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「SaaS市場の実態と中期予測調査報告」

ノークリサーチでは、2007年の国内SaaS市場を調査し、その実態と将来予測も併せて分析報告している。

【ノークリサーチのSaaS定義】
ベンダが所有するソフトウェアをユーザがネットワーク経由で利用するサービス。「カスタマイズの実現度」「ユーザビリティの高さ」「マルチテナント技術の応用」などの技術的裏付けから従来のASPとは区別されるソフトウェアの提供形態。SaaSはXaaSの一形態であり、ソフトウェアの利用料金(セットアップ費、カスタマイズ費、ランニングコスト含む)がSaaS的市場を金額ベースで形成する。つまりSaaS的市場は、既存のソフトウェア、サービスの代替市場である。

<07年 国内SaaS的市場のポイント > 
①SaaSは07年に離陸した新サービス。市場規模換算でいえば08年に約860億円
-当面はパッケージソフトとのハイブリッド形式が主流になる
-情報処理量の多いコラボレーション系/フロント系で採用される
-SaaS型ソフトウェア開発と普及、ユーザのSaaS利用への心理的ハードルの突破には最低5年はかかる
-ITリテラシの比較的高い中堅企業以上の企業から利用が進む
②「所有から利用へ」そして「作るから作らないシステムへ」
-XaaS(X as a Service)という広義のサービス形態が誕生する
-ソフト/ハードの運用・保守業務上のコスト及び負担からユーザを解放する
-低価格・短期間でユーザビリティの高いソフトウェアを利用できる
-細分化した機能からユーザは業務に適合したシステムをマッシュアップできるようになる
-オーバーシュートしたシステムと決別しピンポイントで要求を満たすITを利用できるようになる

[国内IT市場規模とSaaS的市場規模]
ー07年IT市場規模全体は約14兆1千億円、「ソフトウェア+サービス」は約8兆6百億円のうちSaaS的市場規模は約417億円(0.5%)。

国内IT市場規模は、「ソフトウェア(ライセンス)」「ハードウェア(サーバ・クライアント・ストレージ・ネットワーク機器・周辺機器)」「サービス(SI・サポート・トレーニング・アウトソーシング)」の各市場規模の合計。07年で14兆1千億円、08年は前年比2.0%拡大で約14兆4千億円、以後年平均2.0%成長で12年には15兆6千億円に達すると予測される。
 07年より計測を開始したSaaS的市場規模は、SaaS型ソフトウェアの金額規模とSaaSに伴うセットアップ、カスタマイズ、保守金額を含め、ソフトウェア市場、サービス市場の0.5%(417億円)を代替する。大手パッケージベンダのビジネスモデル変革によってSaaS型ソフトウェアが普及するには最低でも5年は要すると見られ、SaaS的市場は緩やかに成長するものと予測される。08年で同市場の1.0%(866億円)が、12年で同市場の8.0%(7,746億円)がSaaS的市場に置き換わると予測される。

[SaaS適用分野]
―現状キラーコンテンツ不在、当面はコラボレーション系/フロント系で適用 CRMがSaaS型ソフトウェアの代表格として知られるが、現状キラーコンテンツは不在である。つまり「使いたいソフト、サービス」がほとんどないのが現状だ。現実的には企業内IT環境はパッケージソフトとのハイブリッド形式が主流になるだろう。
SaaS型ソフトウェアは、マルチテナント・アーキテクチャ上で稼働するという性格上、今後も情報処理量の多いコラボレーション系/フロント系で採用されることになるだろう。将来的な理想型としてはパッケージとして優れた機能、実績を保有するソフトウェアが基幹系/コラボレーション系/フロント系にかかわらずSaaS型に移植され、「安く、簡単に」使えるようになることである。SaaS的なテクノロジベースドな仕組みは間違いなく本流になる。ただし厳密に言えば「SaaSは市場ではない」ということだ。現時点では「ITの様々なサービス形態がSaaS(XaaS)にシフトしつつある」という経過的な状況に過ぎない。

[作らないシステム]
―カスタマイズ不要、作り込まずに業務に適合するITの実現に向けて
 ソフトウェアの「所有」は負担を生じさせる一方で、自社業務への適合度合の高いカスタマイズを実現してきた。そしてSaaSも、提供ベンダのスキルが高ければカスタマイズに伴う保守性や所要時間の条件を満たした上で、パッケージと同程度の広範囲の機能についてカスタマイズが実現できると言われている。しかし、ユーザ企業がカスタマイズを要求する時点でソフトウェアの所有から利用へという革命的なパラダイムシフトの恩恵を全面的に受けられているとは言えなくなる。
 ここでの本質は、ユーザ企業が細分化した機能から業務に適合したシステムを自らマッシュアップできるようになることであるからだ。それは同時にオーバーシュートしたパッケージと決別しピンポイントで要求を満たすITの利用にもつながる。「作らないシステム」利用の実現には、肝心の細分化した機能が出揃っているわけではないため今すぐとはいかないものの、将来的なIT利用の理想像を反映しているはずだ。 単なる「ネット上のオンラインショップ的なソフト提供」はとても「SaaS」とはいえないことは言わずもがなである。

[SaaSの今後]
―XaaSの誕生に向けて、ベンダには最低5年の助走期間が必要
 SaaSを皮切りに将来的にはXaaS(X as a Service)と表現される広義のサービス形態が誕生することになる。それは従来のホスティング・サービスに見られるサーバのレンタル・サービスに加えプラットフォーム、ストレージ、CPU処理能力など、ヴァラエティに富んだ機能がインターネット経由のサービスとして展開されることを指す。
 しかしSaaSについて、まずは提供ベンダが名乗りを上げないことには発展がみられない。とりわけ実績のあるパッケージベンダが「企業が欲しい製品・サービスをSaaS対応」しないことには成立しない。パッケージベンダが相対的に薄利多売なSaaSモデルへとビジネスモデルを変革するには時間が要求される。そして肝心のSaaS型ソフトウェア開発についても、クラサバ型ソフトウェアのインターフェースをブラウザベースに変更するには莫大なコストもかかり、開発期間も改めて必要とされる。
 一方でSaaSのセキュリティ、データの外部保存などに対するユーザ企業の心理的不安を解消するには多くの成功事例が公表されなければならない。双方の事情を踏まえてSaaS普及には、やはり最低でも5年程のスパンの余裕をみなければならない。SaaSのロードマップでいくと、5年後の2012年ごろにXaaSとしてサービス市場の大きな存在になるものと予想される。

※当リリースの詳細は「08年版 中堅・中小企業向けSaaS市場の実態と中期予測レポート」
として2008年3月25日にノークリサーチから発刊予定。

当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ  担当:松延健児 監修:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1712
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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www.norkresearch.co.jp

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