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動脈硬化から腎臓病になる!?腎動脈狭窄症とは?

NPO法人 腎臓サポート協会 2013年03月21日 15時52分
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高血圧や動脈硬化疾患を抱えている場合は要注意!

 皆さんは、腎動脈狭窄症(じんどうみゃくきょうさくしょう)という病気をご存じですか?腎臓につながる動脈が狭くなり、腎機能を低下させたり高血圧になる疾患で、推計患者数は全国で約250万人と、決して稀な病気ではありません。
 その腎動脈狭窄症と治療法について、東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科 教授 中村正人先生に詳しく解説していただきました。

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■腎動脈狭窄症とはどんな病気?
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 腎動脈はみぞおちの高さで大動脈から左右にほぼ直角に分岐し、左右の腎臓を灌流します(図1)。この腎動脈が狭くなってくると腎臓への血流が減少し、腎臓が虚血状態になります。結果として、高血圧症、腎機能障害、心不全など様々な病気を引きおこします。腎動脈が狭くなる原因には粥状硬化症、線維筋性異形成症、大動脈解離などがありますが、動脈硬化症によるものが90%を占めています。

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■腎動脈狭窄症はまれな疾患ですか?
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 この病気の頻度は報告によって異なっていますが、けっしてまれな疾患ではありません。高血圧症は日本では3人に1人、約4,000万人いると報告されています。この中で腎動脈狭窄症による高血圧は5%程度あり、狭心症、脳血管障害など心血管疾患があると合併頻度は10~20%と著しく高くなるといわれています。したがって、腎動脈狭窄症は約250万人程度いると推測されており、さらに食生活、生活スタイルの欧米化によって今後増加してくるものと考えられます。すなわち、動脈硬化から起こる主な病気として腎動脈狭窄症をとらえることが重要です。

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■どんな時に腎動脈狭窄症を疑うの?
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 では、どのような場合に腎動脈狭窄が疑われるのでしょうか。表1に示すように他の動脈硬化疾患を持っている場合、年齢に関係なく高血圧、血圧のコントロールが悪い場合、原因の解らない心不全、投薬開始後におこる急激な腎機能悪化例などでは腎動脈をチェックすべきであると考えられます。

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■どのように診断すればよいか?
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 もっとも簡便な方法は、超音波法検査です。狭いところを血液が通過するときは急速に流れるため、腎動脈の血流の速さを測定することで腎動脈狭窄が診断可能です。この検査では同時に腎臓のサイズ、腎臓の中の血流状態も調べることができます。MRI、造影CTでは3D構築して腎動脈を視覚的に見ることで狭窄を診断します。ただしこの場合、狭窄度を過度に評価しがちであることが知られています。

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■腎動脈狭窄症の治療は?
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 狭窄を解除して、血流を正常化させる根本的な治療方法を血行再建と呼び、ステント(※)を挿入する拡張術が標準的手法です(図2)。ステントがより細く挿入が容易になったために、挿入時におこる合併症は非常に少なくなっています。治療の適応は、高度な腎動脈狭窄が存在するか、改善が見込まれる症状があるかの2点が重要であり、狭窄度、症候が高度であればあるほど治療効果が期待できます。一方、薬物療法も大変進歩しており、徐々に進行する腎動脈狭窄の進行を遅くすることができると考えられます。
※ステントとは・・・血管に挿入し、狭くなった部位を拡げて固定する医療機具

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■末期腎不全の原疾患としての賢動脈狭窄症
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 透析導入の原疾患として、腎動脈狭窄症によっておこる虚血性腎症は10人に1人程度あると考えられ、欧米ではその割合が増加しているといわれています。報告は限られていますが、急激に悪化した腎機能障害例でもタイミングよくステントを挿入することで腎不全が治った症例も報告されています。腎動脈狭窄を早期にみつけ出し、厳格に管理することの重要性は今後ますます高くなってくるものと考えられます。

表1 腎動脈狭窄症を疑う臨床所見 カテーテル治療が有効な症例
・30歳以前に始まる高血圧
・55歳以降に始まる重症高血圧
・薬物によっておこった高血圧/悪性高血圧
・説明困難な急性心不全
・説明困難な腎機能悪化
・ARB、ACE阻害薬投与による新たな、または急激な腎機能悪化
・多枝冠動脈病変、末梢動脈疾患を有する

※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.54 じんぞう教室』(リンク)からの抜粋です。


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