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2012年中堅・中小企業のデスクトップ仮想化ソリューション活用状況に関する調査報告

ノークリサーチは2012年の国内中堅・中小市場における「デスクトップ仮想化ソリューションの活用状況」に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<中堅・中小企業に適した活用シナリオ提案と旧来型シンクライアントとの区別が必要>
■デスクトップ仮想化活用が見られるのは年商5億円以上、仮想PC型の導入が比較的多い
■「社外でのPC環境利用」「拠点を跨いだ遠隔管理」「情報漏洩防止」などが主要なニーズ
■「共有サービス型」から「仮想PC型」へと選択が移りつつあるが、適材適所の活用が重要
■ユーザ企業における旧来型シンクライアントソリューションとの混同が無視できない障壁

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年1月29日

2012年中堅・中小企業のデスクトップ仮想化ソリューション活用状況に関する調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2012年の国内中堅・中小市場における「デスクトップ仮想化ソリューションの活用状況」に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2012年版中堅・中小企業におけるPC環境の実態と展望レポート」のダイジェストである。


<中堅・中小企業に適した活用シナリオ提案と旧来型シンクライアントとの区別が必要>
■デスクトップ仮想化活用が見られるのは年商5億円以上、仮想PC型の導入が比較的多い
■「社外でのPC環境利用」「拠点を跨いだ遠隔管理」「情報漏洩防止」などが主要なニーズ
■「共有サービス型」から「仮想PC型」へと選択が移りつつあるが、適材適所の活用が重要
■ユーザ企業における旧来型シンクライアントソリューションとの混同が無視できない障壁


対象企業: 年商500億円未満の国内企業
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: 2012年11月
有効回答件数: 754件
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■デスクトップ仮想化活用が見られるのは年商5億円以上、仮想PC型の導入が比較的多い
以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業に対して、「導入済みの最も主要なデスクトップ仮想化関連のソリューション」を尋ね、その結果を年商別に集計したものである。(各選択肢の定義/説明は次頁に記載、本レポートの元となる調査レポートでは従業員数別や業種別でのデスクトップ仮想化ソリューション活用状況のデータも含まれる)以下のグラフからは割愛しているが、従業員数5億円未満におけるデスクトップ仮想化関連ソリューションの導入はごくわずかに留まり、デスクトップ仮想化ソリューションが訴求可能な年商規模は実質的に年商5億円以上となっている。ソリューション別の傾向では年商規模別に少々差はあるが、「仮想PC型」が多く挙げられており、「共有サービス型」がそれに続くといった傾向が見られる。
次頁以降ではこうしたデスクトップ仮想化ソリューションの導入における事由や障壁などに関する調査結果を取り上げている。


■「社外でのPC環境利用」「拠点を跨いだ遠隔管理」「情報漏洩防止」などが主要なニーズ
前頁のグラフに記載したデスクトップ仮想化ソリューションの選択肢に関する定義や説明は以下の通りである。
仮想PC型(VDI): サーバを仮想化し、その上で複数のPC環境を動作させるもの(例.シトリックスシステムズ「XenDesktop」「VDI-in-a-Box」、ヴイエムウェア「VMwareView」など)共有サービス型: サーバ上にアプリケーションを動作させ、それを複数のユーザで共有するもの(例.シトリックスシステムズ「XenApp(旧:MetaFrame)」など)1to1型リモートアクセス: 社内に専用のルータなどを設置し、各PCを社外から遠隔操作するもの(例.日立ソリューションズ「DesktopDirect」など)仮想PC型のDaaS: 仮想PC型VDIをSaaS形態で利用するもの(例.NTTコミュニケーションズ「BizデスクトップPro」など)「デスクトップ仮想化」のソリューション内容は実に様々であり、ベンダやSIerによって定義も少しずつ異なる。「仮想PC型」のみをデスクトップ仮想化と見なす狭義の定義もあれば、上記以外のソリューションを含めたさらに広義の定義もある。また、類似した用語に「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」がある。上記では「仮想PC型」と同義としているが、「VDI=複数のPC環境をサーバに集約するもの」という意味合いで、「仮想PC型」と「共有サービス型」の双方をまとめて指す用語とする場合もある。
以下のグラフは上記いずれかのデスクトップ仮想化関連ソリューションを導入している年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「デスクトップ仮想化関連ソリューションを導入した理由(複数回答可)」を尋ねた結果である。
「社外でも社内と同じPC環境を利用するため」が最も多く挙げられている。中堅・中小企業では部長や課長といった管理職が自ら営業戦力として社外へ頻繁に出向くことも少なくない。そのため「社外からも各種の業務システムへアクセスしたい」という潜在ニーズが高い。デスクトップ仮想化を活用すれば、社外からでも安全に社内と同じPC環境を利用することが可能となる。
また、「社内PCの運用管理作業をリモートで行うため」や「アプリケーションやOSの管理を統一するため」といった理由も比較的多く挙げられている。中堅・中小企業でも小規模な拠点(営業所や工場など)を複数持つケースは少なくない。しかし各拠点にはIT管理担当者がおらず、トラブルが発生する度に担当者が拠点を駆け回ることも多い。PC環境を一箇所に集約しておけば、トラブル発生の多くを本社でカバーすることが可能となる。デスクトップ仮想化関連ソリューションの中でも「仮想PC型」や「共有サービス型」の導入率が高い背景にはこうしたニーズがあるものと考えられる。
「情報漏洩を防止するため」という理由は年商規模が大きくなるにつれて高くなる。企業規模が大きくなると、コンプライアンスへの意識も高まることが大きな最大の要因と考えられる。デスクトップ仮想化関連ソリューションは手元のPC端末にデータを残さないため、USBメモリへのコピーや印刷といった手段での情報漏洩を防止しやすい。


■「共有サービス型」から「仮想PC型」へと選択が移りつつあるが、適材適所の活用が重要
以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の企業に対して、「検討はしたが実際には導入しなかったデスクトップ仮想化関連ソリューション」を尋ねた結果を年商別に集計したものである。
また、以下のグラフは年商500億円未満の企業において「検討はしたが実際には導入しなかったデスクトップ仮想化関連ソリューション」(グラフ中で凡例付きの色帯で示されているもの)を「導入済みのデスクトップ仮想化関連のソリューション」(グラフ中で縦軸の項目として示されているもの)別に集計したものである。
「検討はしたが実際には導入しなかったデスクトップ仮想化関連ソリューション」では、いずれの年商帯でも「共有サービス型」が最も多く挙げられている。「共有サービス型」を導入しなかったユーザ企業が最終的に導入したソリューションとしては「仮想PC型」が比較的多い。「仮想PC型」はミドルウェアやサーバ側ハードウェアに対する投資という面では「共有サービス型」よりコストが高くなりがちだが、リモートデスクトップサービスへの対応が難しいアプリケーションもカバーできる、社員毎の既存PC環境を忠実に再現できるといったメリットもある。また、昨今では「仮想PC型」のライセンス範囲内で「共有サービス型」も利用できる体系を採用しているソリューションもある。そのため、当初は共有サービス型を検討したが、最終的には「仮想PC型」を選択するといったケースが多いものと考えられる。「仮想PC型のDaaS」を導入したユーザ企業で「共有サービス型のDaaS」を検討したが実際には導入しなかった割合が高いことも同様の理由と考えられる。ただし、「仮想PC型」と「共有サービス型」のそれぞれの特徴を理解した上で、状況に即した適切な活用をすることが最も重要である。


■ユーザ企業における旧来型シンクライアントソリューションとの混同が無視できない障壁
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「デスクトップ仮想化ソリューションを導入しなかった理由」(複数回答可)を尋ねた結果である。
「PCのハードウェアを買い替えなければならない」が多く挙げられており、「検討はしたが実際には導入しなかったデスクトップ仮想化関連ソリューション」として「共有サービス型」を回答した場合に限定すると、同項目の回答割合は44.8%に達する。
だが、「共有サービス型」はPC環境を集約するサーバ側でハードウェアの増強が必要になることが多いものの、PC側については従来と同様の端末を利用することも可能だ。このような結果が出た背景には「共有サービス型」がデスクトップ仮想化関連のソリューションでは比較的歴史の古い技術であり、過去にシンクライアント専用端末と共に提案されていたことが深く関係する。
シンクライアント専用端末とはハードディスクを持たず、サーバ側に集約されたPC環境をリモート操作することに特化した専用の端末を指す。旧来、「共有サービス型」に相当する手法は「画面転送型シンクライアント」という呼称で、シンクライアント端末と一緒に提案されることが多かった。中堅・中小企業の多くではこの時の記憶が強く、現在も「共有サービス型」と「画面転送型シンクライアント」を同一視し、「PC端末を入れ替えなければならない」と捉えてしまうケースが少なくない。二番目に「PCのOSをバージョンアップしなければならない」が挙げられているのも同じ要因と考えられる。
同様に、「検討はしたが実際には導入しなかったデスクトップ仮想化関連ソリューション」として「仮想PC型」を回答した場合においても、「PCのハードウェアを買い替えなければならない」が最も多く挙げられている。このように中堅・中小企業におけるデスクトップ仮想化ソリューションにおいては「ユーザ企業における旧来型のシンクライアント関連ソリューションとの混同」が無視できない障壁となっていることがわかる。デスクトップ仮想化がもたらす様々なメリット(社外からの業務システム活用、複数拠点に分散したPC環境の統合管理、情報漏洩の防止など)の訴求と並行して、旧来型のシンクライアントソリューションとの違いを明示することが重要といえる。


本リリースの元となっている「2012年版中堅・中小企業におけるPC環境の実態と展望レポート」の詳細は下記URLを参照
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