◎アルツハイマー病診断を助ける血液検査法発見へ前進
AsiaNet 53245
共同JBN 0650 (2013.6.4)
【サラゴサ(スペイン)2013年6月4日PRN=共同JBN】スペインのアルツハイマー病研究者たちはアルツハイマー病の診断を助ける血液検査法の発見に一歩近づいた。
アルツハイマー病患者は世界で3600万人と推定されているが、そのうち約75%は信頼できる診断を受けていないので、これが現在および将来の患者の生活に及ぼす影響は非常に大きいだろう。
アルツハイマー病は高齢者がかかることが最も多い神経変性疾患である。最も一般的な随伴症状は患者が日常の必要を完全に介護者に依存する段階にまで至る進行性の記憶喪失である。体内に自然に存在するベータアミロイド(Abeta)と呼ばれるペプチドのグループがアルツハイマー病の主要な原因だとする理論を支持する多くの研究がある。これまでのところでは科学にとって明らかになっていないプロセスを通じて、これらのペプチドが脳内に蓄積され、これが何年かの期間を経て記憶の不調などこの病気に伴う症状を生じさせる。
スペインの研究会社Araclon Biotechの創立者で最高科学責任者(CSO)であるマヌエル・サラサ教授とそのチームはごく少量の血液中のこれらペプチドを測定するため「ABtest40」「ABtest42」血液検査法を完全なものにしようとしてきた。
同教授は「われわれの血中Abeta検査は、健康な人と軽度認知症(MCI、記憶喪失が認められる最初期段階)の人を比べるとペプチドのレベルと病気の間に高いレベルの相関性を発見することを研究は示した。プラズマ中で遊離、プラズマ構成部分と結合、血液細胞と結合の血液中の3レベルで、最も重要なペプチドのうちの2つであるAbeta40とAbeta42を測定し、これらの割合を確立された診断法と比較することによって、Abetaのレベルと病気の関係を一貫して示すことができた」と語っている。
サラサ教授は「これはわれわれ-このわれわれはアルツハイマー病研究者全体の意味だが-がアルツハイマー病の信頼できる最低侵襲のバイオマーカー入手に大きく近づいたことを意味する。このことの重要性は、研究の患者募集をより早く、はるかに少ない経費でできるという点にある。インターベンション療法を病気の早い段階で試験することができ、有効な療法が発見されればこのタイプの検査は公共保健分野での住民検査に好適なものになるだろう」と述べている。
この研究の結果は7月に「アルツハイマー病ジャーナル36(3)」で発表される。
サラサ教授は255人の患者を対象にしたより大規模な多国研究が行われていることを明らかにしており、Grifols企業グループの一部である同教授の会社(本社サラゴサ)も世界各地の同様の患者グループでこれらの結果を確認することを考慮している。
▽Araclon Biotech SLについて
Grifolsグループの1企業であるAraclon(リンク)は2004年にスペインのサラゴサでマヌエル・サラサ教授が設立した。アルツハイマー病の早期発見、治療に献身している。
▽アルツハイマー病ジャーナル(JAD)について
アルツハイマー病ジャーナル(リンク)はアルツハイマー病の原因、病原、疫学、遺伝学、言動、治療、心理学についての理解の進展を容易にするための国際的な多科目ジャーナルである。このジャーナルはIOS Press(リンク)から刊行されている。
▽問い合わせ先
Bryony Chinnery
Kaizo PR
Bryony.Chinnery@kaizo.co.uk
+44-(0)203-176-4723
ソース:Araclon Biotech
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