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村上龍氏の最新長編小説「歌うクジラ」をiPad向け電子書籍アプリとして提供開始

株式会社グリオ 2010年07月21日 16時59分
From PR TIMES

村上龍事務所と株式会社グリオ(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:船山 浩平、以下グリオ)は作家・村上龍が講談社の文芸誌「群像」に連載した長編小説「歌うクジラ」を電子書籍化し、iPad向けアプリケーションとして7月16日よりApp Storeにて提供を開始しました。
「村上龍 歌うクジラ」は22世紀を舞台にした冒険小説で、音楽家の坂本龍一氏が新たに書き下ろした荘厳な音楽と、美しいアートワークを加えた、単なる電子書籍ではない全く新しい形の小説です。美しい曲線を描きながらアニメーションするページターンや、物語を快適に読むための格納型操作メニューを有し、巻末には本作品のアートワークを担当したグリオ所属のアーティスト篠原潤が、制作の過程で書き下ろしたアートワーク集を収録しています。



【タイトル】「村上龍 歌うクジラ」
【対応機種】iPad
  *)その他のデバイス上での販売予定についてはオフィシャルHPにて随時掲載予定。
    オフィシャルHP:リンク
【価格】1,500円(税込)
【カテゴリ】App Store > ブック
【著者コメント】以下の■資料1■をご参照ください。
【ストーリー概要】以下の■資料2■をご参照ください。


■著者紹介
村上龍
1952年長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学在学中の1976年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人賞、芥川賞を受賞。主な作品に「コインロッカー・ベイビーズ」「愛と幻想のファシズム」「トパーズ」「五分後の世界」「半島を出よ」など。2004年「13歳のハローワーク」がミリオンセラーとなる。その他、編集長を務めるメールマガジン「JMM」(リンク)や独自の視点で送るビデオレポート「Ryu's Video Report」など多方面で活躍中。

■株式会社グリオ
代表者:船山 浩平
本社所在地:〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-2-16 YKビル8F
資本金:24,000,000円
URL:リンク
事業内容:エンターテイメント・コンテンツの企画制作
     音楽制作/Webメディア運営/デジタルコンテンツ配信等
   
*)村上龍氏との共同事業一覧
JMM(Japan Mail Media:村上龍が編集長を務めるメールマガジン)
RVR(Ryu's Video Report:村上龍プロデュースのトーキング・エッセイ)
村上龍レーベル(キューバ音楽専門レーベル)
Ryu's Cuban Night(キューバ・アーティスト招聘イベント/毎年開催)


■本件に関するお問い合わせ先
株式会社グリオ 広報担当 藤原
Tel:03-5779-6270/Fax:03-5779-6776
E-mail:support-utaukujira@griot-music.co.jp


*iPadは米国Apple Inc.の商標または登録商標です。





■資料1■ 著者からのコメント


『歌うクジラ』電子書籍化にあたって

 最新作の長編小説『歌うクジラ』(初出:文芸誌「群像」講談社」)を、電子
書籍化した。紙の書籍に先行しての発表となる。現在はiPadのみで販売している
が、今後は、他のデバイスでも発表していく予定だ。電子書籍に関しては、以前
から興味はあったが、昨年あたりからリーダー機能を持つ新しいデバイスが次々
と発売され、今年が「電子書籍元年」となるだろうという予感があり、友人の坂
本龍一と、そういったことをメールでやりとりしていた。

 今年1月末、『歌うクジラ』は完結し、脱稿後に、これはわたしにとっての最
初の電子書籍にふさわしい作品だと確信した。22世紀初頭、つまり100年後
の世界を描いた未来小説であり、具体的な未来のアイテムやモチーフがちりばめ
られている。つまり、不老不死遺伝子が発見・開発され、治安維持から医療まで
ありとあらゆる種類のロボットが活動し、記憶細胞が特定されてイメージの共有
や移植のための電子機器が実用化され、宇宙空間への旅も可能になっているとい
う世界が舞台となっている。まさに、電子書籍にふさわしい小説だと思ったの
だった。

 電子書籍化にあたって、画像と音楽を織り込もうと思った。坂本龍一はオリジ
ナル楽曲4曲の制作を快諾してくれた。坂本から音楽が届いたとき、不思議な感
慨が起こった。これまで音楽家は、演劇や映画や舞踏などに楽曲を提供してきた
が、「小説のために作られた音楽」というのは、ひょっとしたら歴史上はじめて
かも知れないと思ったのだ。音楽は、基本的にページをめくる動きがトリガーと
なって、600ページを超える作品中、10数カ所で聞こえてくる。どのシーン
で、どの音楽を、どのような音量で聞かせるかを決めるのに1ヶ月以上かかっ
た。単なる背景音にはしたくなかったからだ。

 紙書籍の版元である講談社の理解を得ることも非常に重要だった。講談社は、
わたしをデビューさせてくれた出版社であり、友人も多い。紙書籍に先行して電
子書籍を販売することには抵抗も大きいと思ったのだが、「そういう新しい試み
を講談社は支持します」という理解ある反応が返ってきた。アプリ製作は、
JMMの運営・配信などでタッグを組んできたグリオに依頼したが、そのあと
も、講談社は終始好意的で、情報を交換したり、助言を受けたりした。

 画像に関しては、グリオ所属のアーティスト篠原潤が担当した。表紙と扉絵で
はアニメーションを使っている。静止画では紙書籍の装幀や挿絵と変わらないと
考えたからだ。篠原君が、膨大な資料を読み込んで作成した銃器や警備用ロボッ
トや飛行自動車、それに宇宙エレベーターなどのCGは、電子書籍でなければ表
現できなかった。だが、画像も、音楽も、小説という表現の自律性を損なうこと
がないように注意した。小説の世界を「補完する」ためにではなく、「広げ深め
る」ために、画像と音楽を使用するように心がけた。

 電子書籍市場の将来については、わたしは予測できない。おそらく音楽や映画
のパッケージ商品とは違って、紙書籍は残っていくと思う。だがある程度の変化
と淘汰は起こるだろう。だが間違いないのは、作家と読者との距離が縮まるとい
うことだ。作家は、新しい媒体を手に入れることになるわけだが、これまで以上
に質の高い作品を生み出す必要がある。電子書籍元年にあたっては、「今後どう
なるのか」ではなく「自分はどう対応するのか」が求められているのだと思う。
 
村上龍



■資料2■ 『村上龍 歌うクジラ』ストーリー概要

 2022年クリスマスイブ、ハワイ沖の海底で、グレゴリオ聖歌の旋律を正確に繰
り返し歌うザトウクジラが発見された。細胞を分析した結果、驚くべきことに、その
クジラは年齢が1400年を超えていることがわかった。クジラの遺伝子を解析する
ことにより、人類はついに不老不死に関わる遺伝子を特定する。その魔法のような遺
伝子は、"Singing Whale" 、「歌うクジラ」と呼ばれるようになった。

 それから100年後...。あらゆる階層において棲み分けが完成し、「理想社会」
と呼ばれていた日本。アキラという一人の少年が、分断された最下層区域である「新
出島」から脱出をはかろうとしていた。アキラは、罪を犯して処刑されることになっ
た父から、不老不死遺伝子「歌うクジラ」に関する重要な秘密を託されたのだった。
その秘密情報を書き込んだチップを体内に埋め込み、最上層施設に住むある人物に届
けるための、アキラの旅がはじまった。

 単軌鉄道汎用車、飛行自動車、水陸空三用無限軌道車、宇宙エレベーターなどを乗
り継ぎ、体内から猛毒物質を分泌する若者、反乱移民の子孫、100歳を超えながら
性的な冒険を繰り返す女などと出会い、メモリアックと呼ばれる記憶再現装置で謎の
交信を続けながら、何か巨大なものに導かれるように、果てしないアキラの旅は続く。
それは、22世紀の「理想社会」の現実を目撃する地獄巡りのような旅だった。

 そして、アキラはついに目的地にたどり着く。しかし、待っていたのは、ある人物
の想像を絶する告白だった。青い地球を彼方に眺める宇宙空間で、アキラの最後の挑
戦と戦いが開始される...。

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