フリースケール、QorIQ Tシリーズを拡充する4種のピン互換64ビット・プロセッサを発表

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、64ビット・プロセッサ「QorIQ(コア・アイキュー)T1/T2ファミリ」を拡充するべく、ギガビット・イーサネット・スイッチを統合した業界初の64ビット組込みプロセッサである「ルータ・オン・チップ」のクアッドコアT1040を含む、4種の新製品を発表しました。

今回の新製品の追加により、QorIQ T1/T2ファミリは、業界最高クラスの拡張性を持つ、ピン互換性を備えた64ビット組込みマルチコア通信プロセッサ・ポートフォリオとなります。Power Architecture(R)テクノロジをベースとするこれらの新製品は、エントリレベルからミッドレンジのネットワーク/プリンタ/セキュリティ機器アプリケーションをターゲットにしています。

T1ファミリのデュアルコア/クアッドコア・デバイスとT2ファミリの仮想8コア・デバイスで、デュアル1.2GHzから8コア1.8GHzまでの幅広い性能レンジをサポートします。T1040に加えてフリースケールが今回発表する製品は、2つのコアと1つのEthernetスイッチを統合したT1020、デュアルコアのT1022、Power Architecture e6500コアをベースとする仮想8コアのT2081で、すべてピン互換性を備えています。

フリースケールの副社長兼ネットワーキング・プロセッサ・ディビジョン担当ジェネラル・マネージャであるベルント・リーンハルトは、次のように述べています。「フリースケールは、これまで培ってきたネットワーキングIPとインテリジェントな統合性の強みをまた新たに活用して、業界最高クラスの拡張性とピン互換性を備えたマルチコア通信プロセッサ・ポートフォリオを提供します。イーサネット・スイッチを統合したQorIQ T1040は、特にネットワーク機器メーカーにとって重要で、システムのチップ数削減、開発時間の短縮、コスト削減、省エネに貢献できる製品です。」

T1/T2デバイスは、CoreNetやPCI Express(R)、イーサネットといったネットワーク・インタフェースに加え、固定機能とネットワークのオフロードを拡張したフリースケールのデータ・パス・アクセラレーション・アーキテクチャ(DPAA)を含むプログラマブル処理ユニットと固定処理ユニットの組み合わせ、更に高性能なパターン・マッチング/セキュリティ機能を統合します。フリースケールが誇るインテリジェントな統合性と先進的な設計/プロセス技術により、最適化された性能と拡張性を実現し、柔軟な電力調整を通じて優れたエネルギー効率の設計が可能となります。

8ポートの内蔵ギガビット・イーサネット・スイッチに加え、新しいT1040とT1020は、フリースケールのDPAAエンジン、多様なプロトコル・セットをサポートするQUICC Engineブロック、共有仮想化技術、次世代セキュリティ機能など、先日発表されたT1042の機能や特性をすべて備えています。1.2~1.4GHzのスケーラブルな性能をサポートし、高性能な電力管理システムは、エネルギー効率に優れたファンレス設計を可能にするディープ・スリープ・モードをサポートします。

T1040/T1020プロセッサは、優れたワットあたり性能を実現し、全体的なシステム・コストと消費電力を抑えつつ、設計を簡素化するため、低価格ルータに最適です。主要なタスクをスイッチ側にオフロードすることで、CPUを他のタスクに専念させることができるため、フリースケールの現行世代のQorIQ P1プロセッサに比べて、同等レベルの消費電力で2~4倍の性能を発揮します。ターゲット・アプリケーションとしては、エンタープライズ/サービス・プロバイダ向けのスイッチ/ルータ機器、セキュリティ・アプライアンス、ファクトリ・オートメーションやスマート・グリッド向けの産業ネットワーク製品などがあります。

新しいデュアルコアT1022プロセッサは、フリースケールの現行世代のQorIQ P1/P2デバイスと比べて、同等レベルの消費電力で2~4倍の性能とSerDes帯域幅を実現します。エンタープライズ向けのスイッチ/ルータ機器、セキュリティ・アプライアンス、ファクトリ・オートメーション・ネットワーク製品など、消費電力制約の厳しいさまざまなアプリケーションに理想的です。

新しいT2081デバイスは、最大1.8GHzで動作する4つのデュアルスレッド対応Power Architecture e6500コアを統合しており、フリースケールのミッドレンジの45nm QorIQ Pシリーズ・デバイスと比べて、2倍以上のコア性能とキャッシュ・サイズ、SerDes帯域幅、イーサネット接続性を備えつつ、消費電力は同等レベルに抑えられています。主な特長として、先進的な仮想化技術、多様なI/Oオプション、DPAA、堅牢なセキュリティ機能などを備えています。e6500コアのデュアルスレッド技術により、シングルスレッドの場合に比べて1.7倍の性能を実現し、搭載された128ビットAltiVec SIMD(Single Instruction Multiple Data)ベクタ・プロセッサは、メディア・アクセラレーションやレーダー処理など、従来はDSPが処理していた演算を、はるかに少ない消費電力で実行します。T2081は、コントロール・プレーンやコントロール/データ統合プレーンの処理向けに設計されています。ターゲット・アプリケーションとしては、モバイル・バックホール機器、LTE/WCDMAチャネル・カード、コントロール・カード/NIC、試験/計測製品などがあります。

高エネルギー効率動作
機器メーカーの厳しい電力制約要件を満たすため、T1/T2ファミリ製品は、先進的な電力管理アプローチを採用しており、複数の電力モードを動的に切り替えるパワー・スイッチを使用して、コアやさまざまな処理ユニットの電源を個々に独立して制御することで、消費電力を最適化できます。また、このアプローチにはディープ・スリープ・モードやスタンバイ・モードも組み込まれており、ネットワークからの復帰要求に対する高速応答を維持しながら、0.5W未満の低消費電力を実現します。欧州行動規範(EU Code of Conduct)やENERGY STAR(SNE)などの省エネ規格に準拠するよう設計されたT1/T2ファミリのデバイス・アーキテクチャと28nm製造プロセスにより、ファンレスの対流冷却システムの設計が可能です。e5500コアは、ナップ/ドーズ/スリープ低消費電力モードにより、システムのエネルギー使用を抑えることが可能で、パケット・ロスレス・ディープ・スリープはECMA 363ベースの自動応答をサポートします。

なお、10月22日・23日にザ・プリンス パークタワー東京で開催されるフリースケール・テクノロジ・フォーラムにて、QorIQ Tシリーズのテクニカル・セッション、並びにデモンストレーションを行います。
・テクニカル・セッション【FTF-NET-F0635】新しいQorIQ AMPシリーズ・プロセッサ T104xとT2080
・デモンストレーション【ブース#NT-7】最新28nm QorIQ AMP/QorIQ Qonvergeプロセッサ

供給、開発サポート
T1040デバイスは、2013年第3四半期にサンプル出荷を開始する予定です。他のT1/T2デバイスも順次出荷を開始する予定です。また、世界クラスのリアルタイムOSと開発ツール・サポートが、エニア、Green Hills Software、メンター・グラフィックス、ウィンドリバーなどのパートナー企業より提供される予定です。フリースケールからは、Linux(R) BSP、リファレンス・デザイン・ボード、マルチサービス・ルータ・リファレンス・デザイン、セキュリティ・アプライアンス・リファレンス・デザイン、CodeWarriorデバッグ・ツール、設定ツール、各種モデルなどの開発ツールが提供されます。詳細については、www.freescale.com/QorIQのWebサイトをご覧ください。

最新QorIQ T1/T2デバイスは、フリースケールの長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、製品リリースから最低10年間の供給体制が保証されます。諸条件の詳細、ならびに利用可能な製品のリストについては、www.freescale.com/productlongevityのWebサイトをご覧ください。


フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて
イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界の毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は4万8000人を超えています。日本では、FTF Japanを東京にて2012年10月22日・23日に開催する予定です。詳細は、リンクをご覧ください。

フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、リンクをご覧ください。

FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。
(C)2012フリースケール・セミコンダクタ・インク


プレスリリース提供:PRTIMES リンク

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]