-タグを小さな工具や金属部品に埋め込み、物の管理ソリューションを提供-
【開発の背景】
日立情報では2003年より、RFID システムの導入を総合的に支援するRFID トータルソリューション「Chipin(チップイン)/Innovation(イノベーション)」を提供しています。また2006年には、ステンレス製のアンテナでIC チップを保護した金属製タグを活用するRFIDソリューション「Chipin(チップイン)/Metal(メタル)」の提供を開始しました。金属製タグは、雨水や紫外線に対して耐久性に優れ、高電圧や衝撃などの負荷がかかる環境でも利用できるため、工具・成形金型・建設部材の管理、機械・プラントの保守・点検など、金属素材や屋外機器へのRFID 活用を提案してきました。この間、お客様からは、より小さな工具や金属部品に金属製タグを取り付けるため、さらに小さなタグ開発への要望が多数寄せられていました。
一方、日立化成は1997年よりRFID事業を開始し、これまでに累計で6,000万枚強(2010年3月末時点)のRFIDカード・タグの生産実績があります。
この度、日立情報と日立化成は、日立情報の金属対応技術と日立化成のチップ実装技術等を駆使し共同で小型化に取り組んだ結果、「金属対応小粒タグ」の製品化を実現しました。これにより、ドライバーの軸など、より小さな工具や金属部品へのタグの埋め込みが可能となりました。
今後、日立情報と日立化成は「金属対応小粒タグ」と関連ソリューションの提供により、電力設備点検や交通インフラ設備管理の他、各種金属加工製品のトレーサビリティ用途、偽造防止などのRFID市場開拓を、日立グループ各社とも連携をとりながら推進します。2010年8月より、国内を手始めに本格的な販売を開始し、海外への展開も順次実施します。2012年度には、年100万個~200万個の需要創出を図ってまいります。
なお、本製品は、5月12日(水)~14日(金)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される、「第5回RFIDソリューションEXPO」の日立化成ブースに参考出展致します。
【金属対応小粒タグの特徴】
(1)大幅な小型化に成功
サイズは4×6×3mm、従来の金属製タグ(日立情報製品/H02H、サイズ:52×13×3mm)に比べ大きさは約1/28と小型化しました。従来製品と同じく、ICチップには2.45GHz帯のミューチップ(注1)を使用しています。
(2)小さな物にも取り付けが可能
従来取り付けが困難だった、小型の工具やコネクタなどにも取り付けが可能となりました。取り付けには接着材や熱収縮チューブを使用します。(※取り付け方法についてはご相談下さい。)
(3)製品への埋め込みが可能
金属の凹部に埋め込むことも可能で、出荷する製品の内部にタグを埋め込むことで、保守や点検に利用できるなど、利用範囲が広がります。(※埋め込み方法についてはご相談下さい。)
(注1)株式会社日立製作所が開発した世界最小クラスのRFID(無線ICタグ)
【適用事例】
(1)工具・測定器具の管理
製造現場や建設現場などで使用される様々な工具、治工具や測定器具などは、速やかに準備されなければ工程上の大幅なロスにつながるため、厳密な管理に対するニーズが強くあります。これらの器具に金属製タグを取り付けることにより、持ち出しや返却、保管場所の管理のほか、使用頻度などを把握することもでき、工具などの厳密な管理を実現します。小型化によりさらに管理対象が拡大できます。
(2)金型の管理
プラスチック成形金型、プレス金型など、金型の管理にも利用できます。金属面への埋め込みにより邪魔にならず、壊れにくい取り付けが可能となります。
(3)装置、部品の管理
装置や部品の銘板として活用することもできます。ハンディリーダをかざすだけで、製造元、製造番号、製造年月日、仕様などを速やかに参照することが可能になります。
(4)設備、部材、建築資材の管理
プラント設備のパイプ支持金具、各種メータ、バルブや建設部材に金属製タグを取り付け、保守や点検に役立てることができます。点検した実際の場所や日時・作業者名などの履歴を管理することができるほか、建築物内部の建材管理や検査に活用することもできます。
(5)食品、薬品、燃料などの容器管理
頻繁に洗浄消毒が必要な食品容器や薬品容器、ボンベ・タンクなどへの取り付け、納品先からの回収管理や容器の点検管理などに活用できます。
*「ミューチップ」は、株式会社日立製作所の日本及びその他の国における商標または登録商標です。
*記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
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◆関連サイト:RFIDトータルソリューション「Chipin/Innovation(チップイン/イノベーション)」リンク
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