担っている。ロシアの首都モスクワは、通常海外駐在員が利用する賃貸住宅や輸入品が高いため、ルアンダに続いて二番目に物価の高い都市となっている。モスクワの寝室2部屋、家具なし高級アパートの1ヶ月の賃料は4,600米ドルで、カラチでの賃料の14倍である。海外駐在員が生活するうえで最も物価の高い上位5都市の中で、住居費も高い都市は、東京、チャドの首都ンジャメナ、そしてシンガポールである。

「近年、世界で起こっている経済や政治の混乱が、為替変動や生計費の高騰、住居費の不安定をもたらし、その影響でこれらの都市が物価の高い都市となりました。」とマーサーのシニアパートナー、グローバルモビリティプラクティスリーダーのバーブ・マーダーは説明する。「アンゴラはアフリカの主要産油国の一つであるにも関わらず、いまだ相対的に貧しいですが、輸入品が高価なために、海外駐在員にとっては物価の高い国となっています。さらに、海外駐在員の基準を満たす、安全な住居を見つけることは困難かつ、かなりの費用がかかります。」

海外駐在員にとって最も物価が高い都市リストのトップ10に入ったその他の都市は、香港、ジュネーブ、ベルンとチューリッヒである。

「近年、マーサーが行った海外駐在員関連の調査では、さまざまなタイプの海外勤務が増加しているという結果がでています。増え続ける出張者、グローバルコミューターや長期駐在員を考慮し、企業は世界中の各都市の海外勤務者の生計費を注意深く見守っています。企業は、従業員を海外勤務へ送り出す際には、為替変動やインフレ、政情不安の影響を見極めるとともに、公平かつ競争力のある処遇を提供することで、組織の業績を上げるために必要な人員移動を円滑に進める必要があります。」と、マーダーは述べる。

為替変動とインフレは、都市のランキングだけではなく、海外駐在員プログラムのコストにも影響している。

「欧州通貨の価値が米ドルに対してわずかに上がったため、全体的にヨーロッパの都市の生計費ランキングが上昇している一方で、アジアの都市の半分、特に日本は、現地通貨の価値が米ドルに対して下がったことにより、順位が下がっています。」とマーサーのプリンシパルで、例年発表されるランキングの責任者であるナタリー・コンスタンティン=メトラルは述べている。

ヨーロッパのほとんどの都市では物価上昇が緩やかであるにも関わらず、最も物価が高い都市10位以内に4都市もランクインしている。スイスでの住居費は低下、もしくは安定し、スイスフランも堅調であるが、海外駐在員にとっては依然として非常に物価が高い国の一つである。

アフリカのいくつかの都市は高い生計費を反映し、ランキング上位に入っている。

南北アメリカでは、南アメリカの都市が海外駐在員にとって最も物価が高い都市となっている。ブラジルの都市のように、米ドルに対し現地通貨の価値が下がったため、ランクを落とした都市もあれば、生計費や、住居費の高いインフレによりランキングが急上昇した都市もある。米国で最も物価が高い都市となったのは、このランキングのベースとなっているニューヨークである。

「全体的に米国都市はランキングの中では安定、あるいは世界の主要通貨に対する米ドルの変動により、若干低下しています。」とコンスタンティン=メトラルは説明する。「ただし、ニューヨークなどいくつかの都市は住宅市場の値上がりを受けて、ランキングが上昇しています。」

カナダのほとんどの都市は、カナダドルが米ドルに対して若干低下したことと、生計費の上昇がニューヨークほど高くなかったことで今年度のランキングでは順位が下がっている。

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マーサーでは、調査対象となったそれぞれの都市について、個別の生計費および住宅費のレポートを提供しています。都市ランキングの全リストの詳細や個別都市のレポートのご購入に関しては、マーサーのホームページ(www.mercer.com/col)をご覧いただくか、インフォメーション・プロダクト・ソリューションズまでご連絡ください。(TEL:03-5354-1483、Email:mobility.japan@mercer.com)
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付記:2013年世界生計費調査について
掲載されている生計費および住居費の数値は、すべて2013年3月にマーサーが実施した世界生計費調査に基づくものです。 為替は2013年2月の平均レートを使用しており、品目はマーサーの国際人用バスケットをベースにしています。

このデータは政府機関や主要な企業が従業員を海外に派遣する際に、彼らの購買力を補償するために利用されています。また、住居費に関するデータは、海外駐在員の現地における住宅手当を決定する際に利用されています。調査対象都市は、企業や政府機関からの要望により選択されたものです。

調査対象都市の個別レポートはマーサーにてお求めいただけます。派遣元の都市および派遣先の都市を選択いただいた上で、派遣元の生計費を100とする現地生計費の指数をご提供いたします。通常駐在員の給与を算出する際には、「海外赴任することで発生するエキストラなコストは別途支給する」という考えから、住宅費は別途手当で支給すべきと判断し、生計費の指数の算出対象品目の中には、住宅費は含まれません。住宅費は別途住宅費の情報をご提供しております。ただし、今回発表のランキングは、外国人駐在員が一般的に利用する住宅の家賃を含めたランキングとなっていますので、ご注意ください。また、このデータはマーサーでは「国際人用」と呼び、国籍を問わない一般的な海外駐在員モデルの購買パターンを予想し、それに沿った生計費を調査した上で、指数を算出しているものです。このデータをベースに、日本人独特の品目(米、味噌、日本語の新聞など)を追加し、特に日本人用にカスタマイズした「日本人用」世界生計費レポートもあります。

なお、都市ランキング上位10位の表の複製利用について許諾申請は不要ですが、出来るだけ事前にご連絡をお願いいたします。
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表1: 2013年マーサー世界生計費調査:都市ランキング (上位10都市、駐在員向け、2013年3月現在)

1 ルアンダ(アンゴラ)
2 モスクワ(ロシア)
3 東京(日本)
4 ンジャメナ(チャド)
5 シンガポール(シンガポール)
6 香港(香港)
7 ジュネーブ(スイス)
8 チューリッヒ(スイス)
9 ベルン(スイス)
9 シドニー(オーストラリア)
出典:2013年マーサー世界生計費調査
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【本件に関するお問い合わせ先】
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広報担当:小原 香恋
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