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マーサー、世界の生産年齢人口と年金制度に関する考察を発表

人事系コンサルティング会社マーサーの最近の調査結果によると、経済活動にとって極めて重要な15歳~64歳の年齢層(生産年齢人口)の対総人口比が今後8年間で6%程度低下し、非積立型の国民年金制度への圧迫が懸念される国々があることが明らかになった。

香港は総人口に占める生産年齢人口の比率が過去最大減少すると予想され、現在の76%から2020年には70%にまで落ち込むとされる。カナダ、日本、 ロシアは、生産年齢人口の総人口に占める割合が4%減少すると予想される主要経済大国である。中国、イギリス、アメリカでは2%の減少が予想される。

対照的に、いくつかの主要新興経済国では、生産年齢人口の総人口に占める割合が今後8年間で増加すると見られる。これらの国には3%の増加が見込まれるパキスタンや、2%の増加が予測されるブラジル、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコがある。

マーサーの年金ビジネス部門パートナー、デボラ・クーパー博士は次のように述べる。 「パーセンテージとしてはこれらの変化は小さく見えるかもしれませんが、これは今後8年間における人口動態の劇的な変化であり、何億人もの労働人口に相当するもので、各国の公的年金制度に大きな打撃を与える可能性があることを覚えておかなければなりません。ほとんどの国では国民年金の財政は国費によって賄われており、支給開始年齢は65歳あたりであるため、最も経済的に活発な年齢層の人口が縮小することで、福祉や医療、老齢給付等の制度に利用できる資金が減ることになります。それと同時に国内の65歳以上の人口は増加し、労働人口が減少することで、乏しい財源となる中、より多く財源を使うことになります」

多くの国で政府は、国民年金の支給開始年齢を引き上げたり、年金受給額を減らしたりすることで、高齢化に対応している。

マーサーによれば、既に自らの退職金制度を人員構成の変動に対応させている企業もあるが、国家の財政状態が後退するにつれ、多くの国で従業員は医療給付や老齢給付の不足を埋めることを企業に期待している。

「これを効果的に行うために企業と従業員は、退職に備え定年後の生活設計に関する基本的な考え方を見直す必要があります」とクーパー博士は述べる。
「各国政府はすでに法定定年年齢を廃止したり、定年年齢を調整したりすることでこの問題を対処しつつあります。マーサーでは企業の側にもそのような動きがあるのを見てきています。より多くのクライアントが、固定年金給付のような従来型の年金給付を段階的に廃止する分析を我々に依頼しています。代わりに イギリスでは職場財形貯蓄商品のような新しい種類のスキーム設計の導入への関心が高まっています」

「生産年齢人口比率の全体像を見てみると、プラス要素を相殺する可能性があることがわかるでしょう。生産年齢層の実労働者と積極的な求職者の割合が増加すれば、問題は軽減する方向に向かうはずです。また最近では、高齢のため退職する人達の定常的な低年齢化にブレーキがかかり、いくつかの国では逆行してさえいます。これは人々が今日の退職後必要となる費用の増加に対し反応し始めたことを示唆しています」

日本における人口構成の変動の影響を見るには、マーサーが最近発表した「メルボルン・マーサーグローバル年金指数(2012年度ランキング)」が挙げられるだろう。この年金指数の内、年金制度の"持続可能性 (sustainability)"の項目において、平均の52.1に対して、日本のスコアは28.9と下から2番目の順位であった。グローバル年金指数が初めて発表された2009年では、日本の"持続可能性"のスコアは34.4であった。この”持続可能性”の項目では、高齢者扶養、年金支給年齢、段階的退職の機会、高齢者の就業率などの問題に対する制度とその環境に関する持続可能性を評価している。

マーサージャパン、年金・財務リスクコンサルティング部門、アソシエイト・コンサルタントの田渕祥之は次のようにコメントしている。「年金支給開始年齢と平均寿命のバランスについていうと、世界屈指の長寿国である日本は平均寿命が長い割には定年退職年齢が低いことで知られています。日本政府は一定の改革を行なっているものの、年金制度の負担は大きく、持続可能性に乏しいという結果となっています。また、本調査の結果に目を移すと、日本の生産年齢人口の比率は8年後に4%減少することが見込まれています。これは2012年時点で65歳以上の人1人に対して、生産年齢層2.6人が支えていますが、2020年には生産年齢層2.1人で支えることを意味していると言えます。日本は60歳から65歳の間で退職する場合が多いため、実際の生産年齢層の生産人口はより少ないと考えられます。生産年齢層の負担を軽減するために、企業のより柔軟な定年退職年齢を設定できる仕組み作りやインセンティブの導入など、生産人口を増やす施策が重要となるでしょう」

「新興経済国は独自の困難に直面しています」と、マーサーの年金ビジネス部門、シニア・パートナーであるファーガル・マクギネスは述べている。「これらの国々が豊かになる前に人口が高齢化しないでしょうか?進行経済国も先進国と同じ道を辿り、持続可能ではない社会保障制度に陥らないでしょうか?中国は特に興味深く、「一人っ子政策」がこの国の高齢化現象を加速させています。中国の人口全般の高い貯蓄率は、国家と企業が提供する蓄えの安全性に対する懸念を示していると言えるでしょう」

「人口構成の変化はまた、医療関連の費用にも影響を与えるでしょう。そして興味深い労働力の課題と対策を生むことになるでしょう。労働力の高齢化は同時に顧客層の高齢化も意味し、ビジネススタイルの変化にも影響を与えるでしょう。いくつかの産業は、ベテラン社員の退職により、主要な技術分野において既に人材不足に直面しています。このような影響を受ける企業にとって、若い幹部社員の指導や、退職までの期間に更なる柔軟性を持たせるといった戦略は、企業収益に重要な変化をもたらすことができるかもしれません。」

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<注釈>
本データは国際労働機関のLABORSTA databaseに基づくものであり、変化しつつある人口構成の影響と規模を明らかにするためにマーサーにより出版された。15歳から64歳の年齢層(生産年齢人口)は重要であり、この年齢層の縮小は国家とビジネスにとって潜在的経済問題の原因となる。最も顕著な影響は、年金のための資金供給に利用できる税金額の減少であるが、決してこれに限ることはない。過去、現在、未来の予想であるこのデータは、2007年、2012年および2020年を対象と し、Mercer’s Global HR Factbook上で公開された。このデータは以下の3つの範囲のいずれかに分類されるような一つの国の人口比率の概要を示している: 0歳~14歳、15歳~65歳、65歳以上。

15歳~65歳の年齢層に着目したのは、最も経済的に活発な人口を含むためである。しかしこの年齢層以外の人口も労働市場に加わっており、またこの年齢層の一部には雇用されていないか雇用に適さない人口もいるという事実も認識している。
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※ 本資料は米国マーサーが発表したプレスリリースを日本語に翻訳・編集したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。
Many National pension systems will be stressed as 'working age' populations shrink by 2020
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本件に関するお問い合わせ
マーサー ジャパン株式会社
広報
小原 香恋 Karen Ohara
Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com

年金・財務リスクコンサルティング部門
田渕 祥之 Yoshiyuki Tabuchi
Tel: 03-5354-5450 retirement.japan@mercer.com
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