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県域ラジオ局別 V-Lowマルチメディア放送 伝送料金の試算

TOKYO FM 2012年11月27日 10時45分
From PR TIMES

株式会社エフエム東京(東京都千代田区、代表取締役社長:冨木田道臣、以下「TOKYO FM」)は、「V-Lowマルチメディア放送」の「音声利用セグメント」に、県域ラジオ局が参入した際に負担することとなる経費について、シミュレーションを重ね、その試算結果をこのほど公表しましたのでお知らせいたします。例えば、佐賀県域のラジオ局では1局あたり月額14万円、長野県域で同 約36万円、静岡県域では同 約63万円と想定されるものです。

 V-Low マルチメディア放送は、2011年7月アナログテレビ終了後に空いた周波数を活用して創設される新たな放送サービス、および放送制度です。この制度では、新たなサービスとして、(1)走行中のドライバー向けデータ、(2)電子雑誌・電子カタログ・電子新聞・電子教科書といった屋内で視聴・利用するコンテンツ、(3)バスや地下鉄のような公共交通の、あるいは自動販売機のような街ナカのサイネージで表示する番組等を「放送波により配信する」という、伝送路の新しい使途に期待が寄せられています。一方で、既存音声放送事業者には「ラジオのデジタル化」のために活用する帯域として、その一部にアナログラジオのサイマル放送(同時再送信)を流す余地を確保したいという希望が強くあります。

一般社団法人日本民間放送連盟ラジオ委員会では、既存音声放送事業者1局あたり1/5セグメントを割り当てられてサイマル放送をすることを想定し、それを実現するために全国にV-Low放送設備を敷設する投資総額について、試算結果を取りまとめました。TOKYO FM マルチメディア放送事業本部では、この試算結果を使いつつ、ハード・ソフト分離制度の中で、全国のローカル県域ラジオ局が、広域圏ラジオ局とは異なり、放送設備の初期投資資金を拠出負担せずに所謂「家賃」だけで参入する場合には、毎月の支払額がいくらになるかをシミュレーションしました。

所謂V-High帯域では、同じマルチメディア放送制度が既に発足しています。そのハード事業者(基幹放送局提供事業者=家主)である、株式会社ジャパン・モバイルキャスティング社が、ハード会社には出資しないソフト事業者が参入するために、既に設定・公表している「伝送料金」に相当する、V-Lowソフト事業者の「家賃」を今般計算したものです。既存のラジオ・テレビ局の制度と異なり、移動受信用地上放送(マルチメディア放送)では、制度創設の当初からハード事業・ソフト事業の分離が導入されました。この制度により、ガードバンド(混信を防止するために確保される未使用の周波数帯)を極力なくして、電波を有効利用することで放送設備費用を安く抑えられることや、ハード事業者の大きな初期投資額を、放送開始時に一時に拠出負担することなくても放送局(ソフト事業者)として参入できるようになりました。このハード・ソフト分離制度の利点を、全国の地方ラジオ局の皆様に正しく理解していただき、かつその具体的な「家賃」の額が必ずしも大きくないことを認識してもらうことで、「ラジオ業界全体のデジタル移行」が円滑に進むことを期待しております。シミュレーションの前提条件と結果は「別紙」および「別表」のとおりです。


「別表」に一覧表として示した、「県域ラジオ局」の「伝送料金」を計算するにあたっての前提条件は以下の通りです。

§1  「V-Lowマルチメディア放送」は、放送法上「移動受信用地上放送」ですので、所謂「ハード・ソフト分離」の制度の原則に則って、計算しました。(「参考資料」もご参照ください)

※ 「基幹放送局提供事業者」(ハード事業者)は、放送法上の放送局にあたる「認定基幹放送事業者」(ソフト事業者)の比較審査や認定はもちろん、編成内容に関与できない制度です。ソフト事業者は、自ら送信設備を所有することなく、対価を払うことでハード事業者に送信を委託します。

§2  1者のハード事業者が全国の設備を整備し、を全国で75%以上の世帯をカバーするのに加えて、高速道路上および休憩施設(SAやPA)での受信カバー100%を目指す場合の設備計画の投資額です。また、全国世帯カバー率の達成のみならず、都道府県別世帯カバー率も、それぞれ最低でもまずは50%超を確保する計画です。

※ 都道府県ごとにハード事業者ができるのではなく、1社が全国の設備に責任を持つことを想定しています。この利点は、伝送効率がいい広域圏のみに参入希望が集中して地方を切り捨ててしまうようなことを防止できることです。V-Lowマルチメディア放送の前身として「デジタルラジオ」の実用化試験放送が2003年に放送開始しましたが、東京と大阪のみの2局で独立した運営がなされました。放送地域は拡大せず、端末の普及を見ることなく2011年に試験放送は終焉しました。

§3  ラジオ局が使用する帯域幅を1/5セグメントとしました。「放送対象地域を県域とする既存音声放送事業者」(ローカルの県域ラジオ局)が、「アナログラジオの番組をFM音質でサイマル放送する」のに必要な帯域は「1/5セグメント」とみなされており、必要な帯域のみ利用する「認定基幹放送事業者」の認定が取得できる制度が認められた場合の「伝送料金」を計算しました。

※ V-Lowマルチメディア放送の制度詳細については、総務省が精査されております。V-Lowの送信方式は「ISDB-Tsb」と決まっており、技術的には「1セグメント単位」または「3セグメント単位」での送出となります。民放連ラジオ委員会としては、技術方式にかかわらず、既存のラジオ局には「1/5セグメント」の認定を受けることができる制度を要望しています。

§4  県域ごとに使用する周波数が異なり、各県のソフト事業者合計では「6セグメント(3MHz弱)」の送信がなされる制度となることと設定して計算しました。

※ 放送対象地域については、
(1) 「携帯端末向けマルチメディア放送の実現に向けた制度整備に関する基本的方針(案)に対する意見についての考え方」(2009年8月)において
・ 県域情報は既存メディアによって既に確保されていること
・ ある程度のまとまった地域を対象とすることにより、県域とは異なるスポンサーの獲得や県域と比較してより多くの視聴者を対象としたサービスが可能となるなど、事業性の面からも新たな可能性が期待できること
などから、V-Lowマルチメディア放送においては、複数の都道府県を対象とした地方ブロック向け放送を実現することが適当としています。
(2) 他方、「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会報告書」(2010年7月)は、同放送の放送対象地域は、地域性を考慮し、原則として県域とするが、関東広域圏、中京広域圏、近畿広域圏の三大広域圏は、それぞれの広域圏(ブロック)を対象とした放送とするのが適当と提言しています。
 今回のシミュレーションは、後者の「広域圏(13セグメント)+県域(6セグメント)」の考え方に基づき計算しました。

§5  「ひとりの国民が1セグメントを受信するコスト」は原則として平等であるべきで、日本全国何処に住んでいても「1セグの価値」に格差が生じないような計算をしました。
※ 同じ番組・コンテンツを全国一律に配信するV-Highと異なり、V-Lowマルチメディア放送は、地域性を考慮し、木目細かな生活情報や安心安全情報を配信することで、地方の経済や文化の発展に寄与する役割を果たすべきであると考えられております。そのためには、地形や人口分布による伝送効率に地域差があっても、原則として同じ価格で同じサービスが受けられる無線通信サービスに準じて計算しました。まずは大都市圏だけ放送が始まればいい、という考え方もあるのでしょうが、それだけでは商用の受信端末が継続的に発売されなくなると危惧しております。

以上のような前提に立って、今回のシミュレーションを行いました。全国ローカルラジオ局の経営体力は必ずしも一律に強いとは言えません。ハード会社設立時の出資に応じたり、設備投資資金を初期に一括して負担したりできる会社ばかりではありません。だからと言って、地方局を切り捨てて、比較的体力がある特定のラジオ局だけで参入する姿は、健全な姿とは言えません。今回の試算結果が、地方の各局の皆様の経営判断の一助となれば幸いと考え、公表することといたしました。

一方、多くの県ではラジオ局が県域AMと県域FMの2局しかないことを考えると、6セグメントをラジオ局だけで使い切ることはできません。必要な投資額の数%の資金を拠出すると語るだけでは、必要な送信設備は整備できず、放送そのものが始まりません。V-Low放送波を、新しい用途・新しい方法で活用するサービスを開発している、新規の企業や組織・団体の参入を促進することは必須の課題です。新規参入組と既存音声放送事業者がソフト事業者としてそれぞれ参入し、切磋琢磨する枠組みをつくる
ことで、V-Lowのハード事業の持続可能性が実現できるものと考えます。
以上

プレスリリース提供:PRTIMES リンク

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