3PARが新しい管理ソフトを発表、新たにSSDストレージも投入

ハイエンド・ストレージの自律階層化を初めて実現

ユーティリティ・ストレージのプロバイダである米国3PAR(スリーパー)の日本法人、3PAR株式会社(東京都千代田区)は本日、ストレージ管理ソフトウェアの新製品、3PAR Adaptive Optimizationを発表しました。同社ストレージサーバ製品の3PAR InServ® Fクラス またはTクラスに搭載し、サブボリューム(論理ボリューム容量以下の)レベルでのストレージ階層化を、自律的に実行するソフトです。またInServ各モデルの搭載ディスクとして、新たにSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を追加したことを発表しました。コスト効果と省電力性能に優れたSTEC 社製ディスク(MACH8IOPS SSD)を採用しています。

3PARはハイエンドストレージ・ベンダーとして初めてストレージの自律階層化ソフトを市場投入しました。主な対象ユーザーは、大企業ならびにクラウドデータセンター事業者です。大規模分散処理と高度な仮想化を実現するInServ ストレージサーバに、新発表の3PAR Adaptive Optimizationソフトウェアと3PAR SSDを搭載した場合、ファイバーチャネル(FC)単体構成の場合と比較して約30%も低いコストで、FCと同じサービスレベルを達成できます。

サービスレベルはそのままに、コストを削減
大企業やクラウドデータセンター事業者が抱える「サービスレベルの最適化」という目標に、3PARは自律的できめ細かいアプローチで応えます。すなわち企業や事業者のシステムを中断させることなく、常に適切なデータに適切なQoSを提供し、かつ管理コストを削減するアプローチです。ストレージ階層化は自律的に、かつサブボリューム単位で実行されるため、最小限のSSDドライブ数で極めて高いパフォーマンス目標を達成できます。新製品の3PAR Adaptive Optimizationソフトウェアは、InServストレージサーバ上の異なるストレージ階層(SSD、FC、エンタープライズSATA)を一つのボリュームとして再構成し、望ましいサービスレベルを達成できます。さらに全体でみた場合のギガバイトあたりのストレージ単価は、FCだけで構成した場合を下回ります。

Nephila Capital(米国の投資会社)のシニア・インフラストラクチャ・アーキテクトであるNicholas Ferguson氏は以下のように述べています。「設置面積や総コストが限られる中、当社が目指すサービスレベル目標を達成するには、サブボリュームレベルでの非常にきめ細かなデータ移動と、SSDとニアラインの両ドライブの活用を組み合わせた効率的な運用が必要でした。さらに当社の試算によると、InServストレージサーバにSSDを搭載したことで運用コストも削減されました。これはSSDの駆動や冷却に要する電力量が、従来のハードディスクと比較してはるかに少ないからです」

3PAR Adaptive OptimizationソフトウェアとSSDの組み合わせは、高度に仮想化された3PAR InSpire® アーキテクチャの機能を十二分に活用しています。この機能とは、ボリューム以下の細かさでデータを移動できる内蔵エンジン、高性能のSSDリソースをアーキテクチャ上の全コントローラ、CPU、ポート間に分散しバランスをとるMesh-Activeクラスタとワイドストライピング、SSD向けに機能強化された、ストレージ階層化用のキャッシング・アーキテクチャ、そして豊富な履歴レポート機能です。

STEC(SSDメーカ)のテクニカル・マーケティング担当ヴァイス・プレジデントであるScott Stetzer氏は次のように述べています。「SSDテクノロジーは、限られた二酸化炭素排出量の中で群を抜くパフォーマンスを引き出すのみならず、ストレージ階層化のパラダイムを考え直すきっかけを業界全体に与えてくれました。3PAR のAdaptive Optimizationとエネルギー効率の優れた同社の『グリーンな』ストレージ・アレイに、STECの最先端のSSDテクノロジーを組み合わせることで、パフォーマンスとコストの双方を最適化できる、非常に革新的なアプローチを見出すことができました」

新しい自律管理技術で、さらに俊敏に
3PAR Adaptive Optimizationは、アプリケーション・ライフサイクル全般を通じて、管理者の手を煩わせることなく、最も効率の良いデータ配分ができる設計になっています。このソフトウェアは、サブボリューム単位でのパフォーマンスを自動的にモニタし、システム運用を中断することなく、階層間の負荷のバランスを自律的にとりながらユーザー側で追加したポリシーも反映し、アプリケーション要求の変化にも柔軟かつ継続的に対応します。同時にシステムを中断させずにボリュームレベル以下のデータ移動を実現する技術により、ユーザーの業務に与える影響を少なくし、リスクを最小化します。これはこれまで何年も使われてきた実証済みの技術を、ポリシーを追加できる管理者のコントロール権限と組み合わせたものです。

3PAR Adaptive Optimizationには、特定のパフォーマンスやコスト設定に応じてプロファイル内データ移動にバイアス(変数)をかけることができる「QoSグラディエント」機能が含まれています。ある特定のQoSグラディエントの設定により、任意のストレージタイプへのデータ移動を高速化/低速化できるため、ユーザーはサービスレベルや運用コストの目標に向けて、より適切な対応をとることができます。例えば、季節需要の変動幅が大きい商品の受発注管理アプリケーションのような、高いサービスレベルが望まれるデータ処理に対しては「パフォーマンス・グラディエント」を設定できます。また、感謝祭の金曜日でビジネスが活況となる日(ブラック・フライデー)や感謝祭の休み明けの月曜日(サイバー・マンデー)の直前などにワークロードが急増し始めた場合にも、このグラディエントは素早く、自律的にデータを高パフォーマンスのリソースに移動させ、ワークロードが通常レベルに戻るまでその状態を維持します。

IDCのストレージ・ソフトウェア担当プログラム・ディレクターであるLaura DuBois氏は、次のように述べています。「3PARによるストレージの自律階層化は、アプリケーションごとに柔軟にポリシーを設定・適用する自由を与えてくれるものです。これによってパフォーマンス特性の変動幅が大きいアプリケーションにはAdaptive Optimizationを適用し、その他の安定した(動きの少ない)データはそのまま保存しておくことができます。つまり3PARの顧客は、高度に仮想化された単一のInServアレイ上に、複数のストレージ階層化用プロファイルを確実に設定できるため、より柔軟かつ高度なデータ統合を実現し、かつストレージ機器の購入量を減らすことができます」

3PARの社長兼CEOであるDavid Scottは次のように述べています。「Adaptive OptimizationとSSDとの組み合わせは、『ストレージ管理の自律化』における3PARのリーダーシップをさらに強化するものです。当社はストレージの自律階層化が、大企業やクラウドデータセンターにとってコスト面、環境面での新たなメリットとなることに加え、仮想環境におけるストレージ・インフラの対応力の強化・迅速化につながるものと考えています」

価格と供給時期
3PAR Adaptive Optimizationソフトウェアは本日より受注を開始します。3PAR InServストレージサーバへのSSDの導入は2010年4-6月期に開始の予定です。
最新の3PAR InForm® OSを搭載する3PARのすべてのInServストレージサーバ(FクラスならびにTクラス)が対象となります。3PAR Adaptive Optimizationソフトウェアはオプション製品で、このソフトウェアの使用には3PAR System Reporterソフトウェア(ヴァージョン2.7以上)が必要です。
3PAR Adaptive Optimizationソフトウェアおよび3PAR SSDは、いずれも3PARの国内販売代理店(チャネルパートナーズ)を通じて販売します。

このプレスリリースの付帯情報

3PAR InServストレージサーバ

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関連情報
http://www.3par.jp
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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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