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2012年中堅・中小企業における基幹業務のクラウドサービス活用実態調査報告

ノークリサーチは2012年の国内中堅・中小企業における基幹業務の分野におけるクラウドサービスの活用実態に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<運用アウトソースに近い活用が主体、上流工程を強化して提案の幅を広げることが重要>
■「クラウドサービスを活用しない」が約8割、いずれのサービスも導入率は5%に満たない
■中堅企業におけるERPパッケージ運用アウトソースとBIの組み合わせが現状では有力
■基幹業務のクラウドサービス活用ではコスト削減効果が依然として最も重視されている
■中長期的な効果を説明した上で、導入可否の判断を支援する上流工程の支援が必要
■プラン策定やネットワークセキュリティの配慮など総合的なソリューション提供が不可欠

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年9月13日

2012年中堅・中小企業における基幹業務のクラウドサービス活用実態調査報告

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2012年の国内中堅・中小企業における基幹業務の分野におけるクラウドサービスの活用実態に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2012年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」のダイジェストである。


<運用アウトソースに近い活用が主体、上流工程を強化して提案の幅を広げることが重要>
■「クラウドサービスを活用しない」が約8割、いずれのサービスも導入率は5%に満たない
■中堅企業におけるERPパッケージ運用アウトソースとBIの組み合わせが現状では有力
■基幹業務のクラウドサービス活用ではコスト削減効果が依然として最も重視されている
■中長期的な効果を説明した上で、導入可否の判断を支援する上流工程の支援が必要
■プラン策定やネットワークセキュリティの配慮など総合的なソリューション提供が不可欠


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: 2012年6月初旬
有効回答件数: 1000社
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■「クラウドサービスを活用しない」が約8割、いずれのサービスも導入率は5%に満たない
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、会計、人事/給与、販売/購買、生産、帳票、ビジネスインテリジェンスといった「基幹業務」の分野において、導入/利用をしているまたは導入/利用を予定しているクラウドサービスを尋ねた結果のうち、主要な選択肢を取り上げたものである。(調査実施時に掲載した全ての選択肢は本リリースの末尾に記載)最も多く挙げられているクラウドサービスにおいても導入率は3.5%に留まっている。「基幹業務の分野ではクラウドを活用しない」という回答割合は79.0% に達し、「コラボレーションや顧客管理の分野ではクラウドを活用しない」における66.2%よりも高い。このことから「基幹業務」におけるクラウドサービス活用はまだそれほど進んでいない状況があらためて確認できる。しかし、全体に占める割合は少ないながらも、基幹業務におけるクラウド活用の現状や今後を把握しておくことは重要だ。次頁以降ではそれらについて詳細を述べている。


■中堅企業におけるERPパッケージ運用アウトソースとBIの組み合わせが現状では有力
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「基幹業務」の分野において導入/利用をしているまたは導入/利用を予定しているクラウドサービスを尋ねた結果を年商別に集計したものである。「基幹業務SaaS by 奉行iシリーズ」は年商50億円以上~100億円未満の中堅下位企業層での導入が比較的多く見られる。
この企業層はシステム規模が中小企業と比べてやや大きくなる一方、その運用管理を担う社内人材が不足しがちな状態となりやすい。そのため、パッケージ製品の管理/運用をアウトソース形態に近い同サービスが受け入れられやすいものと考えられる。
一方、「SAP BusinessObjects BI OnDemand」および「BusinessACXEL for SAP ERP」は年商100億円以上~300億円未満の中堅中位企業層と年商300億円以上~500億円未満の中堅上位企業層での導入が比較的多い。
前者はクライアントPCにモジュールを導入し、そこからクラウドへアクセスすることによって個々の社員でも集計/分析を実行可能とするものである。
後者は既に自社内運用している「SAP ERP」をデータセンタへ移管することによって運用管理コストを削減するとともにビジネスインテリジェンスなどの付加機能を提供している。
いずれのソリューションも、ある程度のシステム規模や社員数を抱える中堅中位企業層もしくは中堅上位企業層でのニーズが比較的高いものといえる。
このように見てみると、「基幹業務」におけるクラウドサービスの活用は自社内で運用しているERPパッケージのアウトソーシングによってコスト削減や運用管理負担の軽減を実現し、それにビジネスインテリジェンスなどの付加価値を加えるといったものが比較的受け入れられており、その主な対象は中堅企業となっていることがわかる。


■基幹業務のクラウドサービス活用ではコスト削減効果が依然として最も重視されている
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「基幹業務」のクラウドサービスにおける導入効果を尋ねた結果である。導入状況に応じて、以下のように分類をしている。
既に導入/利用している(導入前): 導入/利用済みのユーザ企業に対し、導入前に期待していた効果を尋ねた結果
既に導入/利用している(導入後): 導入/利用済みのユーザ企業に対し、導入後に実際に得られた効果を尋ねた結果
導入/利用の予定がある: 導入/利用を予定しているユーザ企業に対し、期待する効果を尋ねた結果
導入/利用を検討している: 導入/利用を検討しているユーザ企業に対し、期待する効果を尋ねた結果
まず全体を見ると、「ハードウェアの維持費用を削減できる」「ソフトウェアの維持費用を削減できる」の2項目が3割超と最も多く挙げられており、「ネットワークの維持費用を削減できる」「運用管理の人的作業負担を軽減できる」「システムを素早く構築できる」「セキュリティを強化することができる」といった4項目が続いている。前半の4項目はいずれもコスト削減に関連するものである。このことから、「基幹業務」のクラウドサービス活用においてはコスト削減効果が依然として重要事項であることがわかる。
この結果は「基幹業務」のクラウドサービスとして比較的多く導入されているものが、いずれも既存パッケージのアウトソーシングに近い形態であることとも合致している。基幹業務システムでは個別カスタマイズが加わることも多いため、マルチテナント型のクラウドサービス(その多くはSaaS)ではカバーすることが難しい。そこでIaaS またはホスティング/ハウジングに近い形態を採用することで、アプリケーション層に極力手を加えることなく、ハードウェア、ネットワーク、運用管理の人的作業などにおけるコスト削減を実現するという手段を選ぶことになる。
「既に導入/利用している(導入前)」と「既に導入/利用している(導入後)」を比較すると、ほぼ横ばいもしくは前者に比べて後者の値が低くなっている項目が目立つが、概ね期待通りの効果を得られていると捉えて良いだろう。さらに「導入/利用の予定がある」と比較すると「システムを素早く構築できる」や「セキュリティを強化できる」は既に導入/利用をしている場合の方が高い値を示している。つまりハードウェア、ネットワーク、運用管理の人的作業などにおけるコスト削減を目的としてクラウドサービスを導入したが、システム構築の迅速性やセキュリティの強化など当初は考慮していなかった導入効果も得られているケースがあると考えられる。ITソリューションを提供する側としては、「基幹業務」のクラウドサービス活用がインフラ関連のコスト削減をもたらすだけではなく、システム構築の迅速性やセキュリティの強化といった自社内運用では得られなかった新たな効果を生み出すことを訴求することが有効と考えられる。


■中長期的な効果を説明した上で、導入可否の判断を支援する上流工程の支援が必要
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業のうち、「基幹業務」のクラウドサービスを導入/利用しているまたは導入/利用を予定/検討しているユーザ企業に対し、「基幹業務」のクラウドサービスの課題を尋ねた結果である。
「運用管理の人的作業負担が減らない」「十分なコスト削減効果が得られない」「利用中のアプリケーションを変えたくない」「クラウド移行を主導する社内人材がいない」といった項目が多く挙げられている。上位2つの項目は期待されたコスト削減効果が得られないことに起因するものである。それに続く2項目はクラウド移行に伴う障壁といえる。つまり「既存アプリケーションを維持することで影響を最小限に抑えつつ、クラウド移行をすることによってコスト削減効果を得たいが、それを主導する社内人材がおらず、期待した効果も得ることができていない」というのが中堅・中小企業における「基幹業務のクラウド活用における課題といえる。
これを解消するにはITソリューションを提供する側がクラウド移行のプランを策定し、実作業をリードする必要がある。
しかし、こうした上流工程のソリューションは高額となりやすい。そのため、上流工程の支援に対価を払ったとしても、中長期的にコスト削減効果が得られることを確認した上で、それをわかりやすくユーザ企業に説明する必要がある。
以下のグラフは上記の結果を導入状況別に集計したものである。
「導入/利用を検討している」においては「既に導入/利用している」や「導入/利用の予定がある」と比べて「クラウド移行を主導する社内人材がいない」が多く挙げられていることがわかる。そのため、クラウド活用の可否を判断する初期の上流工程の段階においてもユーザ企業支援する取り組みが求められてくる。さらに、「既に導入/利用している」と比べた場合、「導入/利用の予定がある」「導入/利用を検討している」においては「運用管理の人的作業負担が減らない」という課題も多く挙げられている。上流工程に加えて、運用作業においてもユーザ企業を支援する取り組みが必要となってくる。


■プラン策定やネットワークセキュリティの配慮など総合的なソリューション提供が不可欠
以下のグラフは「基幹業務」のクラウドサービスを利用しないと回答した年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、その理由を尋ねた結果である。
「クラウドによってもたらされるメリットはいずれも必要性がない」が最も多く、そこから15ポイント程度値を下げて「十分なコスト削減効果が得られない」が続いている。この傾向は「コラボレーション/顧客管理」とも類似している。これまで見てきたように「基幹業務」のクラウドサービス活用に取り組むユーザ企業は既存アプリケーションをアウトソースする形態によってハードウェアやネットワークなどいったインフラ面でのコスト削減を実現している。一方で、「基幹業務」のクラウドサービスを活用しないと判断したユーザ企業はコスト削減効果だけでなくクラウドが持つ様々なメリットも勘案した上で自社には不要と判断していると考えられる。
その他の項目では「初期投資の負担が大きい」「クラウド移行作業にかかる費用負担が大きい」「社外にデータを置くことが不安である」「利用中のアプリケーションを変えたくない」などが多く挙げられている。いずれも「コラボレーション/顧客管理」と共通している。
既に述べたように基幹業務においては「初期投資の負担が大きい」「クラウド移行作業にかかる費用負担が大きい」といったクラウド移行に際しての費用を抑える工夫(既存パッケージのアウトソース活用など)に加えて、クラウド活用の可否を判断する上流工程での支援が重要となってくる。また「社外にデータを置くことが不安である」については社内システムとの連携ニーズが高いことを踏まえるとより重要な課題といえる。ITソリューションを提供する側には、データセンタと自社をVPNで接続するなどのネットワーク関連ソリューションを基幹業務のクラウドサービスと併せて提供できる体制が求められてくる。
これらを総合すると、ITソリューションを提供する側としては、『クラウド導入可否を判断する上流工程から支援を行い、既存アプリケーションをアウトソースすることでコスト削減効果を狙うのか、新しいアプリケーションを構築して抜本的な改善を目指すか、既存パッケージを補完する位置付けとしてクラウドを活用するのかなどといった基本方針をユーザ企業が適切に下せるように後押しする』といった取り組みが求められると考えられる。
調査実施時に「既に導入/利用している、またはそれらを予定/検討している基幹業務のクラウドサービス」における選択肢として挙げたクラウドサービスは以下の通りである。これらの選択肢はパッケージやクラウドなどを全て含んだ網羅的なアプリケーション調査において比較的多くの回答が見られたものや、取材調査などを通じて動きが活発であると判断されたものを含めるという方針に基づいて選定されている。
本リリース冒頭のグラフは導入状況を尋ねた設問の回答を集計し、回答件数が多かったものに絞った結果を集計したものである。回答件数が少なかったものは冒頭のグラフでは「その他」に含めている。


<<ERP、会計など>>
BusinessACXEL for SAP ERP[電通国際情報サービス]
TIS Ondemand Service for SAP ERP[TIS]
INERPIA/イナーピアSAPホスティング[NTTデータ]
SAP ERP/SAP Business All-inOneによるその他のSaaS
JD Edwards EnterpriseOne On Demand@Oralce[日本オラクル]
SuccessFactors[サクセスファクターズ]
EXPLANNER for SaaS[NEC]
GRANDIT for Cloud[インフォコム、インフォベック、日本ユニシス]
GRANDIT-ASP・SaaS[NEC、NECネクサソリューションズ]
SuperStream-NX SaaS[スーパーストリーム(旧:エス・エス・ジェイ)]
MCFrame online原価管理[東洋ビジネスエンジニアリング]
A.S.I.A.G-BTO program[東洋ビジネスエンジニアリング]
FineCrewNX[日本オフィス・システム]
NetSuite[ネットスイート]
基幹業務SaaS by 奉行iシリーズ[NEC、NECネクサソリューションズ]
奉行iシリーズ、奉行ERP/奉行V ERPによるその他のSaaS
基幹業務SaaS by 大臣[NEC、NECネクサソリューションズ]
PCA for SaaS[ピー・シー・エー]
GLOVIA smartきらら[富士通]
ネットde会計[パイプドビッツ]
dougubako[日立システムズ]
ZAC Enterprise[オロ]
Concur[コンカー]
その他のERPや会計のSaaS
<<帳票、ビジネスインテリジェンスなど>>
SaaS型BIサービス/購買実績分析[日立製作所,日立システムズ]
Dr.Sum EA(集計SaaS)[ウイングアークテクノロジーズ]
SAP BusinessObjects BI OnDemand[富士通]
帳票SaaS[ウイングアークテクノロジーズ]
OPROARTS[日本オプロ]
その他の帳票やビジネスインテリジェンスのSaaS
<<その他>>
基幹業務の分野ではクラウドを活用しない


本リリースの元となっている「2012年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」の詳細は下記URLを参照
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TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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