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インドネシア製紙最大手APP、自然林伐採停止 持続可能な生産システム構築

エイピーピー・ジャパン株式会社 2013年06月20日 10時00分
From Digital PR Platform


SankeiBiz 6月11日(火)8時15分配信

 インドネシアの製紙最大手、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)グループは今年2月、インドネシアのサプライチェーン(供給網)における自然林伐採の即時停止を宣言した。紙・パルプの生産能力が年間1800万トンを超え、世界最大級の製紙メーカーに成長したAPP。森林資源に依存する製紙メーカーとして下したこの決断は、持続可能な産業システムを世界に示す新たな挑戦であり、企業責任を伴う国際公約といえそうだ。

 APPは、インドネシア最大の財閥、シナール・マス・グループ傘下にあり、生産能力は米ナショナル・ペーパーに次ぐ世界第2位。中国にも生産拠点を抱え、オフィス用品のほか、印刷用紙、家庭紙などを手がける総合製紙メーカーで、アジアを中心に約120カ国で製品の販売事業を展開している。

 しかし、1972年の設立から約40年で世界トップクラスの製紙メーカーに成長した陰では、世界自然保護基金(WWF)など環境保護団体から自然林の伐採について批判されてきた。

 実際、木材原料の調達先など外部業者が自然林を伐採し、また近隣の貧困層が現金収入を目当てにこれに加担。こうしたインドネシア社会が抱える複雑な事情も絡み、論争は長期におよんだ。

 もっとも、APPはインドネシアで250万ヘクタールにおよぶ管理地を抱え、このうち150万ヘクタールで植林をしている。これは製紙メーカーでは世界最大規模の植林地で、現在、1日当たり100万本のペースで苗木を植えている。「6本の木を植え、1本を原料として切る」(APPのテグー・ガンダ・ウィジャヤ最高経営責任者)という計算だ。

 つまり、原料供給業者の監視体制を強化するなど管理システムを再構築すれば、自然林の伐採を封じ込め、原料調達から生産までを自己完結する資源循環型の生産サイクルを確立できることになる。

 にもかかわらず、対応の遅れから環境団体からの批判が続き、大口顧客との契約が打ち切りとなるなど、環境問題はAPPの経営をも揺るがす事態に発展した。

 こうした経緯を踏まえてAPPは昨年5月、国際基準である「保護価値の高い森林(HCVF)」の採用を決定。インドネシアの国内法が定める枠を超え、絶滅危惧種などが集中する地域にまで保護対象を拡大させることで、環境保護団体からの批判をかわし、同時に環境戦略を強化するという判断をした。

 自然林の伐採停止は2014年末までの“猶予期間”を置くとしたのが当初計画だが、APPは今年2月、原料供給業者も含め、インドネシアにおける自然林の伐採の即時中止を決めた。

 計画の約2年前倒しに踏み切った理由について、同社の持続可能性担当役員、アイダ・グリーンベリー氏は「持続可能な産業システムの構築は世界企業の責務。それにはまず行動を起こすことが大切で、私たちは新しいベンチマークを世界に示すためにも、新たな第一歩を踏み出したい」と説明した。

 APPが掲げる目標には、環境保護に加え、地域経済の底上げといった地元社会との連携強化がある。

 例えば、シンガポールの総面積を超える広大な植林地を抱えるスマトラ島リアウ州のペラワン工場では、近隣住民の起業希望者に無金利で事業資金を貸し与えている。また、農家には肉牛を無償提供して牛糞(ぎゅうふん)は植林用の肥料としてAPPが利用。児童教育の支援施設「ルマ・ピンタル」(知識の家)は、日本企業など外国の経営方式を学ぶライブラリーを備え、子供たちなどが地域の伝統工芸である織物技術を学ぶ場も提供している。

 もちろん、こうした取り組みがすべての要望を満たすわけではない。しかし、グリーンベリー氏は「近隣住民と共存しながら地域経済の底上げを図れば、自然林の伐採の根絶にもつながる」と話している。(ジャカルタ、スマトラ島ペラワン 長谷川周人)

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