「箕面市いじめ実態把握アンケート調査」の結果について~全小・中学生に無記名で“いじめ”調査を実施~

箕面市教育委員会は“いじめ”の実態に迫るため、昨年10月末に、箕面市立の全小学校の児童(14校7,347人)、全中学校の生徒(8校3,253人)を対象に、初めて無記名による「箕面市いじめ実態把握アンケート調査」を実施しました。
その結果、2,508人(24%)の児童・生徒が「平成24年4月以降に何らかのいじめを受けたと感じた」と回答しました。市教育委員会ではこの調査結果を踏まえ、これまでの取り組みの検証やいじめの未然防止、早期発見・早期解決に向けた新たな具体的な対応策を構築していきます。

今回の調査の目的は、被害者や加害者を特定するためのものではなく、今年度に入っていじめがどの程度起きているのか、いじめの実態を把握し、基礎データとするとともに、今後の具体的な対応策を構築していく資料とするため無記名で実施したものです。

この調査で見えてきた主な項目は
① 「何らかのいじめを受けたと感じた子ども」が4人に1人いる(2,508人)
② そのうちで「今も続いている」と答えた子どもが約4割いる(1,022人)
③ 学年が上がるごとに「いじめを受けた」と答えた件数は減っていく
④ 悪口や無視、仲間はずれなど、教職員が気付きにくいいじめが半数を超える
⑤ 相談相手で一番多かったのは家族(36%)
⑥ いじめを受けて「だれにも相談していない」子どもが19%いる
⑦ いじめられているのに「見て見ぬふりをした、横を通り過ぎた」子どもが23%いる
といったことです。

また、昨年12月に市教育委員会が実施した「学校が認知したいじめに関する調査」では、いじめの認知件数は小学校82件、中学校32件、合計114件で、この結果との比較からわかることは、子どもの意識と学校の認知件数には大きな隔たりがあり、学校が認知しているいじめは実態のほんの一部でしかないということです。
学校や教育委員会では、これまでも「“いじめ”は子どもの心身の健全な発達に重大な影響を及ぼし、不登校や自殺などを引き起こすおそれのある深刻な問題であり、また、いじめは、どの子にも、どの学校でも起こりうる問題である」という認識の下、学校と教育委員会が連携して、いじめをなくしていく取り組みを進めてきました。「箕面市いじめ実態把握アンケート」もその一環として実施しました。


アンケートの結果から、非常に多くの子どもたちが「いじめられたことがある」と答えているにも関わらず、「悪口や無視、仲間はずれ」など、教職員が気付きにくいいじめが52%を占めており、実態が見えにくくなっています。
また、「だれにも相談できない」子どもが19%もいること、「見て見ぬふりをする」子どもが23%もいることなど、周りが傍観していることによって発見や解決に至っていないケースが多数あるということがわかりました。
箕面市教育委員会では、この結果を受けて、上のような取り組みとともに、
① 一人ひとりをより注意深く見守り、少しの日常の変化にも気づけるための教職員への研修を実施
② 子どもや保護者が身近に相談できる窓口を増やす
③ 家庭での見守りチェック表を作成し、保護者に配布して協力を求める
④ 深刻ないじめに対応するため箕面警察等、関係機関との連携強化を進めていく
等でいじめの未然防止、早期発見・早期解決に全力で取り組んでいきます。

 1 アンケートの概要 

○ 目  的  ・平成24年(2012年)4月から10月まで、いじめがどの程度起きて
      いるのかの実態を把握する
・学校や箕面市教育委員会の未然防止や早期解決の取り組みを充実する
・これまでの取り組みを検証し、さらにいじめの未然防止、早期発見・早期解決に向けた具体的な対応策を構築する
○ 調査実施日  平成24年(2012年)10月
○ 調査対象  箕面市立の14小学校、8中学校のすべての児童・生徒(10,600人)
○ 有効回答数  10,315件
○ 実施方法 ・今回の調査は、できるだけ子どもたちの気持ちが素直に表現でき、よ    
り実態に近づけるよう、初めて無記名式で実施した。
・子どもたちには、「いじめとはどのようなことか」を、例をあげて、わかりやすい言葉で説明し、アンケートを実施した。

 2 調査後の取り組み 

①教育委員会として
〇集計結果をすぐに各学校へ返して、各学校での取り組み強化を指示した。(H24.12)
〇市教委ではこのアンケートの結果に基づいて「緊急に対応すべき事案※1」等について各学校を訪問し(12月に全小中学校を訪問した)、聞き取り調査を実施するとともに対応を各学校に指示。(H24.12)
※1・・・「児童生徒の生命または身体の安全が脅かされるような重大な事態に至る恐れがあると思われるいじめ」
〇「いじめ対応マニュアル」(H24.12 府教委作成)の学校への配布(H24.12)。
〇学校に対して、組織として管理職も含めた迅速な対応を求めるとともに、「いじめ事案報告シート」での情報共有・・・学校が認知したすべてのいじめ事案について、速やかに市教委と情報共有を図ることを目的にシートを作成(H25.1)。
〇この調査結果をどのように活用したかの学校への調査実施(H25.2)。
〇家庭での日常的なチェック項目を作成・周知し、気になることがあればすぐに学校や教育委員会に連絡してもらう体制を整える(H25.3予定)。
〇箕面子どもステップアップ調査(箕面市学力・体力・生活状況調査)の生活状況アンケートにおいて、記名方式によるいじめに関する調査を実施(H25.1)。
②学校として
各学校では、この調査結果を分析し、例えば、「緊急性のある事案はすぐに対応した」、「結果を子どもたちに示して学級会で話し合った」、「個別対応、学級での指導、見守り等に分類し、それぞれ対応した」、「より丁寧な聞き取りを実施した」、「チームとしての取り組みを教職員で再確認した」、「これまで以上に子どもの表情や行動の変化を注意深く観察することで、きめ細かいいじめの状況把握に努めた」、「PTAや学校協議会で学校ごとの調査結果を公表し、協力を求めた」、「保護者との連携をより密にした」、「相談週間の充実を図った」、「いじめを許さない集団を育てるため、道徳教育や人権教育の充実とともに、各学級・学年・学校における集団づくりの取り組みをこれまで以上に進めた」等々の取り組みを行っています。
③家庭の協力
保護者との連携については、今回の調査結果を見ても「相談相手」で一番多かったのは「家族」(36%)であることから、やはり家族の力を見守りに発揮していただくことは必要不可欠なため、この調査結果とともに、ご家庭での注意事項やチェックリスト等をチラシにして配布し、ご家庭での見守りを強化していただき、より相談がしやすい体制づくりを図っていきます。

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