Facebook日本語版はmixiに勝てるか

2008年5月19日 18時00分

 米国のSNS「Facebook」が日本語化されました。5月19日にはCEOであるMark Zuckerberg氏が都内で会見を開き、翻訳に関わったユーザーに感謝の言葉を述べました。同日夜には開発者向けイベント「Facebook Developer Garage Tokyo」も開催されるなど、Facebookが日本でも存在感を示し始めています。いち早く開発者向けプラットフォームを公開し、米国では非常に勢いがあるFacebookですが、日本市場でも同様の結果を残せるでしょうか。パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 江島健太郎
    江島健太郎さん (エンジニア、アントレプレナー)
    Facebookがmixiに匹敵する成功を日本国内で収められるかという質問なら明確にNoといえますけど、ではそれをもってmixiの勝ちと呼ぶかというとそれも明確にNoです。

    残念ながら、ひとつの企業としてどちらの市場価値が高いかは明白でしょう。今後の成長性というファクターを加味しても、しなくてもです。土俵を日本国内に限定して比較することなど、自慰行為でしかありません。

    日本市場で勝つためには日本市場・日本文化への最適化が欠かせませんから、日本企業が優位なのは当たり前ですが、「早すぎる最適化は諸悪の根源」と言われるように、それは「海外への進出を難しくする」という諸刃の剣でもあって、長期的にはそれが足かせになってしまう。そのことに、もっと多くの人に気付いて欲しいと思います。

    ソフトウェアの中国語・日本語・韓国語・ベトナム語へのローカライズの世界でバイブルとされる素晴らしいCJKV本を著したのが、当事者たる日本人ではなく米国人だったというあの衝撃の事件、たとえばそのことを考えるだけでも神妙な気持ちになりませんか?

    そこへきて、ソーシャルソフトウェアでは重要な「共通の話題」を提供するドライバーとしてのハリウッド。日本もエンタメならゲームやアニメを輸出してる、負けてない、って言われますけど、それって結局のところサブカルチャーですよね、メインストリームじゃなくて。やっぱり分母が2桁3桁違うんじゃないかと思います。

    その点、米国のニュースやエンタメは世界共通の関心事なんです。米国企業は米国企業であるというだけで、ゲタを履いてるんです。ズルしてるんです。

    言語(英語)、文化(ハリウッド)、市場(シリコンバレー)という3つのハンデがある中で、世界に通用する文化的本質とは何か?ということに、日本にいて気付けというほうが無理なのかも知れません。

    ちょっと悲観的な物言いになってしまいましたが、まずは日本を離れてみるのが最初の第一歩だぞ、ということが、ごく一部の人だけにでも伝わればと。
    2008-05-20 14:26:47

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