柔軟な回路設計、高精度、コスト低減を提供するスマート・メータ向けソリューションを発表

STマイクロエレクトロニクス 2011年03月04日 10時09分
From PR TIMES



設定可能な計測用ICとスマート・センサ・チップから構成され、
業界最高レベルの費用効果を備えたスマート・メータ専用チップセットにより、
アプリケーション性能とハードウェア拡張性を向上
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エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する
世界的半導体メーカーで、電源管理用ICの主要メーカーであるSTマイクロ
エレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、世界中で家庭や企業へのスマート・
メータの導入が進む中、次世代スマート・メータに業界最高レベルの精度と費用
効果を提供する新たな計測用ICファミリを発表しました。

可動部の摩耗や外部からの不正行為に弱く、機能も限られている従来の誘導型
積算電力計とは異なり、新しいスマート・メータ(電子メータ)は、可動部品が
存在しないことにより摩耗の心配がなく、高度な改竄検出機能の他、送電系統
管理と料金請求機能を改善する双方向通信に対応した高機能アプリケーション
です。このスマート・メータにより、電力会社は自動遠隔検針が可能になり、
消費者は電力消費量の把握と管理が可能になります。2009年、米国では約800万
台のスマート・メータが出荷され、アジアは2014年までに世界最大のスマート・
メータ市場に成長すると予測されています。また、イタリア、フランス、および
スペインにおける大規模プロジェクトにより、2015年までにヨーロッパでの設置
台数も1億台超になると予測されています。

STのインダストリアル & パワー・コンバージョン事業部ジェネラル・
マネージャであるPietro Mennitiは、次の様にコメントしています。「この
新しいチップセットは、世界トップクラスのスマート・メータ向け半導体
ソリューションを提供するSTのリーダーシップを強化する上で、重要な意味を
持つ製品であると考えています。今回発表されたSTPMC1およびSTPMS1/S2
は、産業分野における最先端の多相スマート・メータの精度を向上させ、開発
コストを低減する新しいモジュール手法を実現します。」

スマート・グリッドと電力線通信
スマート・メータは、スマート・グリッドを実現する上で必要な構成要素です。
スマート・グリッドという用語は、電力網に監視・分析・制御・通信等の機能を
追加することで、信頼性と効率の向上、コスト管理、および能力の向上を実現
する高機能な次世代デジタル・ネットワークに幅広く使用されています。
スマート・グリッドは、消費電力の低減、再生可能エネルギーの管理、普及が
進んでいるハイブリッド車・電気自動車向けの充電需要への対応等、21世紀の
エネルギー課題の解決に貢献するよう設計されています。

これらの高機能かつ高信頼性なネットワークを実現するための技術には、
スマート・メータの他に電力線通信(PLC)があります。STのPLCチップ・
ソリューションは、最先端の計測用ICと共に、主要スマート・メータ・インフラ
の導入において広く採用されています。

モジュール式メータにおける変調と計測
スマート・メータは、検出した電流信号および電圧信号の高精度変調回路と、
電力消費量を計算する計測専用演算回路の2種類の主要機能を搭載しています。
スマート・メータの機能は、今後数年の内に、生活家電、空調機器および電源
機器に広く採用されると予測されています。STの既存ソリューションである
STPM01、STPM10、STPM11/12/13/14といった単相計測用ICには、これらの変調と
演算の機能が1個のICに効果的に集積されています。

一方、産業分野向けの3相または多相スマート・メータでは、電流/電圧検出回路
と計測回路を分離するモジュール方式を採用することで精度と費用効果が向上
します。また、検出回路上で変調ICを測定トランスデューサの近くに搭載する
ことにより、ノイズの影響を抑制することができます。さらに、同様の計測
アプリケーションの開発では、計測回路を再設計せず、必要数の変調器を追加
するのみのため、費用効果高く、過去の設計資産を再利用することができます。

多相計測用チップセット : STPMC1およびSTPMS1/S2
STPMC1およびSTPMS1/S2は、業界最高の費用効果を提供するモジュール式
スマート・メータ用チップセットで、クラス0.2の交流電力計までを含むIEC /
ANSI規格(50~60Hz)に準拠します。5個の入力チャネルを持つ計測用IC STMPC1
は、3相からの測定に対応しています。オプションである4個目のチャネルは改竄
検出または温度検知に、5個目のチャネルはホール・センサからの磁界情報を
受けるために使用します。同製品は、様々な国際分配規格に合わせた設定と較正
が可能です。

STPMS1およびSTPMS2は、各相からのアナログ電流および電圧を変換し、その
デジタル・データをSTPMC1に送信する2チャネル・デルタシグマ変調器です。
両製品は、電流センサの極めて近くに実装することができるため、アナログ
信号配線長は短くて良く、配線から外来ノイズを拾う心配がありません。さらに、
接続点数が少なくディスクリートの実装であるため、極めて高価な絶縁型センサ
を使用する代わりに、デジタル・データ・ラインを低コストで絶縁して3個の
シャント抵抗を使用できます。STPMS1は一次の変調回路を、STPMS2はさらに
高精度な二次の変調回路を有しています。

主な特徴

STPMC1
・ロゴスキー・コイル、電流トランス、シャント、ホール効果電流センサに対応
・リップルのない電力計算アルゴリズム
・ICの設定および較正用のOTPメモリ
・SPIインタフェース

STPMS1/S2
・2個のデルタ・シグマ変調回路
・設定可能、低ノイズ、低オフセットのチョッパ・アンプ
・高精度基準電圧:1.23V(最大30ppm/℃)
・クラス0.2の交流電力計までを含むIEC / ANSI規格に準拠

供給状況と価格
1個のSTPMC1演算ICと3個のSTPMSx変調ICで構成される3相メータ用チップセット
は、1,000セット購入時に約4.5ドルです。大量購入時の価格についてはお問い
合わせください。現在、STPMC1は量産対応可能です。STPMS1およびSTPMS2は主要
顧客向けにサンプル出荷中で、近々量産を開始する予定です。

STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な
技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)
ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することに
より、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて
他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は
103.5億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。

ST日本法人: リンク
STグループ(英語): リンク

◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
APMグループ
TEL:03-5783-8250 FAX:03-5783-8216

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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