1/2.33型 16メガピクセルSmartFSIイメージセンサを開発

パナソニック 2012年06月14日 11時59分
From PR TIMES



パナソニック株式会社 デバイス社は、高感度化と画質の均一性[1]とを両立する新MOSイメージセンサSmartFSI(R)※1技術を開発し※2、商品化第1弾として2011年11月よりデジタルカメラ向け14メガピクセル品※3を量産しています。さらなる高感度化と低ノイズ化を図った16メガピクセルSmartFSI(R)※1イメージセンサ(品番:MN34120シリーズ)を商品化第2弾として、2012年6月より量産開始します。

【効 果】
本製品を使用することにより、デジタルカメラやムービーといった機器に搭載されるカメラの高感度化・高画質化を実現できます。また、本技術を展開することにより、スマートフォンを含むモバイル端末の高感度化・高画質化・薄型化を実現できます。

【特 長】本製品は以下の特長を有しております。

1.業界トップレベル※4の高感度 3200 el/lx/sec/um2かつ画質の均一性を実現することにより、カメラモジュールの薄型化が可能

16メガピクセルSmartFSI(R)は画素の面積が当社従来品※3の86%と縮小したにも関わらず、当社従来品※3の3050el/lx/sec/um2から3200el/lx/sec/um2へと業界トップレベル※4の高感度を達成しました。同時に小面積化による色ばらつきを抑え、さらなる高画質を実現可能にしました。さらに、カメラの薄型化にともない発生するセンサ周辺の画素での混色[5]現象や集光率の低下も防ぐことができ、色ムラや輝度ムラのない高画質な薄型カメラの実現も可能としました。


2.暗い場所における撮影で課題となるノイズを当社従来品※3比約70%に低減

夜景や暗い室内の撮影では、カメラの感度を上げて撮影する必要が出てきます。しかしカメラの感度を上げるとイメージセンサのノイズの影響が出て、撮影した画像にざらつき感が出てきます。今回のSmartFSI(R)※1イメージセンサでは、画像のざらつき感を一層低減し、夜景や暗い室内でも細部のディテールまで高い解像感を保ったまま描写することが可能となりました。


3.フルHD動画撮影時の消費電力を当社従来品※3比約30%削減

デジタルカメラやスマートフォンを含むモバイル端末での動画撮影の機会が増えていく中、高解像度と低消費電力の両立を実現し、フルHD動画の長時間撮影を可能としました。




【内 容】
本製品は以下の技術によって実現しました。

1.当社独自の集光構造における、入射光を反射して画素の中に閉じ込める光隔壁形成技術と、閉じ込めた光をフォトダイオードに導く光導波路最適設計技術

SmartFSI(R)※1は、画素の周りを反射鏡の役目をする光隔壁で取り囲み、光導波路を通してフォトダイオードに導いています。この当社独自の集光構造により、様々な方向から入射してくる光を反射して画素の中に閉じ込めることができます。今回、光導波路構造とフォトダイオード構造の最適化を図ることにより、さらなる高感度化と画質の高い均一性を実現しました。また、この集光構造により、レンズとイメージセンサの距離を小さくすることが可能となり、カメラモジュールの薄型化に貢献します。


2.新ノイズ除去関数の導入によるノイズ除去回路の最適設計技術

イメージセンサから出てくるノイズは、画素アンプを構成するトランジスタのノイズとそれらのノイズを除去するノイズ除去回路の性能で決まります。今回、拡散プロセスの見直しで画素アンプの低ノイズ化を行うと共に、ノイズ除去回路の設計に新ノイズ除去関数を導入することでノイズ除去性能の向上も達成しました。この結果、イメージセンサから出てくるノイズを当社従来品※3比約70%に低減しました。


3.当社独自の画素加算駆動技術と、低電圧とダイナミックレンジを両立する新アナログ/デジタル変換回路技術

MOSイメージセンサの消費電力は、動作速度による消費電力とアナログ/デジタル変換回路の消費電力が大きなウエイトを占めます。動作速度を低速化することで消費電力を低減するためには、画素信号を加算する方法がありますが、回路のダイナミックレンジとのトレードオフの関係にありました。また、アナログ/デジタル変換回路の電源電圧の低電圧化による消費電力の低減においても、回路のダイナミックレンジとのトレードオフの関係にありました。今回、ダイナミックレンジを犠牲にせず、画素信号を加算する独自の駆動方式を開発しました。さらに、低電圧化とダイナミックレンジを両立させる新回路構成を搭載した、アナログ/デジタル変換回路を開発することにより、フルHD動画撮影時の消費電力を当社従来品※3比約30%削減しました。

【従来例】
光量の少ない夜景や暗い室内を綺麗に撮影したいという要望があり、さらなる高感度・低ノイズ性能に加え、細部のディテールまで高い解像感を保ったまま描写できるイメージセンサが求められていました。

【製品化】
量産出荷開始 : 2012年6月    
サンプル価格 : 数量応談

※1: 「SmartFSI」は、パナソニック株式会社の登録商標または商標です。
※2: 2011年5月12日発表
※3: MN34110シリーズ(1/2.33型 1424万画素(有効画素))
※4: MOSイメージセンサとして。2012年6月14日現在、当社調べ。


【用語の説明】
[1] 画質の均一性
カメラレンズの性能やイメージセンサが持つ画素の集光性能により、画像の中心部と周辺部で色や明るさの違いが発生する場合があります。前者を色ムラ、後者を輝度ムラと言います。
輝度ムラはカメラにおける画像処理で補正しやすいものですが、色ムラは視覚的に目立つとともに様々な被写体を想定した画像処理での補正も難しく画質を低下させる大きな要素であり、高画質なイメージセンサには画像の色均一性が特に要求されています。

[2] 光隔壁
画素の周りを取り囲んだ壁で、周囲より屈折率の低い材料で構成され、光を反射する機能を持っています。その機能により、様々な方向から入射してくる光を反射して画素の中に閉じ込めることができます。

[3] フォトダイオード(Photo Diode)
イメージセンサの重要な構成要素で、光を電子に変換する光電変換機能と、変換された電子を蓄積する機能をもっています。しばしばPDと略されます。

[4] 光導波路
周囲より屈折率の高い材料で構成され、光を閉じ込める機能を持っています。その機能により画素に入射した光を閉じ込めてフォトダイオードに誘導する光の通路の役割を果たしています。

[5] 混色
イメージセンサの撮像部は、赤、青、緑の色を検知する機能をもつ画素がマトリクス状に並んでいます。これら画素間で隣接した画素の信号が光学的に混ざる現象のことです。隣り合った画素信号が混ざるため、色ムラや解像度の低下などが生じます。


【照会先】
デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL : 06-6904-4732
ホ-ムページURL : リンク



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