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2007年度PCサーバ国内出荷調査報告

ノークリサーチでは2007年度の国内PCサーバの出荷状況を調査した。 2008年度の予測も併せて調査、報告している。

<07年度 PCサーバ市場のポイント>  
■07年度PCサーバ市場は、「潜伏期」に突入。市場全体が「様子見」状態
 -台数は対前年「並み」のフラット市場で、550,330台
 -金額市場は「実質単価上昇」で、トータルでは上向きへシフトで4.8%増
■悪循環の市況下で、仮想化、統合化、高機能サーバの需要が伸びる
■シェアはNECがトップ維持。HPのアグレッシブな拡販施策でトップに肉薄
■目立つ大型商談がなかったが、高機能集約と低価格エントリサーバで全体としては堅調
■ラックは統合・集約で堅調な伸び。ブレードも急成長だが、市場は全体の1割弱
■ 08年度は「積極的守り時代」に突入で、不確実ながら再び増加の兆し

◇対象期間  :(2007年度実績)2007年4月~2008年3月
       (2008年度予測)2008年4月~2009年3月
◇対象メーカ :電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカ
       日本電気、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種 :電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法 :当該メーカに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇ 調査時期 :2008年5月

[2007年度出荷状況]
-「潜伏期」に突入したPCサーバ市場。前年「並み」のフラット成長 -
 PCサーバの07年度(07年4月から08年3月)までの実績は550,330台で、対前年比±0%アップのフラットとなった。主たる要因は2つ。一つは前期にあった大型案件に替わる大口受注が無かったこと。2つ目は全般的な新規サーバ需要の停滞感にある。業種全般に硬い動きを示し、ネット系新興企業、大企業のインフラ系導入、IDCなどへの需要は安定して存在する。一方で景況感のマイナス要因「グローバル経済の低迷、内需低迷、原材料高、円高」などが積極的な投資意欲を抑制した。エントリ系のサーバも全般的に中堅・中小企業にも行き渡り感があり、増設や新規需要の上積みが活発ではなかった。あわせて、内部統制、コンプライアンスなどに端を発した、すでに設置されたサーバのセキュリティや運用管理などの守備的なIT対応状況が新規需要の増加に抑制効果として働いたようだ。統合化での需要はデータセンターやネット系企業などの処理量の急拡大する需要に響いて、ラックが好調で、一部ブレードも出荷伸ばすも、52,662台と対前年比25.9%伸びたがサーバ全体市場では9.6%でまだ1割に満たない。ただし金額市場は上昇傾向にある。マルチコアタイプのサーバが主流になっていることもありタワー、ラック、そしてブレードなどいずれも単価は上がってきている。金額では3,026億円で、前年比で4.8%アップとなっている。台数の伸びよりも、ここ1,2年は高機能サーバへのシフトが進んだことにより、さらに単価は高まる傾向にある。

[2007年度 メーカシェア]
-地力でNECがシェアトップ維持、勢いではHPの圧力優勢-
 NECは25.7%でシェアトップ。中堅・中小企業の基幹システムへのリーチできる販売チャネルと既存ユーザ財産が全国に整備されていることが最大の強みだ。新しい市場に向けた製品対応を積極的に行い、特に07年5月に投入したデータセンター向けのラックサーバが好調だった。仮想化に伴う新たな市場にもシンクラやストレージなど総合力を生かしたアプローチも目立った。エコ(省電力)ではH/W、S/W、ファシリティの総合的な観点でもすばやく対応している。また官公庁や自治体、文教市場の強みはNECの大きなアドバンテージになっている。
 HPはワールドワイドで製品を生産する極めてコストメリットの高い製品価格で対抗している。特にHPはもともと大手SIerとのコラボレーション販売で、エンタープライズへの強みを持つ。加えて中堅・中小企業向けに100Vの低価格ブレードサーバをパッケージ化してチャネルでも売りやすくするなど、販売店支援と広告宣伝を展開したアグレッシブな戦略が好業績を収めた要因だ。特に下期における好調さはNECを凌ぐ勢いをみせたが、最終的なシェアはNECに及ばず23.6%となった。
 デルは17.0%で3番手だが、一時の勢いを失いつつある。シェア重視から収益重視への方向転換が、今後どのようにトップ2社に迫るだけの施策が打たれるのか注目したい。特にパートナーとの「チャネル販売」を行うかどうか、デルの最大の特徴である「すべてメーカ直販」からの方針の転換が奏功するかは微妙なところだ。
 富士通は強みである中堅・中小企業の既存ユーザや強いチャネルをようやく戦力化し始め、シェア14.5%と復活の兆しを見せている。しかしまだ台数シェアとしてはトップと比較すると非常に大きな差になっている。販売プロモーションや既存及び新規販売チャネルへの販促施策も打ち出し、シェアも成長率も高めている。むしろ富士通が08年度に今までの失地回復として、エントリからブレードまでのフルラインでの製品戦略に注目したい。
 日本IBMはシェアに関しては「静観」の構えだ。一時期あらゆる商談にブレードを提案していた日本IBMは、07年度に入り、現実的なニーズに対応したサーバ対応、つまり商談やユーザニーズに応じてブレードを提案するようになった。期待された中堅・中小企業向け100Vブレードは08年になってからが勝負となるだろう。07年度での低価格ブレードの寄与率は極めて低い。トータルとしてシェア9.6%で、前年対比でも大きく下回った。
 日立は台数では、上位5社からさらに大きく引き離されている。従来まではエンタープライズ系の日立の得意な官庁、金融や日立系のホストやUNIXのマイグレーションが中心だった。07年度は一般企業での競合案件に積極的に参加するべく、チャネル販売を強化したが、実際は結果がまだ出ないようだ。07年度では特に下期の不調が響き5.6%とシェアダウンしている。

[2008年度の市場展望]
- 08年度は「積極的守り時代」に突入で、不確実ながら再び増加の兆し-
08年度も引き続き「潜伏期」のままで、大きな成長要素は見当たらないが、仮想化や統合化への高機能サーバ需要は活発で、ラック、ブレードの高機能、高価格なサーバが伸びて、金額市場は盛り返すことが予想される。キーワードは「WindowsServer 2008」の登場によるリプレース効果、シンクライアントやブレードによる統合化、集約化、仮想化による、新規サーバ購入の機会は増えそうだ。マルチコアタイプのサーバが主流のため単価が上昇傾向にある。低価格の1Pタワーから2Pタワーや2Pラック、ブレードなどが増えて、サーバの平均価格が高まり、今後の金額市場は上がる傾向になることは間違いない。さらにブレードなどの高付加価値型サーバは仮想化、統合化の需要が高まり見通しは明るいことなどがあげられる。ただし現状はまだ「様子見」の状態が予想されるが、59万台、7.2%アップと予測する。ブレードは11.5%の割合となる。
 グリーンITでの物理的な省エネ、エコ化は勿論のこと、ITシステムそのもののグリーン活用=IT資源の有効活用、効率活用という観点でいえば、仮想化や統合化が08年度は最大のキーワードであることは間違いない。統合化・仮想化で論理サーバが増えるだけ、物理サーバも増えるというどちらの見方もある。短期的には若干物理サーバの増加との見方が一般的だ。つまり08年度の高機能サーバの伸びは統合化による台数減には直接つながらないということだ。
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ  担当:伊嶋謙二
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