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2011年中堅・中小企業におけるスマートフォン/タブレットの活用実態と展望調査報告

ノークリサーチは2011年中堅・中小企業のスマートフォン/タブレットの活用実態と展望に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

ノートPCや既存の携帯とは異なるスマートデバイスならではの活用シナリオが必要
■社内向けスマートデバイス活用はまだ黎明期だが、プラスの意味での不確定要素も大きい
■導入効果を得ている企業は情報系だけでなく、営業/顧客管理系や分析/出力系でも活用
■「スマートデバイス利用=既存システムのWeb化が必須」に固執しない幅広い視点が大切
■端末を企業で購入しても、管理を個人任せにしたままでは十分な導入効果を得られない
■既存業務システムの範疇とは異なる出自のスマートデバイス活用シナリオに留意すべき
■社外向けのスマートデバイス活用においては業種/業態に固有のシナリオ提案が不可欠
■「参照」より「発生源入力」、「社内向けプレゼン」より「顧客向けアピール」での活用が有効

2011年中堅・中小企業におけるスマートフォン/タブレットの活用実態と展望調査報告
調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノートPCや既存の携帯とは異なるスマートデバイスならではの活用シナリオが必要
■社内向けスマートデバイス活用はまだ黎明期だが、プラスの意味での不確定要素も大きい
■導入効果を得ている企業は情報系だけでなく、営業/顧客管理系や分析/出力系でも活用
■「スマートデバイス利用=既存システムのWeb化が必須」に固執しない幅広い視点が大切
■端末を企業で購入しても、管理を個人任せにしたままでは十分な導入効果を得られない
■既存業務システムの範疇とは異なる出自のスマートデバイス活用シナリオに留意すべき
■社外向けのスマートデバイス活用においては業種/業態に固有のシナリオ提案が不可欠
■「参照」より「発生源入力」、「社内向けプレゼン」より「顧客向けアピール」での活用が有効


■社内向けスマートデバイス活用はまだ黎明期だが、プラスの意味での不確定要素も大きい
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「社内向けのスマートデバイス活用状況」を尋ね、その結果を年商別に集計したものである。「社内向け」とは企業の従業員が所持(会社支給もしくは個人購入)するスマートデバイスを通じて、主に自社の業務システムを利用する形態を指す。(「スマートデバイス」の定義については本リリース末尾を参照)
社内向けのスマートデバイス活用の具体例としては以下のようなものが挙げられる。
例) 建設業でスマートフォンのカメラで撮影した現場状況を日報に添えて送信する
例) 営業担当がタブレット端末にカタログや契約書を格納し、客先での説明に用いる
例) 部課長職が外出先から申請フォームを確認し、ワークフローの承認を行う
「業務改善などの効果を得ている」と「期待した効果は得られていない」を足した「既に導入している」の割合は、いずれの年商帯においても20%未満に留まり、「導入を予定している」の割合も10~20%程度に留まっている。次頁以降では中堅・中小企業におけるスマートデバイス活用を活性化させるために何が必要か?を調査データに基づいて考察している。

■導入効果を得ている企業は情報系だけでなく、営業/顧客管理系や分析/出力系でも活用
前頁のグラフを見ると、「導入の予定はない」はいずれの年商帯でも40弱~50%程度と多い。一般消費者向けにスマートデバイスが急速に普及する一方で、企業における社内向けのスマートデバイス活用はまだアーリアダプタによる取り組みに留まり、黎明期にあるといえる。
スマートデバイスを導入済みまたは導入を予定している企業に対し、その対象業務範囲を尋ねた結果を見ると(本リリースでのデータ掲載は割愛)、いずれの年商帯においても「情報系(メール、グループウェア、ブログ、SNSなど)」「営業/顧客管理系(SFA、CRM、コンタクトセンタなど)」が多く挙げられていることがわかる。両者ともに主に想定されているのは社員が外出先からスケジュールを確認したり、日報を記載したりといった利用シーンである。だが、これらはノートPCや従来型の携帯電話でも実現可能であり、スマートデバイスの特徴を生かしているとはいえない。
一方、「スマートデバイスを社内向けに活用しない要因(複数回答可)」を尋ねた結果を見ると、(本リリースでのデータ掲載は割愛)企業規模が小さくなるにつれて「自社業務の中で必要となる場面がない」という回答割合が多くなっていることがわかる。これらの結果から、社内向けのスマートデバイス活用を広く活性化させるためには企業規模によらないスマートデバイスならではの活用シナリオを提示していく必要がある。また、「端末の購入コストが負担である」や「端末管理コストが負担である」といった回答割合が目立つ一方で、「ノートPCで既にニーズは満たされている」という回答も多い。従来型の携帯電話と比べた時の「画面の見やすさ」や「入力のしやすさ」をアピールするだけでは「ノートPCの持ち出し」との差別化が難しい。むしろ端末を新たに購入するための費用やスマートデバイスに固有のセキュリティ管理などが必要になるだけ負担は大きくなる。「画面が大きくて使いやすい携帯電話」や「ノートPCが小さくなったもの」とは異なる新たな活用シナリオが必要となってくる。
以下のグラフは「スマートデバイスを導入済みまたは導入を予定している業務範囲(複数回答可)」を活用状況別に尋ねた結果である。
「既に導入しているが、期待した効果を得られていない」とその他の活用状況での結果を比較すると、「営業/顧客管理系(SFA、CRM、コンタクトセンタなど)」と「分析/出力系(DWH/BI、レポーティング、帳票など)」の割合が低くなっていることがわかる。つまりメールやグループウェアによる「参照」を中心とした情報共有だけで導入効果を得ることは難しく、営業社員が社外から見積算出や受発注処理を行ったり、経営層が売上や業績を参照して即座に指示を出すなどといった「入力」を伴った活用が重要であると考えられる。


■「スマートデバイス利用=既存システムのWeb化が必須」に固執しない幅広い視点が大切
以下のグラフは「スマートデバイスを社内向けに活用しない要因(複数回答可)」を活用状況別に尋ねた結果である。(「活用していない」と回答した企業が対象となるため、活用状況の区分は「導入の予定はない」と「現時点では判断できない」の2つとなっている)「導入の予定はない」と回答した企業では「自社業務の中で必要となる場面がない」といった理由が最も多く挙げられている。
この点については既に述べたように参照中心の社内情報共有以外の新たな活用シーンを提案していく必要がある。一方で、「現時点では判断できない」と回答した企業は「導入の予定はない」と回答した企業に比べて「業務システム側の改変が必要になる」という理由が多くなっている。特に中堅・中小企業においてはまだWeb化されていない業務アプリケーションも数多く存在し、そのままではスマートデバイスで利用できないケースも多い。
たが、こうした課題に対する解決策も登場しはじめている。一つはSSL-VPNアプライアンスを介して、社内PCにリモートデスクトップ接続を行うという方法だ。既にノートPCをモバイル端末とした形態で実績のあるソリューションだが、これをスマートデバイスに置き換えたものである。具体例としては日立ソリューションズの「DesktopDirect」などが挙げられる。
もう一つは画面転送型のシンクライアント方式においてサーバ側でユーザインタフェースをスマートデバイス向けに変換するといった手法だ。シトリックスシステムズの「Citrix XenApp6.5 + Citrix XenApp 6.5 Mobility Pack」が具体例として挙げられる。
つまり、前者は社内PCのリモート画面としてスマートデバイスを活用するアプローチ、後者はスマートデバイス向けの画面を自動生成するアプローチといえる。いずれもスマートデバイスにデータが残らないため、情報漏洩防止の観点からも有効なソリューションとなる。ユーザ企業にとっては「業務アプリケーションをスマートデバイスからも利用可能にする=Web化する」と決めてしまわずに、業務システムの改変を最小限に抑えつつ、その他のメリットも享受できるソリューションを幅広い視点で検討することが重要である。


■端末を企業で購入しても、管理を個人任せにしたままでは十分な導入効果を得られない
以下のグラフは社内向けのスマートデバイス活用状況を「所有者と運用管理状況」別に集計した結果である。
「既に導入しているが、期待した効果は得られていない」については所有者と運用管理状況によって大きな差はない。だが、「既に導入しており、業務改善などの効果を得ている」については「自社で購入したものを社員に利用させているが、端末の管理は個々の社員に任せている」における値が他の区分と比べて低くなっている。つまり、自社で端末を購入したとしても、管理をしっかり行わなければ、個人所有の端末を利用させている場合よりも導入効果が低くなってしまう可能性があることを上記のデータは示している。
これはセキュリティについてもあてはまる。従来型の携帯電話では会社契約としておけば通話やパケット使用の料金を把握することができ、トラブルに繋がる使用を抑止することができた。しかし、個々の利用者がアプリケーションを自由に追加できるスマートデバイスでは事情が全く異なる。スマートデバイスについては携帯電話の延長ではなく、「PCと同じ」という視点で管理体制を検討することが非常に重要である。


■「スマートデバイス利用=既存システムのWeb化が必須」に固執しない幅広い視点が大切
以下のグラフは業務システム別のスマートデバイス活用状況をプロットしたものである。
この業務システム別のスマートデバイス活用状況と、冒頭に挙げた社内向けのスマートデバイス活用状況の結果を比較すると、後者と比べた場合の前者の導入率が全体的に低いことがわかる。つまり、「社内向けのスマートデバイス活用」という広い観点で捉えた場合と個々の業務システムにブレークダウンした場合との間にギャップがあるということになる。この要因としては以下の3点が考えられる。
・特に用途を定めず、試験的にスマートデバイスを導入しているケースがある
・従来の業務システムにはカテゴライズされない利用シーンがある
・ソーシャルサービス(FacebookやTwitterなど)を活用する目的で導入している
1.は「スマートデバイスがビジネスにどう生かせるか?」などを模索するために数台単位で試験導入するといったものだ。2.は建設業が現場の施工管理に活用するなどの例が挙げられる。現場をカメラ機能で撮影し、それを添付して事務所内の上司へ送る。上司はそれを確認し、折り返しの指示をメールや電話で出す。このフローはスマートデバイス間のやりとりで完結させることも可能なため、「業務システムにおける活用」という観点で見た時には捉えることができない。3.は飲食店や各種小売店がGPSと連動したクーポンを顧客に提供するなどのサービスが該当する。この場合も一連の仕組みは大手ソーシャルサービス業者が提供するものを利用するケースが多いため、既存の「業務システムにおける活用」には該当しない。このようにスマートデバイス活用におけるバックエンドシステムは必ずしも従来の業務システムが担うとは限らない。ITソリューションを提供する側としてはクラウドの活用なども含めた広い視点でスマートデバイス活用を捉えておく必要がある。


■社外向けのスマートデバイス活用においては業種/業態に固有のシナリオ提案が不可欠
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、社外向けのスマートデバイス活用状況を尋ねた結果である。
「社外向け」とは企業が顧客(一般消費者を含む)や取引先が所持するスマートデバイスを活用し、自社ビジネスの活性化や顧客/取引先の利便性向上に取り組む形態を指す。
社外向けのスマートデバイス活用の具体例としては以下のようなものが挙げられる。
例) GPS機能を活用し、近隣店舗の情報を消費者にタイムリーに通知する
例) カメラで撮影した画像に情報を重ね合わせて表示し、商品説明に役立てる
例) 病人看護や老人介護の際に加速度センサによる転倒検知を介護担当者へ知らせる
社外向けのスマートデバイス活用を進めるためには、まず自社ビジネスに寄与するアイデアが必要となる。
自治体においては高齢者向けの巡回バス予約にスマートフォンを活用した事例(三重県玉城町の「元気バス」など)や車椅子にスマートフォンを装着し、転倒事故などが起きた際に介護センタへ自動通報するシステム(東京都青梅商工会議所の「地域見守りシステム実証実験」など)といった取り組みが既に進んでいる。
だが、中堅・中小企業における一般消費者が持つスマートデバイスを活用した取り組みは社内業務システムにおける活用と同様にまだ初期の段階にある。それぞれの業種/業態に即した活用シナリオを発案していくことが求められる。次頁では業種/業態に応じた個別の活用シナリオをどう捉えるかについて取り上げている。


■「参照」より「発生源入力」、「社内向けプレゼン」より「顧客向けアピール」での活用が有効
これまで見てきたように、中堅・中小企業におけるスマートデバイス活用は極めて初期の段階にあり、ユーザ企業側もITソリューションを提供する側も「どのような業務シーンで活用すれば良いのか?」を模索している状況といえる。そうした状況下においては、先行して取り組むユーザ企業がどのような活用シナリオを描いているのか?を知ることが有効だ。
本リリースの元となっている調査レポート「2011年版中堅・中小企業におけるスマートフォン/タブレットの活用実態と展望レポート」では調査対象企業に対し、社内向け/社外向けのスマートデバイス活用の具体的な内容を尋ねている。
以下ではそのうちの「組立製造業における社内向けのスマートデバイス活用シナリオ」についてまとめたものを例として掲載している。
下記の図版は横軸に「活用予定」「活用中だが効果は出ていない」「活用中かつ効果を得られている」といった活用状況、縦軸に年商規模を配置している。楕円で示されるのが実際にユーザ企業によって挙げられた活用シナリオである。
楕円がどの場所にあるか?によって「その活用シナリオは実際に効果を挙げているのか?」、「どの年商規模で挙げられたものなのか?」を知ることができる。同じシナリオが「活用予定」と「活用中かつ効果を得られている」の両方にプロットされることもある。これは実際に効果を得ているユーザ企業が存在し、かつ今後同じ取り組みを予定しているユーザ企業もあること示している。
次頁には個々のシナリオ内容について記載している。

シナリオ1:
一般社員がスマートデバイスを利用して社外からメール、スケジューラ、ワークフロー、SFAといった情報共有系の業務システムを利用する。
シナリオ2:
各拠点(工場など)における在庫や製造/発注の発生源入力による一括管理。
シナリオ3:
顧客や取引先に対し、主にタブレットを用いて自社商材のデモや事例紹介を行う。(紙面による説明と比べて精緻かつ動きのあるアピールが可能となる)
シナリオ4:
主にタブレットを利用した社内ミーティングにおけるプレゼンテーションでの利用。
シナリオ5:
紙面資料をデジタル化してスマートデバイスで閲覧することによるペーパレス化。

シナリオ1は幅広い年商帯において導入予定と導入例が見られるが、企業規模が小さくなるにつれて、「活用中だが効果は出ていない」という回答が増える傾向にある。先にも述べたように、「参照」だけでは、ある程度の社員数がないと情報共有メリットを得づらいと考えられる。しかし、単に情報を参照するだけでなく、「出張時の営業報告書の作成」や「交通費の自動計算」といった「発生時点でのデータ入力」も加わると、企業規模が小さくても導入効果を得ている例が増えてくる。これは組立造業に限らないポイントだが、「社外での閲覧」だけではなく、「場所によらない発生源入力」という観点も加えることが重要と考えられる。
シナリオ2もシナリオ1と同様に幅広い年商帯で導入予定と導入例が見られるが、導入効果が企業規模に左右されるという傾向を示していない。シナリオ2も「場所によらない発生源入力」に該当することから、上記に述べたポイントが裏付けられる形となっている。
シナリオ3は実際の商材を持ち運ぶことが難しいケースも多々ある組立製造業にとって、商談獲得の拡大に繋がる極めて有効な活用法といえる。「活用中かつ効果を得られている」という事例が見られるのは年商100億円以上だが、「活用予定」といった回答が見られる年商帯は50億円まで下がる。シナリオ3の活用は今後年商の低い方向へと徐々に広がっていくと予想される。
シナリオ3が商談に直結した活用であるのに対し、シナリオ4は社内におけるプレゼンテーションを想定した活用である。大企業において幹部社員向けにタブレットを支給し、情報共有に効果を得た事例が見られるが、幹部社員の数自体がそれほど多くない中堅・中小企業においては同様の取り組みを行った場合の効果はそれほど期待できないと推測される。それを裏付けるようにシナリオ4については「活用中だが効果は出ていない」という回答が多く見られる。同じ社内向けの利用であっても、ペーパレス化を目的としたシナリオ5についてはシナリオ4とは異なり、「活用中かつ効果を得られている」という回答が多く、比較的導入効果を得られている。ただし、紙面をデジタル化する作業コストが発生するため、費用対効果を得るにはある程度の企業規模が必要となってくる。実際、シナリオ5の実施が見られるのは年商300億円以上の中堅上位企業である。


付記:ノークリサーチによるスマートデバイス(スマートフォンおよびタブレット)の定義

「スマートフォン」や「タブレット」という言葉は一般消費者の間でも既に広く使われている。だが、これらの定義はユーザやメーカによって様々だ。しかし、これらの市場を取り上げる際には何らかの形で明確な定義を与える必要がある。そこで、ノークリサーチでは「スマートフォン」「タブレット」(両者をまとめて「スマートデバイス」と呼ぶ)および関連する各用語を以下のように定義している。
[フィーチャーフォン]
通話機能以外にカメラ、音楽再生、各種センサ(加速度センサなど)といった様々な機能を搭載した多機能携帯電話。
※後述の「スマートフォン」も上記のような特徴を備わっているが「スマートフォン」は「フィーチャーフォン」の一種とは見なさない。
[ スマートフォン]
以下の条件を満たした携帯電話。
・キャリア(通信会社)固有ではない汎用的なOSを搭載している
・搭載OS上で、キャリアや端末メーカとは異なる第三者がフィーチャーフォンよりも高い自由度で(※)アプリケーションを開発/提供できる
・ユーザーがキャリア固有ではない形でアプリケーションを導入/利用できる仕組みを備えている
・3G回線やWiFiなどを介したインターネットへの接続機能を備えている
※フィーチャーフォンにおいてもNTTドコモの「iアプリ」、auの「EZアプリ」、ソフトバンクモバイルの「S!アプリ」といったアプリケーションを開発する仕組みが提供されていたが、キャリア依存した開発作法やアクセス先がアプリケーションのダウンロード元に限定されることもあるなどの制限があった。
[タブレット]
スマートフォンが備える4つの条件に加えて、さらに以下を満たすもの。ただし、携帯電話としての通話機能は必須ではない。
・画面のサイズは7インチ以上
・タッチパネル画面による入出力を主体とし、キーボードやマウスといったそれ以外の入力デバイスを標準では本体に備えない
※通話機能を備えないことを「タブレット」の定義に加える考え方もあるが、サムスンモバイルの「GALAXY Tab」、NECカシオモバイルコミュニケーションズの「MEDIAS TAB」など通話機能を備えたものも登場してきており、通話機能がないことを「タブレット」の定義に加えることは実態と合わなくなってきている。
※スマートフォンの定義には「キーボードを備えない」ことが条件に入っていない点に注意する必要がある。実際、従来型携帯電話と同じナンバーキーやキーボードを備えたスマートフォンも存在する。一方、「タブレット」の定義には薄型ノートPCなどと区別するため、タッチパネル以外の入力デバイスを標準では本体に備えないことが条件に含まれている。
※上記2点を踏まえると、「ナンバーキーやキーボードを備えないスマートフォン」と「タブレット」の実質的な違いは画面サイズのみとなってきている。その際の画面サイズの境界線をどこに設定するか?は判断が難しいが、各メーカから販売される「スマートフォン」「タブレット」と称される製品の状況をふまえると、「7インチ」が一つの境界線の候補として現時点では妥当と考えられる。
※タブレットとノートPCの中間に位置するものもある。レノボの「IdeaTab S2-10」は本体タブレットだが、専用の「キーボードドッキングステーション」に接続するとノートPCと変わらない形態となる。ノークリサーチの定義では別途オプションでキーボードを装着するものは「タブレット」に含める。
※一方、同社の「IdeaPad U1 hybrid with LePad slate」はWindows7搭載ノートPCだが、ディスプレイ部分を取り外すと単体のAndroid搭載タブレットとして機能する。タブレット部分(「LePad slate」の部分)のみの販売も行われる予定ため、この機種はタブレットとノートPCの文字通りのハイブリッドであるといえる。「LePad slate」単体についてはキーボードを備えないタブレットとしての利用が主に想定されていることから「タブレット」に分類される。だが、「IdeaPad U1 hybrid with LePad slate」は一部をタブレットとして切り離すことができる「ノートPC」として分類される。
[タブレットPC]
以下のいずれかの条件を満たすWindowsOS搭載のPC。
・Windows XP Tablet PC Editionを搭載し、タッチパネルを備えたもの
・Windows VistaやWindows7が備えるタブレット機能を活用し、タッチパネルによる操作が可能なものタブレットPCのうち、キーボードを備えないものは「ピュアタブレット型」(例.NECの「Lavie TB」など)と、キーボードを備えると同時に折りたたみや回転によってピュアタブレットのような形状にもなる「コンバーチブル型」(例. パナソニックの「Let‘snote C1」、デルの「Inspiron Duo」など)がある。
[スレートPC]
「ピュアタブレット型」のタブレットPCの別称。WindowsOSを搭載した「タブレット」に相当するため「タブレット」と同義と見なすことも多いが、「スレートPC」はWindowsOSのフル機能を搭載しており、一般PC向けアプリケーションをそのまま利用できることがiOSやAndroidを搭載した「タブレット」とやや異なる。ノークリサーチの定義では「スレートPC」は「タブレット」の一種とみなす。
上記に述べた関連用語の関係を図示すると、以下のようになる。企業における「スマートフォン」や「タブレット」の活用はまだ黎明期であり、企業向け用途での精緻な市場規模算出ができる段階には達していない。(メーカ出荷数値に基づく算出方法では一般消費者向けや電子書籍などの特定用途向け端末が混在し、それらを正確に仕分けることが難しいため、実際と乖離した数値が出てしまう可能性もある)今後新たな区分や用語が登場する可能性もあり、さらに変化が生じる可能性が十分ある市場である点に留意しておく必要がある。


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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691
www.norkresearch.co.jp

用語解説

【調査の概要】
対象企業: 日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: 2011年8月~11月
有効回答件数: 1000件および1400件(設問によってサンプル分布が若干異なる)

本リリースの元となっているレポートの詳細は右記URLを参照リンク

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