OSDLの日本担当ディレクタに、元 富士通の工内 隆が就任

コミュニティとベンダとの橋渡し、OSS推進フォーラムとの連携、モバイルLinuxワーキンググループの活性化を目指す

エンタープライズ・コンピューティングにおいてLinuxの採用加速に取り組むグローバルコンソーシアムである米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(Open Source Development Lab、以下:OSDL)は、2006年4月19日付けで、OSDLの日本における活動を統括するディレクタに工内 隆が就任したことを発表いたしました。

工内 隆は、2001年から、Linux関連事業に携わり、2004年からは、OSSの普及を図る官民の団体である「日本OSS推進フォーラム」(※1)における「ビジネス推進ワーキンググループ」の主査を務め、各種調査や報告書作成を主導してきました。
また、2005年2月に日本独自のサブ・ワーキンググループとして発足したOSDLの「SI Forum」(※2)のメンバーとして、日本市場において重要な役割を担うシステムインテグレータ各社が、LinuxをはじめとするOSSでのシステム提案・構築を促進するための課題に取り組んできました。

OSDLは、新しく ”Bridges to Communities” (開発コミュニティへの橋渡し)を活動目標に掲げ、開発コミュニティと、OSDLならびにOSDLメンバー企業との関わりを深めることに注力しています。
その第一弾として、今年3月、Linux/OSS開発者のリーダー(創設時9名)から構成される「テクニカル・アドバイザリ・ボード」(Technical Advisory Board、以下TAB)を編成しており(※3)、今後、日本においても、開発コミュニティのリーダーを招聘して、OSDLメンバー企業向けセミナーと、 日本の開発エンジニア向けのセミナー開催なども計画しています。

また、OSDLは、日本のエンタープライズ市場でLinuxの採用をさらに加速するためSI Forumワーキンググループの活動を強化し、また、日本OSS推進フォーラムとの連携を密にしていくことから、これまでの工内の経験と実績が日本統括ディレクタとしての職務に活かされます。

さらに、CGL(キャリアグレードLinux)、DCL(データセンタLinux)、DTL(デスクトップLinux) に続く4つめのワーキンググループとして、次世代携帯電話市場をターゲットとして2005年10月に発足したMLI (Mobile Linux Initiative) では、日本やアジアにおけるベンダ各社の参画が期待されており、MLIの活動を日本が積極的にリードしていきます。


工内の就任について、日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティー座長で(株)NTTデータ取締役の山田伸一氏は次のように述べています。「日本OSS推進フォーラムの発足からOSSビジネス推進のリーダーシップをとってこられた工内氏と、日本のOSS普及のために、また一緒に活動できることを大変喜んでおります。OSDLとOSS推進フォーラムはますます連携を深めます。OSDLのフォーラムメンバーとしての活躍に加えて、OSDLを通じてLinux/OSS開発コミュニティとフォーラム参加各社・団体の取り組みが繋がっていくことも大いに 期待しています。」

また、レッドハット株式会社の代表取締役社長である藤田祐治氏は、「レッドハットは、工内氏がOSDLの日本担当ディレクタに就任したことを心より歓迎いたします。日本におけるLinuxの黎明期からLinuxと共に歩んできた工内氏が、その経験をいかし、Linuxをはじめとするオープンソースの発展に手腕を発揮されることは、ひいては業界全体の活性化につながるものと期待しております。」とコメントしています。

OSDLジャパンアドバイザリボード議長でNEC OSS推進センターグループマネジャーの柴田次一氏は次のように述べています。「OSDLジャパンアドバイザリボードを代表して、工内氏のディレクタ就任を歓迎致します。日本の技術リソースとコミュニティとの橋渡しの活動は、今後日本のLinux市場が成長していくために非常に重要なものになると考えます。OSDL は既にLinus TorvaldsやAndrew Morton をフェローとして迎えており、日本のエンジニアが本流のコミュニティ中で、より活躍できるようにする活動はOSDLに新たな価値を生み出すことと信じております。」

OSDLのCEOであるStuart Cohenは次のようにコメントしています。「工内氏の豊富な経験が新しい職務に活かされ、オープンソースの発展にとって重要な地域である日本において、OSDLは、オープンソースの採用を促進するために、ますます重要な役割を果たす存在なるでしょう。日本政府は、日本においてLinuxやOSSの果たす役割が拡大すると認識しており、工内氏は、ベンダ、政府、ならびにオープンソースの開発コミュニティ間の協力を加速してくれるでしょう。」

OSDLの日本担当ディレクタ就任に当たり、工内は次のように述べています。「OSDLがLinux/OSS開発コミュニティとの橋渡し強化を打ち出したこの時期に、OSDLに参加し、業界のリーダー各社様とともに、日本のLinux市場、および、開発コミュニティのさらなる活性化に取り組むことを楽しみにしています。今後、OSS推進フォーラムやLinuxディストリビュータ様における経験と人脈を生かし、OSDLに対するユーザ様やベンダ様からの期待に応えていきたいと考えています。」

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■工内 隆(くない・たかし) プロフィール
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OSDL参加以前は、富士通株式会社 サーバシステム事業本部 Linuxソフトウェア開発統括部において、統括部長代理として、Linuxパートナとの連携、OSS製品の企画に従事しながら、2004年3月からは、日本OSS推進フォーラムにてビジネス推進ワーキンググループの主査を務めてきた。

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■OSDLについて
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リンク (英語)
リンク (日本語)

OSDL(Open Source Development Labs)は、Linux開発者であるLinus Torvaldsが所属しており、Linuxの成長とエンタープライズでのLinux採用を促進することを目的としています。2000年にCA、富士通、日立、HP、IBM、インテルならびにNECにより設立され、LinuxユーザならびにIT業界のリーダー企業から成るグローバルなコンソーシアムにサポートされたNPO(非営利団体)です。OSDLは、通信、エンタープライズデータセンタおよび企業のデスクトップなどで利用されるLinuxに関する業界全体にわたる取り組みを支援しています。

このプレスリリースの付帯情報

OSDL 日本担当ディレクタ 工内 隆

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用語解説

※1 日本OSS推進フォーラム
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Linuxをはじめとするオープンソース・ソフトウエア(OSS)の普及促進を目的として、国内企業各社が組織した団体。 経済産業省の外郭団体であるIPA(情報処理推進機構)が事務局を務める。日本OSS推進フォーラムでは、ユーザ、ベンダ、学識経験者の有識者が参集し、OSSの活用上の課題について、自由な立場で議論し、課題解決に向けての取組を行っている。
工内が主査を務めたビジネス推進ワーキンググループでは、OSSの知的財産権に関わる諸課題を解説した「ビジネスユースにおけるオープンソースソフトウエアの法的リスクに関する調査」や、ユーザがTCO(Total Cost of Ownership)の比較を行うための解説書「OSSのTCOガイド」などを作成し公開している。

※2 SI Forumワーキンググループ
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現状のLinux/OSSの活用を促進していくことを目的として、2005年2月に日本独自のサブ・ワーキンググループとして発足し、現在、OSDLメンバー13社が参加している。その活動成果として、RFP (Request For Proposal/提案依頼書) の作成手引き、要員育成情報、事例情報、動作関連情報などから構成される「Linux/OSSシステム構築情報」を2006年3月に公開している。

※3 「テクニカル・アドバイザリ・ボード」(TAB:Technical Advisory Board)
TAB創設プレスリリースは、以下をご覧ください。リンク
TAB代表者として、オープンソース開発者であり、SteelEye社のCTO(Chief Technology Officer)であるJames Bottomley氏がOSDLの役員会(Board of Directors)メンバーに就任しました。

関連情報
http://www.osdl.jp/
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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